バレエピアニストというお仕事7:バレエ伴奏の仕事をどうやって受注するか | 台東区入谷・浅草のピアノ教室《高島ピアノ塾》とピアニスト高島登美枝のブログ

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歴史と文化の地・台東区(浅草 入谷 上野)の《高島ピアノ塾》。
主宰者は早稲田大学出身の異色のピアニスト。
伴奏業の傍ら、東京藝大大学院で博士学位を取得。
20代から「音楽による経済的自立と社会貢献」を実践し
逆境から夢を叶えた音楽起業家人生のストーリー。

浅草 入谷 台東区のピアノ教室

《高島ピアノ塾》主宰、

バレエピアニスト・バレエ音楽研究者、

コレペティトゥア兼歌曲伴奏者の

高島登美枝です。 

本日もご来訪ありがとうございます。

 

今朝は、飛び込みの仕事で、

佐々保樹先生のクラスを弾いてきました。

 

 

佐々先生は、振付家チューダーの愛弟子。

アメリカ本土で活躍した後、

ハワイ大学で教鞭をとられ、

定年後は帰国して、

小牧バレエ団のバレエ・マスターをなさっています。

 

10年くらい前は、2クラス×週3回、

ご一緒していました。

今日、久々にお会いしましたが、

10年前と全くお変わりありません。

現在、御年82歳ですが(まもなく83)まじ;

フルクラス、動いて指導されますsei

 

佐々先生のクラスは、

チューダーやバランシンのスタイルを取り入れた、

アメリカン・スタイルのアンシェヌマンです。

 

私も、それに合わせて

バランシンの《ドニゼッティ・ヴァリエーション》や

《薔薇の騎士》の曲を弾いてきました。

こういうのって、

バレエピアニストとして最高に幸せなひとときですはなまる

 

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突然の代奏、ということで、

日頃気になっていることを少し書きます。

 

ときどき、SNS上で

「どうしたらバレエ伴奏のお仕事をいただけますか?」

とか、

もっと率直な方笑

「仕事くださいおねがい 

とおっしゃる方がおられますが

バレエ伴奏の仕事は、

スタジオなり、バレエ教師なりが

発注するものなので、

私であろうと、他のピアニストだろうと、

どうこうできる権限はありませんキッパリ

 

バレエスタジオ側が人探しに行き詰まった時には、
「どなたかお知り合いをご紹介ください」

と言われることがありますが、

この「お知り合い」とは、

「同業者であると私が認知している人」

という意味の「お知り合い」ですので、

腕前を知っていて、確実に仕事をこなせる人しか

紹介できません。

だって、弾けない人を紹介すると、

あとでこっちが文句を言われますからやばい

 

そもそもこういうことをおっしゃる方は、

仕事の経験が少ないか、ゼロだと思うのですが、

そういう駆け出しの頃から

人間関係(縁故、コネ)で仕事を取ろうなどという

さもしい発想(言葉きつくてごめんなさい)は持たず、

伴奏そのものの腕を磨いて、

「ダンサーに選んでもらえるピアニスト」

になっていただきたい

…と、その道の先達としては心から願ってしまうわけです。

 

最近は、

バレエピアニストという仕事も

随分メジャーになり、

やりたい人も随分増加しましたが、

ちゃんと弾ける人は

まだまだ少ないのが実情です。

だからこそ、ちゃんと弾ければ、

確実に仕事につながります。

若い世代の方は、

コネで世渡りしようなどというセコいことを考えずに、

バレエ伴奏の王道を

堂々と進んで欲しいと思います。

 

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もう一度書きますが、

ピアニストを使うか使わないかを決めるのは、

ピアニスト仲間ではなく、

バレエ教室や先生なのです。

だから、逆に、

バレエ側の人に売り込むのは、

「あり」だと思います。

 

たとえば、我が弟子ちゃんの一人は、

ネットで通勤可能なバレエ教室を検索し、

片っ端から電話をかけて、

仕事をゲットしたという経験を持っています。

私がその方法を教えたわけではありませんので、

この弟子ちゃん、

なかなか主体性があるというか、

根性(情熱とも言う)がすわっております。

あっぱれあっぱれ

 

