「怨霊と呪術」最終回
崇徳天皇の「天皇を民にして、民を天皇にする」という呪いは、その言葉の通りに実現してしまった。源平の合戦で安徳天皇が入水すると、武士が政治を操り実験を握る時代が誕生してしまった。そして南北朝の時代、足利氏は天皇家に自分たちの血を入れてしまう。さらに、足利義満は自らが天皇となろうとしていた。実際には、即位前に義満が亡くなったため、武士の天皇が生まれなかったが、北朝天皇家には足利氏の血が混ざってしまった。それは祭祀氏族であるレビ族の血でもなければ、皇室の血でもない。まさに「民が天皇となる」こととなってしまったのである。
足利義満が、なぜ自ら天皇となろうとすたのかといえば、それは「大嘗祭」(だいじょうさい)を行わずとも天皇にはなれるということを知ってしまったからで、要は北朝天皇を見下したということだ。北朝の天皇家は、第三代以降、江戸時代最後の孝明天皇まで大嘗祭を行っていない。阿波忌部氏の三木家が、大嘗祭に必要な「麁服」(あらたえ)を献上していないからだ。即位式は行っても大嘗祭を経なければ半分の天皇という意味で「半帝」と呼ばれる。それを知っていたのが織田信長であり、だからこそ忌部氏で「織田劔神社」の神官一族であった織田信長は、正親町天皇(おうぎまちてんおう)に頭を下げなかったのである。
正親町天皇と織田信長
過去の連載でも取り上げたが、信長を暗殺したのは明智光秀であったが、その正体は南光坊天海である。「本能寺の変」を計画したのも実行したのも明智光秀だった天海で、その計画に乗ったのが”信長憎し”の正親町天皇であった。正親町天皇は信長が計画していた南朝復古の体制「天下布武」を恐れ、信長暗殺の計画に自分の落胤・羽柴秀吉を抱き込んだ。「お前を関白太政大臣にしてやろう」と。秀吉は天海の指示通り、信長の首を船岡山に埋める。
信長の首は、自分が嫌った北朝天皇に対する怒りのパワーを使った北朝天皇家発展のための守護神にさせられた。これによって秀吉は「豊臣姓」を賜り、武士なのに関白太政大臣となった。この船岡山の仕掛けと同じように、天海は江戸発展の源として、平将門の首塚を江戸城の鎮守と徳川家発展のために使う。この首塚とともに、将門ゆかりの神社を「北斗七星」の形に配置し、江戸の結界とした。天海はさらに京都を起点に、家康ゆかりの地を結び、日光東照宮を経由させて江戸にパワーを送る仕掛けを施した。その意味では、江戸と京都はともに「呪術都市」なのである。
天海は同族の賀茂氏の一族だった家康を使い、東に強大な武家国家を作り出した。「徳川幕府」である。幕府とはいうものの、実態としては実権のない北朝天皇家に代わる国家だった。天海の呪術は江戸時代が終わるまで続く。なぜ明智光秀＝天海が織田信長
を暗殺したのかといえば、それは「預言」を成就するためである。天海は仏教系八咫烏である。はぐれ八咫烏だとしても、その呪術の力は強大であった。この預言の成就とは「明治維新」である。それまでに天皇家が南朝に戻っては、預言が成就しないため、信長を暗殺したのである。
さらに明治の世となって、南北朝以来、再び二人の天皇が並び立つこととなった。当時の法親王「北白川宮能久親王」が、密かに天皇として推戴された。「東武皇帝」である。東武皇帝は大政の新皇、平将門の再来である。東日本王朝と西日本王朝である。しかし、日光東照宮の権アークは依代でしかない。真アークを持つ朝廷の前には力を発揮できなかった。再び西日本に政治の中心が移ると思われたが、そうならなかった。明治天皇は江戸城に皇居を構えたのだ。実は、この裏には崇徳天皇の祟りが関係していたのである。
◆南朝の復活と「終末の日」
禁門の変が起こった1864年は、奇しくも崇徳天皇が亡くなって700周年だった。怨霊を鎮めるべく朝廷は700年式年を執り行い、明治天皇は崇徳天皇を祀る白峰社を京都に建立、勅使を遣わして御霊を京都へと迎え入れた。2年後の1866年9月7日、明治天皇は白峰社を改築し、白峰神宮を完成させる。
白峯神宮の社地は、蹴鞠(けまり)の宗家であった堂上家（公家）である飛鳥井家の屋敷の跡地である。摂社の地主社に祀られる精大明神は蹴鞠の守護神であり、現在ではサッカーのほか、球技全般およびスポーツの守護神とされ、サッカーをはじめとするスポーツ関係者の参詣も多く、社殿前にはサッカーやバレーボールの日本代表チームや、Jリーグに所属する選手などから奉納されたボールなどが見られる。スポーツにちなんだお守りが有名で、「叶う輪」(かなうわ)という縁起物がある。呪いの藁人形の「鉄輪」(かなわ)をかけたダジャレであるが、果たして縁起物なのか。
