博士課程1~2年目に研究鬱になって学んだこと | 台東区入谷・浅草・三ノ輪のピアノ教室《高島ピアノ塾》とバレエピアニスト高島登美枝のブログ

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歴史と文化の地・台東区(浅草 入谷 上野)の《高島ピアノ塾》。
主宰者は早稲田大学出身の異色のピアニスト。
伴奏業の傍ら、東京藝大大学院で博士学位を取得。
20代から「音楽による経済的自立と社会貢献」を実践し
逆境から夢を叶えた音楽起業家人生のストーリー。

今日の記事は大学院生向け…かな?


いや、人間関係の話なので
院生でない方にも

興味深くお読みいただける…かな?

 

みなさま こんにちは

No Music, No Life が人生の合言葉
【ピアニスト×研究者×音楽起業家】の
高島登美枝ですピンク薔薇

 

先日の記事で

私が博論提出までに

5年を要したことを書きましたが、

実は…

実は博士課程の最初の2年間、

研究室に行くのもいやなくらい

研究に関して鬱になりまして、

中退しようかと思ってたんですよね。

 

今日はその話を書こうと思います。

 

 

博士課程の仕組み

本題に入る前に…

 

博士号保持者は

日本人口の1%だという話を聞きました。

(裏を取ってませんが)

だから博士課程の仕組みについて

ご存じない方もいらっしゃると思うので

先にざっくり説明しますね。

 

四年制大学を卒業して

学士号をゲットすると、

より専門性を極めたい方は

大学院に進学することになります。

 

大学院には

修士課程(マスターコース)と

博士課程(ドクターコース)が

あります。

 

2000年前後から

「できたらマスターで終わらずに

みんなドクターまで取って欲しいんだけど」

という文科省の方針を受けて、

大学によっては

修士課程を修士課程と呼ばずに

博士前期課程・博士後期課程

と呼ぶところも増えています。

 

東京藝大の場合は

昔ながらの名称と今風の名称の

折衷になっています。つまり…

修士課程&博士後期課程です。

 

どこの大学院でも

修士(博士前期)=2年

博士(博士後期)=3年

…が最短修了期間ですね。

 

修士は2年で終える方が多いでしょうけれど、

文科系の場合、

博士を3年で終えられる方は稀で、

通常は学籍延長と休学を組み合わせて、

4~6年くらいかけて

博論提出をすることが多いと思います。

修士〜博士で休学を使って

MAX9年かけるケースも

それほどレアではありません。

 

 

できたら3年で修了したかったが…

で、話を私のことに戻しますが、

私は修士入学時から、

よほど研究が嫌にならない限りは

博士課程まで行こうと決めていました。

で、合計5年で

さっさと学位取得する人生計画でした。

 

私は基本的に「音楽家」であって

研究者は副業なので、

7年も9年も

研究にエネルギー(時間と金と体力)を

使う気にはなれなかったので。

 

で、修士課程は予定通り

2年でビシッと終え、

大学院アカンサス賞(首席)もいただき、

卒業・修了式では総代もやらせてもらい、

博士の入試も突破して、

ここまでは順風満帆に

進んできたのですが…

 

博士1年目に

研究に関して鬱状態になりましたドクロ

仕事や家庭に関しては

健全なメンタルだったんですけどね、

研究に関しては

見るのも考えるのも嫌、という状態に。

 

 

原因は人間関係

主な原因は研究室内の人間関係。

 

この年、私は

TA(ティーチング・アシスタント)を

仰せつかっていたんですが、

もう一人の相棒のTA(先輩)が

一切仕事をしない人だったんです。

いやもう、ほんとに見事なまでに

1年間一切の仕事をしなかった。

(私も結構長く生きていますけど、

ここまで堂々とギャラ泥棒する人を

後にも先にも見たことがないですね)

でも、先生方は見て見ぬふり。

 

で、私もこう見えて(笑)

リアルでは変に

空気を読んじゃう方なので、

そういう先生方を見ていて、

「これがこの研究室のしきたりなのかな?」

と、解釈しちゃったわけです。

 

つまり2人いるTAのうちの先輩格は

何もしなくていいという

暗黙の習慣があるのか…と

考えてしまったわけです。

 

で、1年間、

私一人でTAの業務を

やっているうちに

煮詰まっちゃったんですね。

 

そういえばこの件、

前にも記事にしたことがあるな↓

 

おまけにTA1年目のその年は

1学年下、つまりM2に、

ちょっとヤな女がいたんですよ。

私と同業者(ピアニスト)だったので、

マウントを取りたかったんでしょうね。

手の込んだいやがらせを繰り返された挙句

こちらが悪者にされるという

罠にはめられたこともありました。

 

そんなこんなで、

藝大は大好きだったし、

研究テーマ自体も大好きだし、

研究することも大好きだったけど、

研究室が大嫌いになって…

 

ほんと、退学届を書いて、

あとは教務にいつ出そうか真顔

と考えるところまでいっていました。

 

 

コロナのおかげで流れが変わった

そんな2020年の早春、

突如としてコロナの流行が始まりました。

ちょうどD3に進級する頃ですね。

 

コロナのおかげで

ゼミはオンライン授業になり、

研究室に行かなくてよくなったのです。

 

いや~あの時は実に嬉しかったですね音譜

ほんと、せいせいしたわ。

コロナさまさまお願い

 

おまけにコロナ禍で

世界中の図書館で

所蔵資料のデジタルアーカイブ化が

一気に進行したんです。

 

海外に資料収集には行けないけど、

家に居ながらにして

BnF(フランス国立図書館)と

ロシア大統領図書館と

ハーヴァードの図書館の資料を

Google Chrome上で

並べて閲覧できるという…

”Wow, Miracle!! ” な現実が出現しました。

 

