今日の愛ルケ(#83) | にっけいしんぶん新聞

今日の愛ルケ(#83)

この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ネタバレを嫌う方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。

蓬莱 九

いつものように、冬香はスリップ1枚でベッドに入ってくる。全身が入りきったところで、逢ってから5時間以上我慢していた分、強く抱き締める。冬香も慣れたようで、自ら寄り添い、菊治が求めるままに唇をさしだす。
スタンドの明りに浮かぶ冬香の顔は、菊治の意のままになることを表しているようだ。
「好きだよ・・・」
この瞬間、菊治は冬香を独占し、夫から奪い取っている。
「今夜は、姫始めだよ」
冬香はとっさに意味が分からなかったように「えっ・・・」という顔をするが、「男と女が、新しい年になって始めて関係する。それをヒメハジメと・・・」と菊治が囁くと、恥ずかしいのか「いや・・・」というように額をおしつてくける。
それのかまわず、菊治は宣告する。
「始めだから、いままでと違うことをする」

逆らっちゃだめだよ、といって腕を緩め、乳房に唇を寄せる。まわりに触れ、すでに勃っている乳首に触れて、舌で包みこむ。そのまま舌先で撫ぜるように、しかし気持ちのうえで(なぶ)るように。一方で右手は叢から秘所へと達し、優しく左右へ分ける。
慌てなくても時間があるという安心感でいつもよりゆるやかに間をもたせると、冬香も応えて喘ぎ出だす。
だがその程度で、今夜の愛撫は終わりにしない。
「ねえ・・・」と冬香が欲し気に躰をくねらせたところで、菊治は突然上体を起こすと、愛しいところに向かって自らの顔を近づける。



#みなさまご期待の通りのフレーズ「ヒメハジメ」。
初詣から姫始め、お正月の季節感満点、これで着物でくるくるあれーとお代官ごっこをやっていればいうことがなかったのですが、ニットのセーターにフレアーのスカートではしかたありません。
冬香選手、「いつものように」とすっかり恒例になったスリップでのベッドインです。

しかしまあどうなんでしょうか、この冬香のカマトト。
「姫始めだよ」「?」「男と女が新年初めて・・・」「いやん」
うーむ。
何で「ヒメハジメ」と言われてわからないのかも何が恥ずかしいのかもまったく分かりませんが、まあ菊治が喜ぶのならそれもいいのでしょう。

そして一方こちらも負けません。
・菊治、「いままでと違うこと」宣言です。
いえ、違いましたね。単なる意志の表明「宣言」ではなく、「宣告」です。
主に刑事裁判で被告に刑を言い渡すときに使われる言葉、「宣告」です。
あな恐ろしや、いったい菊治は冬香に今までと違うどんなことをしようと言うのでしょうか。「逆らっちゃだめだ」と有無を言わさぬ姿勢、菊治の並々ならぬ意志がうかがいしれます。
この際、「始めだから」という全く合理性のない理由は忘れるほかありません。

前回おざなりだった菊治好みの美乳も今回はちゃんと嬲りつつ、同時に手は秘所へと進みます。そしてそう、今日は慌てなくてもいいのです。その余裕が大事です。冬香も喘ぎはじめました。
いけ、菊治、Go!Go!菊治!!

「だがその程度で、今夜の愛撫は終わりはしない」

ああ、そのとおりだ、たとえ今までその程度の愛撫で終わっていたとしても、たとえコメント欄で「いつもその程度で終わってたのかよ、このヘタクソ」となじられようとも気にするな、とにかく今日は今までの菊治と違うのだ、新年姫始め、去年までのことはすべて明治神宮と日枝神社で2度の初詣で念入りに禊いできたのだ、迷わず攻めろ!いまこそ、今までと違う技を繰り出すのだ!

「『ねえ・・・』と冬香が欲し気に躰をくねらせたところで、菊治は突然上体を起こすと、愛しいところに向かって自らの顔を近づける」

なるほど、冬香が身をよじったところで下半身へのオーラル攻めに移るか。
ゆっくりと言う割には十分ハイペースな気はするが、まあいいぞ、とにかくその「今までと違うこと」とやらを早く見せてくれ。いま日本中がお前に釘付けだ、期待してるぞ、菊治!!


次回、「愛の流刑地」第84話、

「菊治、衝撃の新技」

絶対見てくれよな!


・・・もう記者だけじゃなく、みなさんも明日の突込みまでたいがい想像がついているとは思いますが、一応お約束ですので期待して待ってみましょう。