朝晩一寸は涼しいこともあるけれど、まだまだ残暑が続く。掃除をするとき、居間の空気を入れ替えようとガラス窓を開けると、必ず猫たちがやってくる。冬も夏も関係ない。さすがにムッとする空気を嫌って(?)早々に退散する賢いのもいるが、わざわざ日向に寝そべるのもいる。「にっき、焼き猫になるよ!」と警告してもなんのその。ホカホカになっている。

 

 

退散したってこんな猫ベッドに寝ていちゃあ、温いのは大して変わらないだろう。しかし、自分の匂いが染みついた寝床が安心なのか、はっかがほぼ昼間は独占している。ここは居間の入り口の監視台にもなるので、都合が良いと見える。

 

 

床にべったり寝そべるのが一番涼しいはずだ。旅行のお土産に買ってきた木製のネズミを抱えて離さないにっき。とはいえ、すでに何度もケージの下に蹴り入れて、その度に人間が箒の先で救出しなくてはならない。

 

 

椅子とテーブルの間の空間もはっかのお気に入りの隠れ場所だ。人間が座ろうと椅子を引くと、「ありゃ、失礼!はっかちゃんお休み中でしたか!」ということがよくある。そういう場合は椅子ごと空いているのと取り換える。

 

 

最近のにっきのお気に入りは食器棚の上らしい。ピンポ~ンと玄関の呼び鈴がなる度ににっきは脅威的なスピードで駆け上る。はっかより警戒心が強くなったのだろうか。もっともついでにそこで昼寝するので、気ままな寝床も兼ねているのだろう。

 

 

TVの裏の台を整備して安定したので、ここもはっかのお気に入りのくつろぎ場所となった。整理整頓が悪く、品物もごちゃごちゃ置いてある。そんなことは気にせず、「掃きだめの鶴」みたいなはっかである。

 

 

にっきは一つだけ特技(?)を持っている。「にっき、来い!」と人間シニアが釣り竿猫じゃらしで遊ぼうと誘うと、キョトンとした顔をした後すぐ、本棚の脇においてある椅子に上り垂らしてある釣り竿を取ってくる。自分で取れたら遊ぶようにしたら、犬でもないのに、「とってこい!」が通じるようだ。

 

 

うまく取れなかったときは、「にっき、できない。にんげんとって!」の顔でじっと睨む。「ま、しかたないか」と人間もすぐ妥協して釣り竿を取ってやると、元気に跳ね回る。はっかはまったくそのような芸当はしない。釣り竿で誘っても気が向いた時しか応じない。誇り高き猫だ。

 

 

しかし、はっかのこの目力(めぢから)と、やさしい「にゃ~お」のささやきで人間たちの方が「なあに?どうしたの?」と動かされることしきり。

 

 

残暑にもめげず、居心地の良い場所を上手に探して、猫たちは気ままに過ごしている。どんなに暑くても、つい猫の毛皮に手を伸ばし、撫でたりさすったりはたまた抱き上げたり、人間たちも猫力(ねこぢから)に励まされ、この暑さをもう一息乗り切っていこう。