おまけにコロナ以降

アカデミアの世界では

学会や研究会も

オンラインやハイブリッド開催です。

その気になれば、

家に居ながらにして

アメリカの舞踊学会にだって

参加できちゃうぞOK

(時差キツいけど)

 

これ、コロナ以前には

誰も想像もつかなかった

夢かファンタジーか天国のような状況キラキラ

 

 

文化庁のコロナ対策補助金

もうひとつ、コロナ禍1年目には

文化庁様から、個人芸術家のために

ありがた~い補助金札束

下賜されました。

 

これ、芸術のために使うのが

前提なのですが、

結構幅広く使途が

認められましたので、

このお金の一部を

研究費にあてたんですね。

 

ま、私の研究は

19世紀バレエの研究なので、

芸術のためであることには

嘘偽りはありませんし、

私の研究は

バレエ伴奏のためでもあるので、

演奏活動に役立っているのも事実。

もちろんこの使途は

事業計画書を出し、

文科省から認められたものです。

 

 

危険人物からは距離を置くかNOとはっきり言う

…というわけで、
コロナ禍は世界中で
人と人の距離感を変えましたが、

私の場合はこれが良い方に作用しました。

 

人の顔色を見ずに

まずは自分がこうだと信じるところを

打ち出していこう、

と、居直ったんですね。

 

「研究室の人間関係なんて

どーでもいいじゃん」

「もっとエゴイスティックに

自分の研究に向き合っていいんだ」

「TAなんて、暇な専業学生にやらせろ」

 

余計なノイズに振り回されず

研究対象と自分が

真正面から向き合ったことが

やる気スイッチになって

自主的に研究を前に進める

原動力になりました。

 

なので、私の研究は、

実質的にはD3から

歯車が回り始めています。

(その意味では、

正味3年で博論をまとめたと、

言うこともできるのですが…)

 

今、この投稿を書きながら

鬱だったD1~D2時代を振り返ると

胸が苦しくなりますね。

人のめぐりあわせが悪かった、

としか言いようがありません。

 

中2の時のイジメ以来の

ひどい人間関係を

まさかこの年になって

大学院という高等教育機関で経験するとは

思いもしませんでしたが、

今から振り返ると、

「いやなものはいや」

「おかしいものはおかしい」

とはっきり言うなり、

「君子危うきに近寄らず」

でさっさと危険人物から

距離を取れなかった自分も

甘ちゃんだったと感じています。

 

世の中には

息をするように

他人を踏みつける人、

自分のために利用する人が

いくらでもいるし、

それがたまたま同じ研究室にいたって

何ら不思議ではないんだ、

ということを

もっとしっかり肝に銘じるべきでした。

 

 

研究環境は自分で切り開くしかない

え~と、以下は院生さん向け。

Twitter上で
放置系研究室に悩む学生さんの
リプが付いたので、
ちょっと思うことを書いてみます。
 
ラボの機材使用が必須の理系と違い
文系の研究は個人技なので、

「誰とどこでするか」は二の次で

「自分が何にどう取り組むか」が

大事なんですね。

 

演奏と同じです。

 

所属研究室の雰囲気がよかったり

優秀な人が集まっていれば、

それは幸運なのでしょうけれど、

そうでないのなら、

自分で努力して

やる気の出る環境を作るしかない。

 

学部生ならともかく、

院生ともなれば、

自分から積極的に

学会や学外の研究会に参加して

刺激を受ける環境を

自分で創り出すべきです。

 

実際、私の場合も、

博論のテーマを

どう扱うかという方向性は

学外の某研究会とその後の飲み会(笑)で

定まりましたから。

 

↓2019年7月、某研究会(学外)。中央付近のロン毛が私。
こちら実は母校関係者が主宰。
開催地も母校の自分の学部の建物。

やっぱりここに縁があるのね、私。

 

方向性が定まる、つまり

論文における

論理展開の筋道が定まったことで

章立てのプランも定まりました。

 

その後は研究室のゼミや個人指導を通じて

これをブラッシュアップしていっていますが、

博論の一番中心の「核」を定めるにあたっては

所属研究室の世話には

これっぽっちも

なっていませんね爆笑あせる

 

で、書き上げてみた今、

あらためて思いますけど

それでいいんです。

 

学部生の卒業論文じゃなくて、

院生の修論・博論である以上、

高度な専門性と独創性が

求められるわけです。

指導教員の専門や所属研究室と自分の研究が

ぴったり重なっていれば

一見、楽なようでいて、

研究の独創性という点では

かなり苦しい思いをすることになりますから。

(指導教員を乗り越えるのは大変ですよ)

 

院生の研究は

自分でテーマを見つけて

自分で仮説を立てて

自分で調べて、

自分で結論を導くものです。

 

それを論文に落とし込む際の

論理構成に矛盾や破綻がないかを

アカデミックな視点から

チェックしてもらえる場が

大学院というところ。

なぜなら、院生は、

研究者としてはまだ

仮免許状態だから、

教官が助手席で運転ぶりを

チェックしてくれている、というわけ。

でも、運転するのは自分なんですよね。

教官の言うなりにやっているようでは

町中を一人で走れるようにはなりません。

 

結局、D1〜D2の私は、

自分の中で

研究に対する覚悟が決まっていなかったから

研究室周辺のノイズに振り回されて

研究の本質と何ら関係のないことで

勝手に凹んでいたってことです。

 

周りのせいにしたくなるときは

自分の中に確かなものが

定まっていないとき――

 

もしかすると、

これを悟ったことが、

大学院生活で

一番の収穫かもしれません。

 

 

 

 

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