東証、2009年で大納会消える? -興趣- | にっけいしんぶん新聞

東証、2009年で大納会消える? -興趣-

金融取材メモ -7面-

東証が次期システムを稼動させる2009年から、年末の大納会や年初の大発会のにぎわいが小さくなる可能性が出てきました。午前だけで1日の取引を終える大納会と大発会は売買システムにおいて終値管理などで変則的な対応が必要ですが、次期システムには簡便さが求められており、こうした例外は除かれかねない状況です。
大納会と大発会は午前11時の取引終了後に東証で手締めやイベントを行い、証券業界ではその後あいさつ回りに出たり飲食したりして景気をつけます。しかしIT業界のあるコンサルタントは「合理化につながらないシステム投資は無意味。この際、徹底的に無駄を省くべきだ」と話しています。通常通り午後3時まで取引を続け、「3時からあいさつ回りや宴会を始めても支障はないのでは」との見立てです。
ある証券会社の担当者は「システムの間尺に合わせて何でも改めては、長年積み上げたものがみな消える」と話しますが、株式市場の冬の風物詩の行方は、すでに実施した証券会社へのヒアリングを踏まえて、この夏に決まります。



記事を読む限り、納会・発会をなくせと言ってるのはIT業界のコンサルタントのようなのですが・・・

しかしあの納会・発会の独特の雰囲気は、外の人には理解できないかもしれませんね・・・。

ほかの業界の仕事納めや仕事始めというのはよく知りませんが、東証でやってる手締めの実況なんかを聞いたりしてなんとなく業界の一体感を感じる、などというのはあまりないでしょうね。

いや別にそんなの3時からでもいいだろ、というかもしれませんが、それは違います。
なんか違います。
やっぱり半日立会いで昼前からやるのがいいんですよ。
昼前からやって、昼過ぎには飲みに繰り出す、これがいいんです。
なによりムードが大事な株の世界、こうやって景気づけるっていうのは、無駄なようで実は決して無駄じゃないんです。

・・・と、半ドンの大事さを訴えてはみましたが、いまいち説得力に欠けますかね。

日の短い時期、明るいうちから飲んで景気をつけるには昼から飲まなきゃならんとも思うのですが、明るいうちから飲まなきゃ景気づけできない道理もありません。
あえていえば12月30日ともなれば家庭の事情で早く帰らなきゃならないお父さんなんかも多いでしょうから、3時に引けてからイベントやってからじゃのんびり飲みに行けなくて困る、というくらいでしょうか。

だったらそうですよ。
せめて納会を前倒ししましょうよ。
半日伸ばすんじゃなくて、半日削っちゃうんですよ。
それでほら、1月4日の発会を3時までやることにしてちょうどチャラ。
どうせ納会なんて参加者も少なくて、閑散としてるんですから。
事業法人なんてほとんどお休みに入ってるし、金融機関だってほとんど動かないし、外人だってクリスマス休暇から戻ってきてなかったりしますし。
どうせ商いがないからって、外資系証券会社あたりじゃお休みを取っちゃってる担当者さんもけっこういるくらいですから。
唯一個人投資家さんはやる気になってるかもしれませんが・・・まあ年末くらい大掃除したり家族とゆっくり過ごしたり実家に帰ったりしていただくことにしましょう。

そもそも昔は29日が大納会だったはずなのに、いつの間にか30日まできっちりやるようになっちゃってて、それを戻すだけなんだから問題ないですよ、きっと。
いやもうこの際、官庁の御用納めと合わせて28日までにしたっていいじゃないですか。
年末年始に長期休暇があれば内需拡大にだってつながりますよ。


・・・とまあ、納会の日付をずらすってのは結構本気で期待してるんですが、本筋から離れるのでひとまずおいとくとして、それにしても記事中の担当者さんのいうとおり、システムに合わせて慣わしやしきたりを削るっていうのはなんとも寂しいですね。
風物詩なんてものは、ある意味、「街並み」や「景観」なんかと同じだと思うんですよ。
美しい建築物も街全体の眺めとの調和が大事なように、納会や発会もイベントをやるやらないの問題でなく、行われる時間帯とか参加者の気分とか、そういうの全部を含めての風物詩だと思うんです。
そうでなくても立会場での取引がなくなって人が減り、雰囲気が薄れてきてるんですから、半日立会いのリラックスしたムードは維持して欲しいところです。

ああ、それにそうそう、なにが大事って夕刊ですよ。
ふだんより薄っぺらくなった夕刊の1面に「東証で大納会 終値は○○円みたいな記事が載ってるのを見ると、いよいよ今年も終わりだなあという気がしますよね。
これも年末の風情ってもんです。

といっても証券関係者の中でもどれだけ納会や発会に趣きや季節感を見出してる人がいるかわかりませんし、そんな極一部の人間の感傷のために余計なシステム投資をするってのは、どう考えても合理的じゃないのは分かるんですけどね・・・。
でもそもそも証券業界って、あちこちわけのわからないことがまかりとおっているわけですし、それくらいいいんじゃないかなあとも思うわけで・・・。


ま、結論がどう転ぶかわかりませんが、東証さんにはなんとか無形文化財保護のためのコストと割り切っていただきたいと思うところです・・・。