スチョーピン先生の思い出1:バレエ・ダンサーのための演技のメソッド | 台東区入谷・浅草のピアノ教室《高島ピアノ塾》とピアニスト高島登美枝のブログ

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歴史と文化の地・台東区(浅草 入谷 上野)の《高島ピアノ塾》。
主宰者は早稲田大学出身の異色のピアニスト。
伴奏業の傍ら、東京藝大大学院で博士学位を取得。
20代から「音楽による経済的自立と社会貢献」を実践し
逆境から夢を叶えた音楽起業家人生のストーリー。

バレエピアニストとしての私、

バレエ研究者としての私に

大きな成長の機会を与えてくださった

アレクサンドル・スチョーピン先生が

2月11日にお亡くなりになられました。

 

ワガノワで長年、

演技(アクチョール)のクラスを

ご指導なさいました。

フィギュアのプルシェンコ氏をはじめ

多くのスポーツ選手も

先生の指導を受けています。

 

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2011年からほぼ毎年、

夏のワガノワの講習会で

ご一緒させていただき―

 

先生の演技指導メソッドに触れ、

先生が誰よりも詳しくご存知の

ヤコブソンの作品の振付指導を

何作品も間近で見せていただき―

 

演劇性を重視する

ロシア・バレエの伝統と歴史の

まさに中核を体験できたのは、

スチョーピン先生のおかげです。

 

↓追悼動画出てました。

 

左がスチョーピン先生。

晩年ですね。

面痩せなさっています。

 

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マイム、あるいはアクティング。

 

日本のバレエ教育で

最もないがしろにされている

要素だと思います。

 

でも欧米のバレエ学校、

それも歴史のあるところでは、

きっちりマイムを勉強させます。

表現力に直結するという理由に加えて、

伝統の継承という面もあると思います。

 

バレエはバレエ・ダクシオンという

マイム的なバレエの様式を

ノヴェールという人が唱えたおかげで

オペラから独立して

単体の芸術ジャンルとなったのです。

 

だから、「演技」の要素を

まったく無視して

踊り(それもダンス・クラシック)だけ

教えていれば

バレエ教育が成り立つということは、

欧米のバレエ学校では

考えられないことなのでしょう。

 

まぁ、日本の場合、

マイムやアクティングを教えるだけの

能力と経験値を持った先生が

少ないということもありますが…。

 

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私はバレエピアニストになった

最初の10年間、

ロイヤル・バレエ学校出身の

先生方と一緒に仕事をしたので、

英国式のアクティングの授業を

がっつり体験しました(もちろん伴奏で)。

 

基本のトレーニングは

指導の先生ごとに異なるのですが、

取り上げる作品はだいたい同じ。

 

《白鳥の湖》

・王子が王妃に説教される場面(第1幕)

・王子とオデットの出会いの場面(第2幕)

 

《コッペリア》第2幕

・スワニルダとお友達が

Dr.コッペリウス宅に忍び込む場面(第2幕)

・フランツとDr. コッペリウス(第2幕)

 

《眠れる森の美女》

・リラの精とカラボスの対話(プロローグ)

 

《ジゼル》

・ジゼルとアルブレヒトの花占い(第1幕)

・ヒラリオンとけんか(第1幕)

・クールランド公一行を接待する(第1幕)

・狂乱の場(第1幕)

 

…あたりでしたね。

 

振付改訂を経て、

マイムシーンが現在まで

残っている作品も少ないので、

勉強するものが限られてきます。

 

伴奏者の仕事としては、

《コッペリア》のように

芝居の間合いを合わせて

音を入れるものと、

チャイコフスキー作品のように

曲として演奏を続けるけれど、

マイムの進行に合うよう

テンポに気を配るものと

両方があります。

 

ちょうどオペラ伴奏の際の

レチタティーヴォ・セッコと

レチタティーヴォ・アッコンパニャート、

…的な感じですね。

 

こちらもマイムの振りを

頭に入れていないと

伴奏できません。

 

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私がスチョーピン先生の

マイムの指導に出会ったのは、

そんなふうに

さんざん英国スタイルのマイムに

慣れた後でした。

 

結構、衝撃的でした。

 

マイム・クラスのことを

ロシア語ではアクチョールと呼びます。

 

スチョーピン先生の基本メソッドは

ものすごく系統立てて、

計算されつくして作られています。

 

ウォームアップを兼ねた

その場でできる演技から始まり、

顔の表情のトレーニング、

スタジオ内を移動する演技、

…と、どんどん難しくなっていきます。

 

↓先生がマイムについて語る動画。

先生のクラスを知っている人なら

ロシア語が分からなくても

何をおっしゃっているか

見当がつくと思います。

7分過ぎぐらいから、本格的な話になります。

 

こちら↓は絶版、売り切れですが、

見つけたらお宝のDVD。

スチョーピン・メソッドがよくわかります。

 

こういう基本を

がっつりやった後、

はじめて作品を通して

踊りと演技を結びつけることを

勉強するのですが、

取り上げる作品が英国メソッドとは

違っていましたね。

 

《ジゼル》は同じなのですが…

 

《バヤデルカ》

・ニキヤVSガムザッティの場面(第1幕)

 

《ラ・シルフィード》

・手相を見る場面(第1幕)

・シルフィードの嘆き(第1幕)

 

《ドン・キホーテ》

・バジルの狂言自殺(第2幕)

 

など。

 

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でも、古典の作品以上に、

スチョーピン先生のクラスでの

最も貴重な経験が、

ヤコブソンの作品を習えること。

 

《ババヤーガ》

《ならず者とお嬢さん》

《クームシカ(おしゃべり娘》

《トロイカ》

など、演技のエチュード用という

レベルをはるかに超えた

素晴らしい小品の数々でした。

 

↓《ならず者》の演技(GP風景)。
ならず者のリーダー役を

みずから熱演。

動画からのキャプチャ画像なので

ちょっとピンボケですがあせる
2017年8月奈良国際バレエ工房主催講習会


毎年楽しみにしていた

先生との再会。

 

昨夏はコロナでお会いできず、

一昨年の夏にお目にかかったのが、

最後になってしまいました。

 

先生とのお仕事で

ロシア・バレエの伝統の

中核に触れる部分を

見せていただいた経験は

私の宝物です。

 

68歳。

早すぎる死が惜しまれます。

 

 

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本日も拙ブログをお読みいただき、

ありがとうございましたドキドキ

 

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