今日もいい日になりますように デジタル朝日歌壇  | [虹ぷしゅ]nijipushu nijipsych

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「瞳に涙がなければ魂に虹はかからない」ネイティブ・アメリカンの言葉
「ひとり、燈(ともしび)のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とすずぞ、こよなう慰むるわざなる」徒然草

今日もいい日になりますように デジタル朝日歌壇 

 

短歌でさがす〝いまの気持ち〟朝日歌壇ライブラリ1995-2022:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

 

子育てをするのは鳥と哺乳類のみと聞いた日母に電話す

九螺ささら

 

小鳥来る気配日ごとに増しながらひっそりとあり団地一の樹

山崎波浪

 

★ いつもなら「夕焼けきれい」とメールする今日はいっしょに見ている幸せ

上田結香

 

たおやかに春の朝(あした)は息づけり特別な日の始まりのごと

北鬼江いより

 

人生に余生はなしと励ますごと今年も堂々と日は昇りくる

石渡英夫

 

きみに会う今週分のしあわせの充電のためある月曜日

林宏樹

 

長生きも良いものだよと百歳がタワシのような笑顔で語る

笠井一郎

 

★日めくりをめくりめくって君帰る日にたどりつく朝のしあわせ

清水方子

 

☆明日など来なけりゃいいと書きながら二〇〇〇年まである日記帳

斎藤かおり

 

朝ぐもりの後に段々晴れてきしの陽差しを首が喜ぶ

東洋

 

 

笑うふりはしゃぐふり楽しんだふり今日もたいへんよくできました

茶田さわ香

 

千日手続くがごとき日常にやがて王手のかかる日が来る

武藤恒雄

 

★いつだって今日を始めるためにだけ生まれてきたと信じる朝

有田里絵

 

ああ今日は笑ったと思う久しぶりに笑ってた自分をうれしく思い

浅川昭子

 

じゃがいもが今日の夕食年金が入る日までと待つのも楽し

久木山恵

 

十五夜に購いたれば「名月」と名づけて嬉しジョギングシューズ

石川義倫

 

特別な日だったことを懐かしむ二十五日は給料日のころ

藤井哲夫

 

明日もまたよきことあらむ銀杏散るこの町坂の真紅な夕日

鈴木繁

 

知り合ってその日のうちに好きですと言えるあなたは二十一才

杉田菜穂

 

夕焼けがこんなにキレイなまちだからお嫁に行くのはまだ先でいい

永良伊都子

 

あたしのも食べてくれるのが嬉しくてあたしはいつも少しだけ残す

伊藤夕緋

 

いいにおいきんもくせいで思い出すじいちゃんそろそろたん生日だな

松井愛実

 

今の僕はあなたよりもっと幸せな気持ちなんだと言いくれしひと

黒田祐花

 

人生の踏ん張りどころを誰しもが迎えると思うそしてそれは今

辻千穂

 

☆ああつひに席譲らるる日の来たり決めたとほりにありがたうと言ふ

石橋美津子

 

★ 幸せの未来図風に散りゆけどなお今日を生くなすべきをなし

北鬼江いより

 

明日もまたその明日もまた授業する無限のように一瞬のように

神野志季三江

 

枝豆をポコポコ食べて星空を見上げる今日もまあまあいい日

松田梨子

 

特別な君が生まれた特別の日は穏やかな日常にあり

近藤史紀

 

楽しく食べ熟睡出来ればよき日なり六十路の生は肩の力抜けて

林理智

 

生きてゐることのみ喜ぶ日日となれり余震の中を麦の穂青し

竹内乃里子

 

★ ひっそりとあかきみずひき咲いておりわたしはここでいいのといいおり

原田由美

 

 

★ ああきょうも夕日が大きい、正直はきっとこういう色をしている

神野志季三江

 

バイバイを繰り返す子ら別れさえ楽しめる日が我にも在りき

畠山理恵子

 

この春にまた会わんとぞ祈りけりま幸(さき)くあらばま幸くあらばと

北鬼江いより

 

好きな曲「イエスタディ」ばかり流しつつ持ち重りせし昨日を愛しむ

角田けん一

 

会う日より会う日を待ってるときが好きパン生地発酵していく温さ

中西紀子

 

清新な春の空気よ日々同じ家事していても今年の私

中村玲子