J-POP徒然草:我が心の女神・竹内まりや
ゴールデンウィークくらい、ゆっくり音楽を聴きたいものだ。BGMではなく、しっかり心に刻むことが重要だ。
とはいいつつ、ゴールデンウィークもずっと仕事をしている。世間はお休みであっても、エンターテイメントの世界ではかきいれ時。しっかり働かないといけない。
さて、我が心の女神・竹内まりやの超名盤『デニム』が遂にアナログ盤として4月24日に発売された。もちろん、発売日に買ってきた。竹内まりやと山下達郎の新譜は、過去43年、「発売日に買いに行く」というルールを自分に定めてきた。それも必ず武蔵小山のPET SOUNDS RECORDで買う、というのが鉄の掟となっている(笑)。『デニム』を買い求めながら、いろんな話をする。日本青年館でのデビューライブの話から、竹内まりやの実家の旅館「竹野屋」、出雲大社。
今回もまた、PET SOUNDS RECORDの森さんがまとめた”DENIM PAPER”とお店のタオルをもらいつつ、ダラダラとしょうもない話しを続けた。
それでも最近はおしゃべりタイムは短くなった。昔は3時間くらいずっと話していたので、よくお客さんから店員に間違えられたが、店のどこに何が置かれているのはだいたい把握していたから、お客さんの質問にも答えていた(笑)。
「DENIM」は、2007年に発売された、竹内まりや、通算1
筆者は人生の扉を閉じる時、この曲を流してあの世に旅立ちたいと願っている。50代の半ばの頃までは、歳をとるのが非常に嫌であった。よくありがちな話なのだが、やはりジジイになるという自覚を持ちたくないのだ(笑)。別に若作りしようということではないが、精神的にジジイになったら終わりだと若い頃から考えてきたため、どうも60歳になるなんて考えもしたくなかったのだ。
が、「人生の扉」を聴き込むうちに、「なんか歳をとるのも悪くないな」と思えてきた。それは多分に竹内まりやという人の生き方をすっと見てきたからだと思っている。そして、歳をとっても、色褪せた「デニム」を履き続けるということで象徴される、生き続けることの素晴らしさを教えてくれた。やはり、竹内まりやという人は女神である。
アナログ盤の発売を記念して、「人生の扉」
このミュージック・ビデオは、元々は2007年にNHKの音楽番
「人生の扉」は当時50歳を迎えた竹内まりやが、
I say it's fine to be sixty
You say it's alright to be seventy
And they say still good to be eighty
But I'll maybe iive over ninety
長生きするのも悪くない。人生にはいろいろあるけど、長く生きないと見えないこともある。本当に力みのない素晴らしい曲だ。
そして、アルバム・ジャケットが素晴らしい。出雲大社の実家の畳の部屋で、長いデニムのスカートを履いている。これがユーミンだとそうはいかない。畳の世界はありえないからだ。板の間の生活もいいけれど、やはり日本人には畳が必要だ。畳にゴロンと横になる。それが日本人だ。その意味で、この曲も、このジャケットも、日本でないと生まれなかったものだ。
昭和に生まれ、平成を駆け抜け、令和の今も生きている。もう、それだけで素晴らしい。そして、竹内まりやの音楽とともに生きてきた。振り返れば、なんて素晴らしい時代に生きられたのだろうかと、神様に感謝するだけだ。やはり竹内まりやというシンガーは女神なのだ。