結婚前、休みのときアパートに来て、いろいろ掃除などをしてくれた両親だったが、あるとき棚から15センチもある大ムカデを見て、腰を抜かすくらいにびっくりしたことがあった。


実際はほんとのムカデではなく、ゴムで作ったおもちゃだったのであるが、あまりにもある場所がそれらしく、また、割りばしでつまんだとき、ぷるぷる動いて見えたので、本物のようで、二人とも信じてしまったのであった。


ガスコンロのところにおそるおそる持って行って、焼き殺そうとしたら、ゴムのにおいがして、その大ムカデは溶けた。


そこで、両親は大笑いをしたという。


ムカデが見つかったときは、こんな下宿にいて大変だと息子を不憫に思ったそうだ。


このように、二人は、おしどり夫婦といわれる位、いつも一緒に行動を共にしていた。