FM放送局「ライブリーFM」で、毎週日曜日に放送されている1時間のラジオ番組「ドクター富士の四方山話」。毎月最後の週は「文芸投稿」の特集になっています。俳句、川柳、短歌、詩、エッセイなどを、リスナーが投稿します。

 

4月のテーマは「朧月(おぼろづき)」でした。

私は400字以内の小説「たんたん小説」というジャンルに応募しました。

118回目の投稿です。たんたん小説としては42回目です。

 

テーマ:朧月

ジャンル:たんたん小説

タイトル:元気なおぼろ月夜

 

 

Kは、小学生の頃、唱歌「おぼろ月夜」が好きだった。授業で習ったこの曲。描かれる自然も、文体も、ついでに音楽の先生も美しかった。

 

好きだから、元気よく歌った。風情もへったくれもない。まあ、小学生は風情や情感より、大声で歌うほうが、教師や大人には喜ばれる。しかし、それは、幼いKには関係なかった。

 

春、家族でドライブ。自然の中を車で走るのが、父の楽しみだ。存分に走り、辺りは暗くなっていた。

 

月明かりに照らされる菜の花畑。初めて見る本物のおぼろ月。Kは気持ちが高揚して、車の中で元気よく「おぼろ月夜」を歌った。

 

父が笑い出す。

 

「あはは!風情がない!」

 

つられて母も大笑い。Kは何が何だかわからない。だけど、うれしい。

 

この日は忘れられない一夜となった。

 

老いを得て、Kの眼は最近かすみがち。春の夜道を歩いていて、見上げるとおぼろ月夜。

 

彼はわかっていた。これは、かすみ目のせいだということを。

 

一人夜道で、あの歌を歌った。

 

ピッタリ400文字です。

子供の頃、家族旅行で菜の花畑を走っている時におぼろ月夜を見て、「おぼろ月夜」を歌ったことは、本当のことで、あとは創作です。

 

放送は、こちらで視聴できます。

 

https://drive.google.com/file/d/1inhy2-v5yaQ0mxwY6Nd446P00N4x_34u/view?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR307cYF5ENCKEWmuuL6PNGj-x08rP69EFidZr619DBTGVvZF2v_ynoxtS4_aem_AYjiHvexvuFVbr4NdltjkJGbpLytz2dzKcOeqsN1CHfbRnuOABQDyPAUtmUpbJF52WgNyWBACmGW_ulhixy6peFA

 

今回は、いつもの文芸投稿と異なり、ちゃいさんのいない放送でした。

いらっしゃらない代わりに、各投稿へのコメントを書いてドクターに託しておられました。

今回は、ドクターのコメントが少なめだったなあ。

でも、本当にドクターのお話は、品があって、愛があります♪

次回はぜひ、いつも通りのお二人での放送を楽しみにしています。

 

次回のテーマは「五月晴れ」です。

締切:5月21日

放送日:5月26日

宛先:dr-fuji@ymail.ne.jp

ぜひ、皆さんもご投稿ください!

 

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