|
――この間、岸田さんが訪米してアメリカの議会で「日米関係は最高の段階に達した」と演説して、いろんなメディアが評価してましたけど、実際のところどうなんですか? |
|
ジェームズ つい先日までワシントンでは「岸田って誰だ?」というレベルだったんですが、演説のあとの岸田さんの評価は高まっています。 |
|
――あっ、そうなんですか? |
|
ジェームズ それはそうでしょう。「ウクライナの復興支援は日本に任せてください」と言ったのですから(苦笑)。これは岸田さんの演説を見直してみるとわかるのですが、岸田さんの後ろには民主党のカマラ・ハリス副大統領と、共和党のマイク・ジョンソン下院議長が並んでいて、彼らの表情を見れば、アメリカ議会の反応が手に取るようにわかります。 |
|
――あっ、そこを見るんですね。 |
|
ジェームズ はい。民主党と共和党の代表格が並んでいるわけですから、その一挙手一投足に思惑が表れます。
例えば、カマラ・ハリスとマイク・ジョンソンがともにスタンディングオベーションしたのは岸田さんが「ウクライナの復興支援は日本がやる」と言った時です。カマラ・ハリスは満面の笑みだったし、マイク・ジョンソンは肩の荷が降りたかのようにホッとした表情で拍手していました。マイク・ジョンソンはいま下院でウクライナへの支援金を巡って共和党と民主党の間に立って四苦八苦しています。それを日本が金を出すと言ってくれたのですからこんな嬉しいことはないでしょう。
その一方で、岸田さんがロシアを敵視する発言「アメリカが支援しないとウクライナに明日はない」とか「今日のウクライナは明日の東アジアです」と言った時には二人の反応は大きく違いました。カマラ・ハリスはやはりスタンディングオベーションでしたが、マイク・ジョンソンは無表情に座っているだけで拍手もしませんでした。これは外交儀礼上、かなり失礼な行為に当たりますが、ロシアを敵視する発言はいまの共和党では言えないことになっています。つまり、外交儀礼も無視しなければならないほど、アメリカの国内政治、共和党内政治は深刻な危機に瀕しているということです。 |
|
――それはトランプが反ウクライナ支援であり、プーチンを支持しているからですか? |
|
ジェームズ もちろん、そうです。前回の記事でもお伝えしましたが、それぐらい共和党の中身はいまトランプ党になっています。
いまの話でわかるようにアメリカは2つに分かれていて、どちらに乗るかで大きく変わってきます。はっきり言えば、今回の岸田さんの訪米を高く評価しているのはバイデンのアメリカで、トランプのアメリカにはほぼ完全にスルーされています。ですから、日本のマスコミが言うような日米関係が最高潮に達したというのはまったくのフェイクです。 |
|
――来年のことを考えるとバイデンに乗るのは現状かなりマズいんじゃないですか!? 最高潮どころか、来年最悪になるかもしれないじゃないですか! |
|
ジェームズ まったくその通りです。今回の訪米で岸田さんはご満悦だし、ワシントンの評価もいいのですが、アメリカには響いていません。ですから、岸田さんの訪米は一般の日本国民にとっての利益はほとんどありません。そのいい証拠が岸田さんの訪米中に円が2円も安くなったことです。これは完全に岸田さんの訪米が原因です。さらに、ウクライナの復興支援をアメリカに約束してしまったので増税も確定です。日米関係は最高潮でもなんでもなくて、勝手に岸田さんが暴走しているだけなのです。 |
|
――大手メディアはまるっきり逆のことを伝えているんですね。アメリカでも日本でも喜んでいるのはバイデンに乗っている側だけだと。それにしても日本政府はトランプ対応をしないつもりなんですかね? |
|
ジェームズ いえ、一応、外務省の説明ではバイデンが当選してもトランプが当選してもどちらが出てきても対応できるようにすると言っています。いまワシントンにある駐米日本大使館の外務省から派遣された外交官、一等書記官、参事官も含めて彼らの殆どはいまワシントンで働いていません。所属はワシントンにある日本大使館なんですが、全米に派遣されてトランプの集会に送り込まれています。トランプとの人脈を作ろうということです。 |
|
――やろうとはしているんですね。 |
|
ジェームズ しています。しかし……(続く) |
|
*** |
無料版はここまでです。ぜひ有料版をご覧ください。 |
登録する |
過去記事は以下のURLからご覧ください。 |
|
|