本日の言霊 2024.05.22

 

 

 丹波哲郎は1973年に公開された映画『人間革命』で主演を務め、その3年後の『続人間革命』でも仲代達矢と共演をしている。両作とも池田大作創価学会第三代会長の小説を元にしたもので、丹波は第二代会長の戸田城聖を、仲代は日蓮を演じた。二人と関係者たちが、日蓮正宗総本山・大石寺の本堂前で合掌した際、丹波は平然と「南無阿弥陀仏」と言ってしまい、言い直すこともしなかったという(笑)。

 

 映画化の企画が持ち上がったおり、創価学会は丹波の主演に難色を示したという。ギャング映画の悪役や『キイハンター』の「ボス」のイメージが強すぎ、宗教家とは程遠く見えたからだった。が、結果、映画が公開された際、生前の戸田城聖を知る学会員たちは「声といい、雰囲気といい、戸田先生が生き返ったかと思うくらいそっくり」と驚嘆したという。

 

 これを「入魂の演技」と関係者は高く評価したが、丹波哲郎は「戸田城聖が俺の中に入っている」と言っていたという。丹波は戸田の霊を降ろしていたということで、丹波は「『人間革命』でオレは演技に開眼した」と言っていた。