大学受験の発表のとき、父はわざわざ合格発表を大学まで見に行ってくれた。


あらかじめ、電報での発表依頼を申しこんであったのだが、実際に発表してある大学の情報でも確かめに行った。


国立大学の合格はそれまでの灰色の受験一色で過ごした高校生活を、一気にばら色の大学生活へ開花させてくれた。


合格発表の夜、両親といっしょに酒を飲んで祝った。初めての酒の味は簡単に私を酔っ払いにして、立てないほど酩酊させた。


でも、そのときの興奮、嬉しさは人生の中でも最高だった。


高校時代は英語は得意科目だったので、それが他の科目のマイナス面を助けた。大学では英語の教科書もあり皆がしり込みするのを逆に得意分野にできた。高校の進学指導の先生は文系のほうに行くと思っていたが、私は英語はあくまで道具で、目的にはしたくないといって理系に進んだ。


大学卒業のときも、外資系の会社を選んだ。 今で言う、グローバルなことに挑戦したかったからだ。


酔っ払って、意識がなくなるということはまだ経験したことが無いが、飲みすぎて寝てしまった経験は何回かある。 

大学に入ってから一度だけ天井が廻るくらい悪酔いしたことがあったが、それ以来、その限度は超えないようにコントロールできるようになった。


それはきっと最初の大学合格発表のときから酒に鍛えられたからに違いない。