本日の言霊 2024.10.03
「魔が差す」とは、悪魔が心に入り込んだように一瞬判断や行動を誤る、出来心を起こすという意味である。そして、「魔」とは、修行や人の善行を妨げる悪神や悪魔を指し、転じて怪しい力を持ち、悪をなすものを意味する。人間にはもともと悪意をもつ人がいる。他人を辱めたり、貶めたりすることに喜びを感じてしまう人のことである。
たとえ悪意をもっていなかったとしても、怒りの感情にまかせて暴言を吐いたり、他人より上に立ちたいという浅はかな思いがよぎり、本意ではなくとも他人を深く傷つける言葉を吐いてしまうことがある。つい、「魔が差す」のである。この一瞬が自分の人生を、そして言葉を投げた相手の人生を大きく狂わす時がある。
悪魔はこうした傷ついた人が増えることを大層喜び、もっと多くの人間が悲しみ、不幸になることを望んでいる。だから「魔が差す」ように、心の弱い人間に忍び寄る。気が弱っている人には「魔」が忍び込みやすいが、気が張った人には忍び込む隙がない。だから「気を緩めない」ことだ。そして、心の中に悪意が湧いて来そうになったら、深呼吸をしてみることだ。
この「一呼吸置く」というのが肝心なのである。一呼吸置くと、怒りが脳に直結することを妨げるからだ。そう、大切なのは呼吸法である。言葉を放つにも、息継ぎをするタイミングが重要なのである。嘘だと思ったら、一度やってみてほしい。呼吸をコントロールすることで、悪意を封じることもできるのである。