「アクネ菌」は思春期ニキビを悪化させる原因の1つです。ニキビケア商品のパッケージにも、この「アクネ菌」というキーワードがよく使われていますよね。
「アクネケア」「アクネ菌を殺菌」と表示されているのを見てしまうと、そんなに悪いヤツなら早く何とかしないと!という気持ちが強くなって、殺菌作用の強いニキビケア商品が欲しくなります。
でも、このアクネ菌、実は誰の身体にも存在する菌で、普段は悪さをしないって知ってました?僕は最近知りました。
アクネ菌は、腸内細菌と同じ「常在菌」の一種で、善玉菌と悪玉菌とがあり、普段から人の身体に存在している菌。これといった悪さをする菌ではないんだそうです。
それどころか、善玉のアクネ菌は肌を弱酸性に保って、病原菌の繁殖を抑えてくれるというから驚き。
ただ、ただ・・・
アクネ菌は、皮脂が大好きで、空気のない状態になるとなぜか増えるという、ちょっと変わった性質。
そう、問題なのは、皮脂で詰まった密閉状態の毛穴の中で悪玉のアクネ菌が増殖し始めると、炎症のもととなる成分をどんどん作り出してニキビを悪化させてしまうこと。
皮脂を餌にして悪玉のアクネ菌がさらに増えることで、ダメージの強い赤ニキビや黄ニキビに悪化させるから厄介なんです。
アクネ菌への殺菌作用がある代表的な成分
◆サリチル酸
肌の角質を柔らかくし毛穴の詰まりを防ぐ角質軟化作用と、殺菌作用があります。アクネ菌を減らしてニキビの炎症を抑える効果が期待できます。
◆イオウ
肌の角質を柔らかくし毛穴の詰まりを防ぐ角質軟化作用と、殺菌作用、皮脂の分泌を抑制し乾燥させる皮脂抑制作用があります。アクネ菌の餌となる皮脂とアクネ菌を減らし、ニキビの炎症を抑える効果が期待できます。
しかし、皮脂を減少させすぎることもあるため、乾燥肌には不向き。患部にピンポイントで使うことがおすすめです。
◆エタノール
殺菌作用がありますが、肌への刺激が強く、眼の粘膜にしみやすいです。皮膚が乾燥しやすい特徴もあるので、患部にピンポイントで使うことがおすすめです。
ですが、ここで気をつけたいのは、アクネ菌を「殺菌」することばかりが優先になってしまい、強い殺菌作用を求めすぎてしまうことです。
気持ちはわかりますが、殺菌作用の強い成分を使うと、皮膚バランスを保つ働きをしてくれる善玉菌のアクネ菌や、その他の常在菌までも殺菌してしまうことも。これってもったいないですよね。
毛穴さえ詰まらなければ、アクネ菌は悪さをしないのですから、まずは、毛穴が詰まらないようにすることが優先ですよ。