患者が、

肺炎や心不全、命に関わる疾患で入院してくる場合、

たいてい患者の生死にかかわる話しを家族に告げられ、

延命治療の話しが医師からなされる。


今まで病気をしてこなかったほとんどの家族は、

自分の身内が死ぬかもしれないということを、

日常の生活の中で話しを持つことは少ない。

ましてや、

延命治療についての知識もないことが多い。


食べれなくなったらどうするか・・・。

呼吸状態が悪化したらどうするか・・・。

心臓が止まりそうになったらどうするか・・・。


意識のない患者、

高齢で病識のない患者など、

患者本人に延命治療に関する意思を確認できない時には、

家族の意見を尊重することになる。


入院してすぐに、

患者の一生を決断する選択を、家族に委ねられる。




その患者も、

医師から家族に、延命治療を施すか否かの確認を迫られた。


動揺して、動転している家族。

子と配偶者とで意見が別れ、悩み苦しんでいる。

お互いが感情的になって、話し合う。


その娘が、あたしに泣きついてきた。

「どうしていいかわからない・・・。

どうすればいいんですか?

何が一番いい方法なんですか?」


・・・ ・・・。

それをあたしが決めることは、できないの。


きっとね、

どんな決断を下したとしても、

その人にもしものことがあった時には、

自分達の行動を悔やむことがあるかもしれない。


でもね、

家族みんなが、その人のこと思っての、

その人にとって最善の方法を考えているのなら、

その人は、家族の決断を受け入れるはず。


そう、あたしは想う花