私自身の話をすると、実は

私はバレエ伴奏を弾くようになって以来20年、

一度として「売り込み」をしたことがないのです。
正直、性格的に売り込みが苦手なんですよね汗

損な性分です。
 

ではどうやって仕事を受注したかというと、

臨時の代奏で行った先で

「また来てね~ハート

「連絡先教えて下さいハート

「何曜日が空いてますか?」

と言われて、

レギュラーにスカウトされてきました。

 

まぁ、考えようによっては、

昭和音大の仕事は、

公募試験に応募した結果ですから、

究極の「売り込み」に当たるかもしれませんが。

 

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駆け出しピアニストにとって、

代奏の仕事の多くは、

突如、飛び込んでくるものです。

 

レギュラーでそこを弾いているピアニストが、

旅行とか、講習会の仕事とか、

法事とか子どもの学校行事とか、

予測できる理由で休む場合は、

早い時期からスタジオに申告して、

スタジオ側のほうで

「ちゃんと弾けるベテランピアニスト」を

確保してしまいますので、

駆け出しちゃんたちのところまでは

話が出回りにくいのです。

発注順位がある、

…と言えばわかりやすいでしょうか。

 

但し、

ベテランがつかまりにくい土曜日の場合は、

あちこち当たった挙句、

駆け出しちゃんに話が届くこともあります。

 

駆け出しピアニストによく回って来るのは、
急病など、予測不能な理由で
レギュラー・ピアニストが休む場合です。

 

こういう場合は、スタジオ側も

「誰でもいいから急いでつかまえたい」

という心理が働くので、

住所録に名前のあるピアニストに

片っ端から連絡をしていきます。

メールを同報で送るとか、

電話連絡がつかない人は留守電にメッセージを残して

次々電話するとか。

 

なので、駆け出しのバレエピアニストは、

知り合いのバレエ関係者に名刺の種まきをしておくと、

忘れた頃に芽が出る若葉こともあります。

(出ないかもしれませんが…)

 

あと、

・電話(家/携帯)

・メール

・LINE

・FBメッセンジャー

等、できるだけいろいろな連絡手段を

使用しておくと良いでしょう。

 

ピアニストに発注を出す権限のあるバレエの先生は、

若い世代の方ではないケースが多いので、

通信手段がいまだに電話と携帯メールということも。

携帯会社のメールアドレスも

廃止せず残しておいて、

一応、毎日ちゃんとチェックしましょうね。

 

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代奏の仕事は、

最高の売り込みチャンスですイェイ


一度も売り込んだことのない私でも、

代奏きっかけで仕事を掴むことを繰り返した結果、

バレエ伴奏を始めてから2~3年のうちに、
だいたい週に20~25クラスくらい弾くようになりました。
(最近は、大学院が忙しいので調整していますが)

 

勝負は、もちろん仕事の最中。

自分の音を聞かせることが出来て、

実際に踊ってもらえるわけですからね。

ここで好印象を与えれば、

最高のプロモーションになるわけです。

 

クラスが終わったあとのご挨拶で

言葉でいくら売り込んでも、
肝心の演奏がしょぼかったら虚しいだけです。

 

代奏が飛び込んできた時は、

精一杯がんばって、

そのときの自分にできる最高の伴奏キラキラ

弾いてくださいね。

 

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バレエの世界では、クラスはとても重要です。

きちんとしたクラスが成立しないと、

ダンサーの怪我につながることもあるくらいです。

ですから、下手なピアニストのせいで

クラスが台無しになることを

ダンサーたちは本当に嫌います。

 

ですから、日頃からダンサー同士で、

「ピアニストの●●さんってどう?」

「うん、大丈夫だよ」

…みたいな会話を、結構交わしています冷や汗こわい
(この会話、実は我々もチェックを入れています。

バレエピアニストは1現場に1人しか要らないので、

ピアニストどうしが他人の演奏現場を聴く機会は

ほとんどありません。

だから、ダンサーの評価でOKな人かどうかが、

「どなたかいませんか?」と聞かれた時に

紹介できるかどうかの目安になるわけです)

 

悪事千里を走る、ということわざではありませんが、

1か所で大失敗すると、

ワーッと噂が広まることもあります。

その意味でも、

代講は一生懸命、死に物狂いで務めてください。

健闘を祈る。

 

《高島ピアノ塾》
高島登美枝

東京メトロ日比谷線 入谷駅 徒歩4分

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