JR日光線[鹿沼駅]に停車する「鉄道総研クヤ497形電車」です。1988年撮影。
「粘着試験車」という聞き慣れぬ試験車、この様な車両が日光線へ入線して居たとは。
鉄道総研クヤ497形電車 - Wikipedia
「粘着」という表現は、一般的には「ベタベタくっ付く」というイメージですが、
鉄道の世界においては、車輪とレールとの間にはたらく「摩擦」を指す言葉、との事。
自動車で言う「グリップ力」と同様な意味合いですね。
1987年に荷物電車「クモニ83形」から数々の改造を受け、
これまで出来なかった連続的な粘着力(摩擦力)を測定するために生まれた車両でした。
鉄道総研の技術遺産 File No.27 すべり粘着試験台車 ※PDFファイル
http://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2014/0004006092.pdf
当時、兄が撮影していた写真のフィルムスキャン画像を大量に貰いましたので、
「懐かしの日光線」というタグを設け、
今後、幾つか掲載していきたいと思います。
デビュー間もない107系(0番代)N6編成とのツーショット。
107系登場当時は、クモハ前面には砂撒き装置用の砂箱が設置されておらず、
現在も両毛線等で活躍している107系100番代と同様の姿となっています。
正確な時期は分からないのですが、
翌1989年以降に砂撒き装置の容量を増やすための砂箱が設置された模様です。
日光線で度々発生する空転によるトラブル対策なのでしょうね。
2013年3月にデビューした205系600番代も、
勾配や自然条件の厳しい日光線の洗礼を受け、
空転による遅延や運休、車両故障をおこしたのは記憶に新しいのですが、
その起因となる粘着力(摩擦力)を測定する車両が日光線で活躍していた、
というのは中々興味深い所です。
烏山線のキハ40とのツーショットです。
1988年当時の時刻表によるとデータイムに4往復程、
単行のキハ40にて宇都宮-鹿沼間を往復していたそうです。
このキハ40が往復する事により、
宇都宮-鹿沼間では日中でも30分間隔での運行が確保されていた様で。
…今の減便された日光線事情からはちょっと想像できないですね(;´∀`)
JR日光線[文挾]-[下野大沢]間を走る「鉄道総研クヤ497形」です。
雪が積もった日光線を横須賀色の115系と共に試験走行しています。
交流・直流の制御器やディーゼル発電機、双頭連結器等を持ち、
電化・非電化を問わず様々な線区で運用できる様に改造された「クヤ497形」。
どの程度どの期間、粘着力の試験に供されたのかは不明ですが、
実際に運用にあたっている姿の写真はネット上では見かけた事が無く、
貴重なのかもしれませんね。
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