やけに静かで行儀の良い人を「借りてきた猫」のようだと言う。猫に貸し借りがあるとは思えないけれど、もしかすると大昔はネズミ捕りに隣の「猫の手」を借りることがあったのかもしれない。そんな時、貸し出された猫は最初、神妙にしていたのだろうか。我が家に来た二匹の猫たち、トライアル期間には本当に「借りてきた猫」らしくふるまっていた(ような気がする)。羽目を外すことなく、騒ぐことなく、「へー、猫ってこんなに静かなんだ」と私たちを幻惑した。

 

                      

 

ところが、つい数日前にトライアル期間終了。めでたく彼女たちは我が家のメンバーとなった。すると、どうやら「借りてきた猫」の期間も終了。「猫かぶり」している必要もなくなって、にっきはやんちゃぶりを発揮し始めた。保護猫カフェBoni's Houseにいた「つよし」というオスの子猫にも負けない勢いで部屋の隅から隅までダッシュ!床の上に何か(蜘蛛?蟻?ゴキブリ?)を発見して、追い掛け回す。ご飯はまだかと猫なで声攻撃をかける!

 

一緒に水を飲む

 

はっかはもっとクールにソフトに、ちらりとこちらを見ながら傍若無人とも言える態度で、好きな場所に寝そべり続ける。人間が脇に座ろうと構うことなし。「踏んじゃうわよ。もうちょっとそっちへ避けてちょうだい」と頼んでも、気だるい瞳で見つめ返すだけ。にっきが目覚めたおもちゃ遊びには全く関心を払わない。とはいえ、二匹仲良く過ごしている所を見ると、一緒に「この家に住むことにするか!」と決めたのかもしれない。