今日の愛ルケ(#147) | にっけいしんぶん新聞

今日の愛ルケ(#147)

この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ネタバレを嫌う方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。

春雪 十七
 
全裸の冬香が菊治の上に、ややうしろ向きに座り、背とお臀が軽く前屈みの姿勢で宙に浮いている。冬香を知る誰もが想像できない姿だ。
冬香は上体を起こして腰をわずかに動かした途端、「あっ・・・」と声をあげ、思わぬ快感にうずくまるように前屈みになる。
初めての体位に戸惑っているのが、発する声の異様さ姿勢の落ち着きのなさからもうかがえるが、冬香は下りようとせず、むしろ怖わ怖わながらも腰をずらして、新たな快楽を探りはじめているようである。
むろん、菊治はそれに賛成である。新しい快楽の探検に協力したい。
菊治は冬香の腰を下から支えて軽く前後に揺する。「あっ・・・」と冬香はのけ反り、さらにその刺戟で「いやっ・・・」と前屈みになり、菊治の太股に両手をつく。
快感の刺戟が強すぎたか、恥ずかしさに気づいたか、躰を捻って下りようとするが、それは許さない。ここで止めれば、耐えてきた自分がおいてきぼりを食らう。
「だめ・・・」ときっぱり拒否し、お臀に当てた両手を前後に揺らし、押し上げる。
「やめて・・・」という声とは裏腹に、息を荒げながら、自分からまあるいお臀を前後に揺らしている。
 
 
夕焼け小焼け日がれて・・・
 
いえ、まだお昼前だはと思うんですが、カーテンで閉ざされて淡い闇となっている菊治のお部屋には、大きなお月様ならぬ、まあるいお臀がぽっかりと浮かんでいるようです。
 
などと牧歌的なことを言っている場合ではありませんね。
シーン自体はこってりねっとりと性行為の場面が続いています。
いつものように筆運びはよろしくなっているのですが・・・
 
これ、完全に官能小説ですよ。
これはこのまま新聞に掲載していいのでしょうか。
世の中には一般紙と日経の両紙をとっているご家庭も少なくないわけで、テレビ欄を見ようと思った小学生が一般紙のつもりで日経の最終面を開くと、そこにはまあるいお臀が菊治の上にぽっかりと・・・
 
どうしますか、おかあさん方。
こどもさんが質問してくるんですよ。
 
「お母さん、これなんて読むの?」
「どーれ?」
「これ。『花蕊』
「ああ、これね。これは本当は『はなしべ』とか『かずい』って読むんだけど、この場合は渡辺ワールドだから特別に『かしん』って読むのよ」
 
・・・って、教えられるかぁっ!!
 
とまあ、そんな懸念から記者、前話で渡辺先生に描写への配慮を求めたんですが、しかしアメブロメンテナンス中にのんびり考えたところ、確かにこの小説が性描写の嫌いな方や子供の目に触れるのは問題ですが、先生に配慮を求めるのは誤りだと思うに至りました。
 
渡辺氏に性描写の自重を求めるのは、ボブサップに緻密なボクシングを求めたり、全盛期の王貞治にイチローばりのレフト前ヒットで走者を還せと求めるようなもので、せっかくの持ち味を奪うことはまったく前向きではありません。
ここは日経サイドが、渡辺先生の作品を連載するときには、小説欄を文化面から子供たちの目に触れにくい企業財務面とか商品市況面に移すべきです。
すなわち「王シフト」ならぬ、「渡辺シフト」を敷くべきなのです。
 
それなら記者も安心して電車内で新聞も読めますし、おとうさん方も読んだ新聞を居間に散らかしておいても、「こどもが見たらどうするの」なんておかあさんにぶつぶつ言われる心配もありません。
先生は誰に遠慮することなく思いきり濃厚な描写を展開できますし、われわれもまた思い切り突っ込めるというものです。
 
渡辺先生がエロスのホームラン王かどうかは定かでありませんが、とにかく公共への配慮は日経の守備に任せるとして、先生にはこのまま続けていただきましょう。
 
なんせ冬香はセックスごとに進化しています。
お気づきの通り、今回は馬から一気に進化して騎手(うまのり)になっています。
ただ、まだ進化の過程なんでしょうかね。
落ち着きなく、異様な声を発しているようですから。
いったいどんな声なんでしょうか。やはり「ひ・・・」、いや、使いすぎると陳腐化するのでやめておきましょう。
 
そして冬香は進化してなお飽き足らず、新しい快楽の探検に出るといいます。これには菊治も大賛成、協力を買って出ました。
 
まさに、菊治と冬香、快楽探検隊です。
 
・・・ドゥドゥビドゥバドゥビ、ハイッ、ハイッ、ハイハイハイッ!
快楽探検隊、快楽探検隊、快楽探検隊!
 
 
 
 
礼儀を 崩して 腰つかう
 
快楽探検隊、快楽探検隊、快楽探検隊・・・
 
あかんよね、殿方にお臀突き出して馬乗りになったら。 
そやね、慣れても礼儀を崩さないのが冬香のええとこやったのにね。
ほな次いこか。
 
 
 
夫も 仕事を ずるけてる
 
快楽探検隊、快楽探検隊、快楽探検隊・・・
 
仕事ずるけたらあかんね。
そやね、エリートやのにね。
期末で忙しいときは特にあかんよね・・・。
 
 
・・・って、これじゃ普通に「あるある探検隊」ですよ。
快楽も何もありませんね。
いけません。
前に使ったこともある「あるある探検隊」、おまけにオチに切れもないし、恥ずかしい限りです。
 
みなさんからおいてきぼりを食らわないように気をつけます・・・。