J-POP呪術大戦:その7 番外編
「歌は世につれ世は歌につれ」。大和の言葉で奏でる歌は呪術である。よって、J-POPも呪術となる。そこには歌の呪術師、言葉と音の魔術師たちが存在する。
※本連載に登場する人物名は本物ですが、書かれている内容は筆者の妄想です(笑)。ファンの方は真剣に取り合わないでください。
「J-POP呪術大戦」という勝手な不定期ブログを始めてみたが、やはり「呪術」レベルの歌唱ができるシンガーは少なく、そうした楽曲を生み出せるアーティストも年々減っている。日本の音楽産業は貧乏になったせいか、とにかくフォロワー数が多いだけのお気軽アーティストを次々とデビューさせてばかりいるため、コピペみたいな楽曲しか生み出せないアーティストが溢れている。
さらにK-POPの影響を受けた何の感動もない、メロディもない曲を「カッコいい」と崇めるお馬鹿な風潮はが席巻し、どいつもこいつもダンスばかりの長生きしない曲が量産されている。はっきりかくが、こうした曲は10年もたない。もともとK-POPは韓国の「歌謡」の海外向けの呼び名で、J-POPへの対抗として作り出されたものだ。
90年代後半に日本に送り込まれたBOAなどを育てた方をよく存じ上げているが、音楽マーケットは日本の1/20だったK-POPの基本戦略は、まず「日本で稼ぐ」であった。日本語の歌詞で歌い、日本人からシンパシーを得る、が大切だった。その後、曲はLAから呼んだ黒人が作り、映像もLAのチームが制作という構造が生み出された後も、日本用には日本語詞は変わっていない。だが、曲は大幅に変わり、完全にメロディーを失った黒人R&Bのパクリみたいなものばかりとなってしまった。
これは批判ではなく真実である。90年代後半から韓国の音楽業界と付き合ってきた筆者としては、非常に残念な気がしている。J-POPもアメリカやイギリスのロック・ポップのモノマネから始まったが、独自の進化を遂げ、世界を席巻するアニメとの連携もあって、アーティストのファンではないが楽曲のファンという人が世界中に広がった。「アニソン」というものの良し悪しはあるものの、海外においても一つジャンルとして定着している。
また、貧乏になった日本の音楽業界の影響を受けて、お金をかけずに音楽を生み出すインターネット系音楽が大量生産されることとなった。顔を出さないボカロPやV-Tuberといった人たちが自宅で作った音楽が一気に2020年代に開花した。この連載でも紹介したAdoもYOASOBIもその延長線上にある。それぞれ手法は違うものの、日本のインターネット文化が生み出した音楽ジャンルである。
こうした音楽アーティストたちを他の業界の方はどう思っているのだろうかと考え、今週、さる有名な声優さんの事務所に仕事の依頼でお邪魔した際、「J-POP呪術大戦っていう頭のおかしなブログを書いているんですよ」と言ってみた。先方はたぶん50代の男性の社長、30代の女性マネージャー、そして20代後半の女性の声優さんという3人だったのだが、その声優さんから「どんなアーティストが呪術になるんですか?」と尋ねられた。
筆者:「まず、Adoですね。彼女は物部系なんで、歌が圧倒的な呪術力を持っているんですよ」
声優:「それ、分かります」
社長:「絶対そうですね」
MG:「分かります!」
筆者:「えっ、分かります?あとは、椎名林檎はずっと物部氏だと思っていたんですが、実は平将門の末裔なんですよ」
声優:「わー。それ、凄く分かります」
MG:「絶対そうですね」
社長:「呪術力が桁違いですよね」
え〜っっ、なんでこの人たち分かるんだ?歌唱力が凄いとか、破壊力があるといったことを言う人は結構いるのだが、こちらが言っているのは「物部氏」と「平将門」の話しなのに…。不思議に思って、三人の出身地を聞いてみたところ、とんでもない展開が始まった。
声優:「私は××県の◯◯なんですよ。河童で有名な」
MG:「私は京都なんですが、八幡市の石清水八幡宮のそばで、平安京には入れてもらえない一族なんですよ」
社長:「私も京都府なんですが、丹後の籠神社という神社の入口みたいなところですっと暮らしている一族でして」
「がっビーン!」
ちょっと待って欲しい。この人たち、いったい誰なんだ。社長は日本最古の籠神社の氏子の一族、つまり海部氏。マネージャーはずっと石清水八幡宮のそばで生きてきた物部氏。そして、声優さんはその名前から一発で分かる原始キリスト教に改宗した物部氏なのである。それも、血筋は物部氏の総社「石上神宮」の神官の一族なのである!
いやはや勘弁して欲しいという感じだった。こういう人たちが声優業界にいるのか。それにしても、偶然に物部氏の王家・海部氏と物部宗家の石上氏、頑固に古神道を守る物部氏に囲まれてしまったということはない。「いったい何が起きているんだ」という感じだった。結局、仕事の話しは40分で終了したのだが、なんとその後2時間20分に渡って日本の謎話しとなってしまった(笑)。筆者もエンタメ業界に40年関わってきたが、初めての経験である。
だが、この日はこれでは済まなかったのである。実はこの日の夜、この声優さんからぜひ友だちを紹介したいと言われ、都内某所で会食となったのだが、来た人たちにまたも筆者は唖然となった。筆者の知り合いが一様に見ているという著名な謎系ユーチューバー、悪魔祓いをやっている呪術師、現役アイドル、K-POPアーティストのプロデューサーの女性という布陣で、最後のプロデューサーが秦氏、それ以外の方々は全員物部氏だったのである!笑。
もう笑うしかなかった。結局、夜中の3時まで「日本の謎」に関する話しに花が咲いた一日だった(笑)。ということで、このブログを理解できる人たちがいたので、もうしばらく続けてみることにした。