6月になると、さすがにじめじめしてくる。いよいよ梅雨。カビの季節だ。カビ取り清掃の作業員の方が我が家を訪れた。猫たちはびっくりして姿を隠す。我勝ちに高いところ、人間の手の届かないところへ!

 

 

猫のいる居間ではエアコンの徹底的クリーニングが行われた。作業の間中、猫たちは特別に隣の部屋へ避難。仏壇の前に神妙な(?)顔で座る二匹。蝋燭やお線香は奥にしまって扉を閉めたので、猫たちの手は届かない。

 

 

色々な物が居間よりもっと積み上がっている部屋はにっきにとっては格好の遊び場だ。かくれんぼするにちょうどいい。にっきは人間シニアが隠しておいたお菓子を探し出した。なんて目ざとい。(鼻が利くのかな?)すぐ取り上げましたとも!

 

 

慎重なはっかは、机の奥の小さな空間に縮こまっていた。もういいよ、出ておいでと言ってもなかなか動かない。そういえばこの家に来てすぐの頃、はっかは居間との間のふすまを開けてこの部屋に逃走した時にも、机の下に潜り込んでなかなか出てこなかったっけ。

 

 

カビ取り作業の方々が帰った後、居間に戻って「あ~こわかった。しらないおじさんたちきた。ねこのことみてかわいいねとかいってたけど、にゃーにゃーないてにげてやった」と窓の外を見るにっきとはっか。警戒心の強い猫たちだった。

 

 

無事、元通りの部屋に戻った後、一度だけ猫たちはおやつをもらった。人間シニアが両手におやつをもって二匹を呼ぶと、はっかはすぐ寄ってきて食べた。にっきは及び腰で長椅子の下に隠れた。かつておやつに釣られてアニマルクリニックに連れて行かれた時のことを忘れないらしい。(食いしん坊のくせに、慎重派だ。もっとも人間が長椅子の方へ行って手を出したら、最後はおやつを食べた。)

 

 

ようやくのびのびする二匹。のびのびしすぎて、びよーんと長くなったはっか。猫って縦にすごく長くなるものだと改めて感心する。どてっと床に寝そべる姿勢がこのところ、二匹のブームになっている。

 

 

背の高い本棚の上も、良い昼寝の場所。にっきは冷蔵庫より、本棚の方が落ち着くらしい。ブラウンカラー同士で馴染むのか。はっか以上に一気に駆け上がるのが得意だ。

 

 

暑くなったというのに、相変わらずはっかは椅子とテーブルの間でのびのびするのが好きらしい。思い切り足を投げ出して、リラックスモード。

 

 

食器棚の上の二匹をもう一枚。にっきはまるでライオンキングが崖の上で咆哮しているような口の開け方だけれど、ただの欠伸。となりのはっかの真剣な眼差しの方が怖いかもしれない。顔の周りのたっぷんとした部分にご注目。下半身がだぶついて(?)棚の上からはみ出しているところは、大目に見てほしい。

 

 

こういう無防備な姿勢で寝転がっている猫には、つい手を出して和毛を撫でたくなる。お腹を撫でられるのを猫は好まず、カプッとかじられることもある。「なにするの、よして」と抗議する。

 

 

だから、はっかがリラックスしているところへはなるべく近寄らないようにしている。遠くから愛でている方が、双方幸せなのではなかろうか。とはいえ、ついブラシなど持ってそばに寄り、「もっと美猫にしてあげる」などとお節介をするのが人間というものである。

 

 

真剣な眼差しでにっきが追っているのは、部屋に飛び込んできた小さな虫。ガラス窓に沿って飛んでいたので、捕まえられるかと思ったらしい。動くものには本能が「捕ってこい!」と命令するのだろうか。

 

 

はっかが伸びるとマグロ体形に。いや、アザラシ体形と言った方がよいだろうか。そんなに太ったわけではないのだけれど、我が家に来た直後より、だいぶ貫禄がついたのは確かだ。それもまた実に微笑ましい。

 

 

部屋の中に猫が二匹いる情景は既に見慣れたはずなのに、いつ見ても「あ、猫だ!」感覚が抜けない。それぞれが、ぽてっと座布団の上に落っこちているような丸まり方をしているのがたまらない魅力。梅雨にも負けず、気持ちよく眠っていておくれ、にっきとはっか。