本日の言霊 2024.06.11

 

 

 他人を妬むという心理は韓国ドラマの世界だけでなく、古今東西の人間の真理なのかもしれない。しかし、世間体を気にする人間は「自分には嫉妬心などない」「他人を貶めるつもりなどない」と深層心理を覆い隠してしまうことがある。嫉妬の存在とそれに対する自己欺瞞の葛藤の中で、問題を解決することなく爆発してしまう人もいる。
 

 自分の中に嫉妬心という感情があるという事実を認めることは健康なことかもしれないが、その嫉妬心をあからさまに表明することは社会生活上の軋轢の元となる。それが個人レベルのみみっちい話ならまだ対処は可能だが、これが集団となると国家間の軋轢を生み、やがて戦争という事態に発展する。

 人類は、生存競争のために互いに食べ物や資源、異性を奪い合ってきた。結果的に見れば、他者の不幸は自分の幸福につながり、自らの子孫を残す可能性が高まるため、他者の幸福を妬み、他者の不幸を喜ぶことを繰り返してきた。その他人を妬むという本能をコントロールできなかった人間とは、最低の生き物なのかもしれない。