久々に「江戸川区」「学童保育」で検索してみたら、『脱常識!江戸川区のすごい「学童保育」』と言う東洋経済音ラインの記事が出てきて、江戸川区に2カ所しかないきちんと認可されている都型児童クラブ学童保育(東京都と国の基準を満たした民間学童保育) を運営している身としては、突っ込みたいとこ満載だったので、放課後にっこりハウスのホームページです更新と共に、ちょっと色々江戸川区の抱えている課題を書き出してみました。
放課後にっこりハウスは、江戸川区北小岩にある公立や私立を含めても区内でも2箇所しかない「都型児童クラブ」(東京都の基準を満たし区に登録されている学童保育所)です。東京都の定める基準:設備、面積、定員、職員数、時間、内容、職員の資格(放課後児童指導員・保育士・学校教諭等)を満たし運営を行っています。
(※各小学校にあるすくすくスクールは、学童登録という制度はありますが、「江戸川区独自の制度」でいわゆる学童保育とは別事業になります。(定員設定が無い・一時期問題になりましたがおやつが出ない等運用面、すくすくスクールは開所時間が18時までで学校休業日は9時~18時ですが、都型学童は学校休業日の朝は8時から少なくとも19時以降までの開所を求められている等々)
※学童の定義が無い(正式名称が放課後児童健全育成事業・都型児童クラブですからみなさん知らないし学童のほうがなじみがあります。)ので紛らわしいのですが、各企業等がやっている学童は、認可外の預かりサービスや習い事の延長の位置づけなので、昔から言う学童保育とはちょっと違います。
江戸川区も、以下引用(「江戸川区ホームページ>区へのご意見お問い合わせ>主なご意見と回答」より)
『 江戸川区では、学校・地域・家庭が連携した様々な体験や異年齢との交流の中で年齢に応じた自立を促し、幅広い世代とのふれあいの中で豊かな心を育んでもらう健全育成事業として、「すくすくスクール事業」を行っています。
今日の多様化する勤務条件の中で就労し、子育てと仕事を両立されているご家庭があることも認識しておりますが、すくすくスクールの学童保育は、児童が保護者から離れている時間帯すべてを補う事業ではないと考えています。ご理解をお願いいたします。』引用ここまで。
と書いてあるとおり、あくまでも、異年齢の交流の場所として、豊かな心を育む体験の場所。として考えており、共育プラザ(旧児童館)の親子ふれあい広場活動や、放課後の居場所(中高生をメインにしたので小学生は原則すくすくに行くように指導するよう通達されています。)の小学生版で、ニーズがあるのは知っているから、一応学童登録をやっていますよと言うのがスタンスなんですよね。
だから学童がないのに待機児がいないという不思議なんですが、東京都の調査によると通り、利用者が。
そして、時間が合わないのは知ってるけど、それは保護者の都合であって18児まで預かるし、休みの日も9時から預かるのだから、後は工夫するのは母親の仕事的なスタンスなんですよね~(苦笑)
この健全育成事業には、居場所と学童の二種類があるのですが、江戸川区がやっているのが居場所(放課後遊ぶ場所や子どもたちが交流する場所が無いので学校等に作る、ついでにちょっと預かるよ)を実施しており、「放課後にっこりハウス」(うち)と「INGなないろ学童」の2箇所だけが、保育園的な意味合いの学童をやっています。もともともう一箇所合ったのですが、経営できないと撤退されたのと、基準に沿うと大赤字になるので、あえて都型児童クラブにならずに運営しているところ、本業の学習塾や習い事の合間の時間も預かるよと対応しているところと、玉石混合となっていますが。にっこりハウスもなないろさんも、保育所の運営を本業にしているから厳しい基準を満たし、何とか耐えている状況です。
ちなみに、正式な都型児童クラブは、区市町村がきちんとホームページ等で広報しないといけないのですが、江戸川区のサイトでは、非常に探し難くなっており、見つけても何をしている事業者か分からない状態ですが。いつの間にかページが変わっていて!?リンクが切れていたので張りなおしました。
トップページ>江戸川区教育委員会>特色ある学校教育活動>その他>放課後児童健全育成事業実施事業者について
以下引用
「 児童福祉法に基づき、保護者が就労等により家庭に不在の場合など、小学生に対し、放課後に適切な遊び場及び生活の場を提供し、健全育成を図る民間施設です。
活動内容やお申込み等の詳細は、直接各施設までお問い合わせください。」引用ここまで
と、普通の人はたどり着けないな&ここだけ読んでも何をしてる場所なのか分からないなと思いつつ。
こちらの<東京都の学童保育実施状況調査結果>にもあるとおり、江戸川区には平成29年5月1日現在、学童保育は二箇所しかありません。
そして何より、学童クラブ登録者数が、1000~4000人が各区で続く中、江戸川区は43人!そして待機児童0!!
