高校生のころいろいろ海外からのエアメールで、郵便受けはいっぱいになったが、あるとき、見慣れないスエーデンからの封書が届いた。


スエーデンは当時北欧のフリーセックスの国としてニュースにもなり、高校生の私には非常に好奇心を駆り立てる国であった。


当時、ヨーロッパのペンフレンドは、イギリスのJILLさんから送ってもらった、CHILDREN's Paperという子供新聞のPen Pal欄に投稿することで、たくさん得ることができた。その新聞の海外の読者は全世界にいて、その読者にすれば、遠いアジアの日本は神秘的で夢多い国ではなかったろうか?


いろいろな国から返事が来ていた。その新聞を通して、アフリカの友達も作れたし、新しいドイツの友達も紹介してもらえた。


どういう経路でSwedenからの封書が来たのかは、想像できなかったが、中を開けてみて、想像を絶する小さな写真の一覧が鮮明に目に飛び込んできて、びっくりした。(いわゆる、ポルノ雑誌の広告であった。)

今では、Webででも簡単に検索できてしまう時代になって、ちょっと恐ろしい気もするが、その当時としては、その広告の写真だけでも、十分少年に衝撃を与える内容だった。


家族の前で、一瞬どうしていいかわからなくなり、ただ茫然としてそのエアメールを見て固まっている異常な様子は、両親にはすぐに気づかれてしまった。


しかし、母親と父親のそれを見たときの反応は、かなり違っていた。


母親はびっくりしてそれを取り上げると、いきなり破り捨てた。が、父親はその破った紙をつなぎ合わせながら、一人の男性としてこれは貴重で面白いと言って喜んで、北欧は素晴らしいと言って感心までした。


救われたのは、両親とも息子を信じて、それほど、このことで怒りつけなかったことである。


その後その手紙はどうなったのか覚えていないが、多分、母が処分してしまったのだろうと想像する。


この時、父親の心の広さというか、教育方針にいたく感動して、自分も成人して子供ができたら、このような正直な父親でいたいと思ったのである。