金刀比羅宮白峯神社
明治天皇は、崇徳天皇を京都で祀ることで朝廷を守護する神としたのである。怨霊を祀ることで加護を得る。おりしも勃発した戊辰戦争が終焉、天下泰平の世になることを祈念する。その翌日、明治天皇は第123代天皇として即位。これをもって武家政権が終焉し、後醍醐天皇以来の天皇の親政が開始されたのである。ちなみに800年の式典では、昭和天皇が勅使を遣わして祭りを執り行った。だが、現在でも崇徳天皇の御霊は生きている。
明治天皇は南朝復活に尽力した人たちを顕彰した。織田信長を祀る社「建勲神社」を舟岡山に建立し、水戸光圀を祀る社も建立、逆賊とされた南朝の忠臣・楠木正成の名誉が回復され、北朝初代・光厳天皇(こうごん)から第5代・後円融天皇までは皇統から外され、明治天皇の勅裁をもって正式な皇統譜が発表され、南朝が正統であると認められた。が、これは表の歴史で、明治天皇が南朝を正統とした本当の理由は、自らが北朝ではなかったからである。
明治天皇の即位
明治維新とは倒幕及び新政府の樹立という歴史の裏で密かに計画された南朝革命であった。首謀者はフルベッキ、実行したのは維新の志士たち。担ぎ上げられたのが長州の田布施に匿われていた「大室寅之祐」、つまり明治天皇だった。この明治維新の裏にいたのはフリーメーソンである。明治維新とはイギリス革命からアメリカ独立革命、フランス革命に連なる「日本革命」だったのである。
新天皇が大嘗祭を行う理由は、天照大神の預言者になるためである。大嘗祭で、新天皇は「聖霊」を宿す。聖霊が降りてこなければ、神の言葉を受けられないからで、そのために「イエスの死と復活」を再現する秘密の儀式こそが大嘗祭なのである。こうした秘儀を継承してきた組織に「フリーメーソン」がある。フリーメーソンは会員のレベルによって、伝えられる秘儀が異なる。よって、単なるフリーメーソン会員は、なぜフリーメーソンの入会の際に、「死と復活」の儀式を行う理由を理解していない。
セムメーソンの中枢である漢波羅秘密組織・八咫烏が、『裏聖書』である『八咫烏秘記』に記された預言を成就させるため、古代より続くヤフェトメーソンと連携、アメリカからペリー呼び、あえてカラスの色の「黒船」で来航させることによって、人々の脳裏に刻ませるとともに、預言の通りに日本を開国させたのである。預言されし南朝の皇子であった大室寅之祐を明治天皇として即位させることにより、全世界が業によって恐るべき戦争を繰り広げることになる「終末の世」に備えたのであった。
グイド・フルベッキことギドー・ヘルマン・フリドリン・フェルベックは、オランダ出身で、アメリカ合衆国に移民し、日本にキリスト教オランダ改革派宣教師として派遣され活躍した法学者・神学者・宣教師である。だが、フルベッキをアメリカを経由させて、日本に送り込んだのはイギリスのマン・メーソンである。マン・メーソンとは、イギリスのマン島にいる古代からのヤフェトメーソンであり、いわば白人種の八咫烏である。彼らもまた古代からの奥義を握っている一族である。もちろん日本の八咫烏とも連携している。
フルベッキが1898年に68歳で没した際、明治天皇は葬儀に際して多額の寄付をし、さらに青山墓地に広大な土地が提供され、退役将校まで動員して葬儀隊行進までさせている。これは明治天皇からの「感謝の意」である。フルベッキとはどんな人物だったのか。フルベッキと最も親しかったのはウィリアム・エリオット・グリフィスである。グリフィスは彼のことをその著書『日本のフルベッキ』の中でこう評している。
「フルベッキは、銀の反論や鉄のペンより、黄金の沈黙を選んだ」
「フルベッキは明治維新の真実を沈黙を守った」という意味である。フルベッキはグリフィスと同じキリスト教オランダ改革派の宣教師として派遣されたが、法学者・神学者でもあった人物で、維新を成す英雄たちに「英語」を教えたとされている。が、それはあくまでも表向きの話しである。なにせフルベッキは、平然とこうしたことを口に出しているのだ。
「救世主の敵として、ローマ・カソリックを嫌悪しています」
左：グリフィス 右：フルベッキ
明治維新の研究者たちの多くは口を揃えて言う。「フルベッキはフリーメーソンである」と。だが、この場合のフリーメーソンとは、陰謀を起こした秘密結社という意味であり、よってフルベッキとは明治政府を陰で操り、明治の天下人たちを掌の上に乗せていた絶大なる権力者だったのだと。こうした一連の発言や秘密裏の行動、維新成立後の政府要人たちとの関係性をもって、研究者たちはフルベッキとは悪の秘密結社フリーメーソン、イルミナティのメンバーで、トーマス・グラバーやアーネスト・サトウなど他の外国人たちとともに欧米支配勢力の礎となった人物なのだとする。