まあ、諦めたりすくすくに登録して足りている人もいるのでしょうが、一昔前の横浜方式の待機児童0人に近い物を感じますね。
(横浜方式とは、コンシェルジュが開いてる保育園を紹介し、仮に家から1時間以上離れたところの保育園でも、距離的に無理だと辞退した場合、空いててて紹介したのに辞退したから待機時でないと数字をごまかしたやつ。)
時間の問題があるのは知ってるけど、そこまで設計した事業じゃないから、待機児童いないし、自分たちでなんとかしてねと。。。
まあ、百歩譲って功績は認めますが、万能な施策でないのと、一部その内容がお粗末だから困ってしまうところもたくさんあって。。。
・地域力という名のボランティアだよりなので、学校格差が激しい。
・基本的に、職員は全体を見守るのがお仕事で、プールの監視員的存在で、一人ひとりとじっくり関わったりすると叱られたり移動になったり。
・折り紙はひとり1日2枚までなど制約がたくさんある。
・人数設定がないので、雨の日は芋洗い状態の事も、トラブルも多く、先生の怒鳴り声が響いていることも。
・配慮が必要な子どもは、独自に保護者が介助員をつけてくれと要請があったり、集団生活になじまないと感じると、利用を禁止されたり。
・区内のほとんどの保育施設で延長保育を行い、認証保育所は⑬時間開所を行っているのに、小学生になると18にはお迎えに行かなくてはならない。
・私立の学校に行くと、自分の学区のすくすく似通わなくてはならず、知らない子ばかりの中に飛び込む事や、その学校の休みの予定以外は対応してもらえない。
・おやつは不公平だし予算と職員の手間がかかるから学童登録の子どもにも出さないとなったり。
・軽度発達障害やグレーゾーンの子どもたちは利用を断られ、放課後等デイサービスが学童の受け皿となっており、療育よりも保育ニーズ(車による送迎付き)の利便性から、利用者が急激に増え区の財政を思いっきり圧迫している。(ひとり1日あたり15000円くらいかかってます。が、保護者負担は月4600円程度なので)
昔の学童はそうした子どもたちも受け入れていたし、ちょっと加算をつけてくれれば、普通に保育対応ができ、まさにインクルーシブルナ生活の中でお互いに成長していく事ができる、そして、必要に応じて一部療育に通うと言うことができるはずなんですが。
受給者証を申請した人には月23日利用可でばらまいた後は、予算がつきたから、利用制限大量にかけ、診断書がないと一切出さない等今年から突然変えてきたりと、突っ込みどころ満載の対応ではありますが。。。
建設的に、障害を持っていても、持っていなくても、子ども達が安心して過ごせて、区の税金も無駄遣いしないで、必要なところに必要なだけ使えることを考えて欲しいと本と思います。
区としては独自事業を盛り上げるために何とかしたい気持ちは分かるのですが、そもそもの趣旨が、「幼稚園の預かり保育」と「保育園の保育の」違い位ずれているので、長年保育園を運営してきた身としては、すべての子どもではないけれども、必用としている人がいて、ただ見守られて安全に怪我無くすごせばいい子どもたちの交流の場でなく、安心できて質の高い時間を提供でき、一人ひとりときちんと向き合うことの出来る場所の大切さを日々感じつつ、何とか赤字でもがんばって運営しているところです。
(奇特な方からの寄付やカンパ等大歓迎です。)
こんな事を書くとすくすくを否定しているようにとられることもありますが、あくまでも趣旨や制度の違い、一部かもしれませんがすくすくでは対応しきれない子どもや保護者の受け皿(時間が足りない、すくすくに合わない・子どもが行きたがらない、私立に行っていてすくすくには知り合いが一人もいない、利用を断られてしまった、条件を多数つけられた、制約が多い、等々)が必要ということで書かせていただいています。
江戸川区の職員の方も現場の方は結構切実な状況や、きちんとした学童保育の必要性を感じていくれていますが、ちょっと不誠実な対応の部分にはしっかりと反論をしたい性分ですので、気を悪くされた方がいましたらすみません。
江戸川区の行うすくすくスクール事業にも、もちろんたくさんのメリットがあり、誰でも使うことが出来、時間内に収まる保護者にとっては非常に助かる先進的な制度となっていますが、小学校一年の壁といわれているとおり、保育園が朝7時から、延長保育で19時~20時ころまで行われている中、突然預け先がなくなってしまうこと、誰でも利用できる反面、雨の日などは校庭がが使えずたくさんの子どもがひとつの教室に集まるので、なかなか一人ひとりに向き合って対応することが出来ないなど。。。そういった現状から、今まで延長保育等を利用していたり、場所が変わりお迎え時間が間に合わない保護者の方の支援や、一人ひとりの子どもと向き合い、決め細やかな支援を行いたいという思いで、すくすくスクールの指導員をしていたスタッフも参加しております。
また、保育園と違い、学校でがんばって長時間過ごした後に過ごす施設になります。大人で言えば仕事をおえた後にまた仕事をするような状態です。そして、学校からの宿題や、小学生になり成長すると、保育園や幼稚園時代は園に通うことでほとんどの子が満足してくれていたのが、質が低い環境だと「行きたくない」と子どもが訴えてきます。
そんな放課後を子どもたちがすごす時間は1年から3年生まででおよそ3000時間といわれています。子どもの人生のを作る貴重な時間であり、ほっと安心できて笑顔の出る居場所として、また、ただ時間を過ごすのでなく、様々な体験や、学びの機会、成長につながる場所として、環境を整え、活動を工夫しながら、質の高い保育環境の大切さを重視し、日々運営を行っております。
基準を満たし江戸川区に登録されている施設ではありますが、残念ながら江戸川区の方針として、「江戸川区にはすくすくスクールがあり、学童の待機児はいないため補助は出さない」とされているため、保育料収入だけで運営せざるを得ず、保護者の利用料負担が少し大きくなってしまっております。しかしながら、実際に必用としている子どもたちや保護者の方が一定数いることや、必用な制度であることから、今後も引き続き区に対して補助金を出してもらえるよう訴えた参りますが、皆様にも、応援・ご協力のほどいただけたらと思います。
保育園の補助金の年額の1/20程度ですし、建築費で何億もかかるわけでもなく、東京都の補助が多く、江戸川区の持ち出しは断然少ないんですけどね~。。。