1977年、夏:「TAKANAKA]

 

 1977年といえば、筆者は中学生である。筆者が自分の小遣いで最初に買ったフュージョンアルバムは高中正義の『TAKANAKA』である。以来、現在に至るまでずっと聴き続けてきた最高のアルバムだ。フュージョンのアルバムの中で一番聴いてきたのは『TAKANAKA』で、次に多く聴いてきたのは、ラリー・カールトンの『夜の彷徨い』だ。

 

 

 『TAKANAKA』は抜群にジャケットがカッコイイ。日本の音楽市場の宝だ。もう、これ以上の構図はない。このラメ入り赤スーツなんて、昔も今もタカナカ以外に着る人間はいない(笑)。高中正義がTAKANAKAなのは、ひとえにこのアルバムのおかげだし、このアルバムに「Ready To Fly」が入っているからだ。「Mambo No.5」も「Sweet Agnes]も最高だが、「Ready To Fly」あってのタカナカである。最大のヒットは「Blue Lagoon」だろうが、ライブの最後に盛り上がるのは、やはり「Ready To Fly」である。

 

 筆者は前世の1つがラテン系の人間だったらしく(霊能者がそう言っている)、だからなのかサンバにマンボ、もう夏全開!といった感じのこのアルバムが最高に好きだ。このアルバムはもう最初から最後までよく出来ている。最後の「April Wave」はいつ聴いても泣ける。波の音を聴きながら(まぁSEに入っているが)この曲を聴くために、何度海に行ったか分からない(笑)。

 

 

 『TAKANAKA』は都合3度買った。アナログ、最初にCD化された時。それと最近のリマスタリングCDだ。音がいい。この夏はリマスタリング盤がずっと家の中でループしている。まぁ、たまに「BRAZILIAN SKIES」にも変えるが。

 

 やはり、人間は一番多感な頃に聴いた音楽を愛聴するらしい。その意味では、中学生でこのアルバムに出会えたことはとてもラッキーだったと思う。前世がラテン系だったからかどうかは知らないが、頭の中もラテン系になってしまった(笑)。まぁ楽天的ということだ。楽天的な人はタカナカが好きだ。高中正義は大陸系の人で、なにせ能天気な人だ。そういう人が作り出す音楽だから、能天気な自分にもハマったのであろう。

 

 このアルバムに出会って、あと3年したら50年だ。ジジイになってこのアルバムを聴くなどと想像していなかったが、多分、そうなりそうだ。まぁ生きていれば、の話だが。