たしかにフルベッキはフリーメーソンのメンバーだったが、ロスチャイルドが乗っ取ったイルミナティ傘下のフリーメーソンの配下だったのではない。なにせ、建国から100年間、アメリカはロスチャイルドとイルミナティを拒否していた国である。そして、アメリカの建国にはイギリスで作られた近代フリーメーソンではない、本物のヤフェトメーソンが関わっていたからである。だが、「フルベッキ群像写真」や「明治天皇すり替え説」を陰謀論としたい人たち、さらに明治天皇が田布施で育ったことで「天皇家は朝鮮人」などと愚弄する者たちまで現れており、さらに「雅子妃は池田大作の娘」なる頭の狂った言説まで飛び交っている。
まぁ、そう思いたいのだろうから構わないが、「八咫烏」よるこの「国仕掛け」とは、そんな単純思考な人間に理解できるものではないし、表の歴史だけを調べたところで分かるものではない。なぜフルベッキは日本に呼ばれて大切にされたのか。それは「開国」と天皇家を「南朝に戻す」ために尽くしたからである。この国は昔も今も「外圧」がないかぎり、扉は開かない仕組みになっている。「八咫烏」という組織は決して自分たちから扉を明けることはなく、太古よりひたすら國體を護持するだけなのである。だから「扉を明ける者」を導くのである。明治という扉を明けなければ、「終末の世」の「天岩戸」が開かないからである。
象徴的な意味では、天皇が御簾(みす)の外にでてきたのである。それまでの天皇は、臣下の者たちが奏上する時、必ず御簾の中から会話をした。だが、明治維新より後の天皇は外に出た。つまり、岩戸を開けて外に出てきたのである。特に江戸の人間にとって、最も偉い人間は将軍であり、徳川家である。「天皇」と言われても、見たこともない、その存在すら知らない人たちばかりだったのである。だからこそ、明治政府は「御真影」という明治天皇や昭憲皇太后の姿を写真のような絵にして、崇めさせる仕掛けを施したのである。
明治天皇は新皇である平将門が守護神である江戸へやってきた。江戸城を皇居とし、江戸を東の都とした。遷都はせず「奠都」(てんと)であり、本当の首都は今も京都のままである。即位に使用される高御座がある場所が都だからだが、南朝である明治天皇が東京で君臨したことは、見方を変えれば、これは「東国の復活」である。邪馬台国と敵対した狗奴国から富士王朝、日高見国、東国王朝の系譜が明治天皇によって甦ったといっても過言ではない。思えば、天海が仕掛けた江戸幕府も、すべては八咫烏が預言をもとに仕掛けた壮大なる東国復活の計画だったともいえるのである。
しかし、時代は終末である。近いうちに第3次世界対戦が勃発し、人類最終戦争へと突入する。新型コロナ流行からワクチン騒動、コオロギ食、経済破壊、ロシアによるウクライナ侵攻も、全て黙示録預言成就に仕組まれたロードマップである。背後にいるのは、闇のメーソン、ハムの息子クシュの血を引く猛悪の王ニムロドの末裔によるイルミナティである。彼らはハムメーソンを取り込み、やがてヤフェトとセムの両メーソンに最後の戦いを挑んでくることとなる。
そして、大魔王サタンが狙っているのは日本である。日本には終末に世界を救う光が隠されている。それを叩き潰すのが悪魔の狙いである。魔物の意向に沿って行動すれば欲望が叶う。魂を売った輩が手先となって動いている。神の民ヤマトには、最後の試練の時がやってくる。
＜終わり＞
いやはや時間がかかってしまった。まぁ、いつものことだが（笑）。調べて、考えながら書くと、かなりの時間を要する。最近、筆者は本業以外の仕事でもかなり時間を取られてしまっている。もはや悠長にしていられないこの時期に、こんな仕事をやっていていいのか？などと考えてしまうこともある。だが、必要とされていることはいいことだ。それもまたお役目なのだろう。
そんな中、地球上では「UFO」の目撃回数は増えている。今年の7月17日には、四国の「剣山」に巨大な母船が堂々と姿を現している。ノアの箱舟がアララト山にたどり着いたその日に、さらに祇園祭の山鉾巡業が開始される日に複数の母船が「剣山」に現れたというのも象徴的な意味を持っている。果たして、かれらはいつ戻ってくるのだろうか。その辺については改めて書いてみたいと思う。