本日の言霊 2024.02.13

 

 「口は災いのもと」と言うが、人間のコミュニケーションの大半は言語を通してなされる。沈黙することはできないし、人間の言葉を抑制することは、かなり難しい。車はハンドルで、船は舵取りで、馬は轡(くつわ)と鞭(むち)で制御することはできる。だが、他人を抑えようとすると、逆に怒りを爆発させたりしてしまう。

 大言壮語するオヤジは昔話を盛りたがる。そこらのオヤジの話を盛ることは構わないが、『聖書』の言葉は盛ってはいけない。福音も預言も正しく伝わらなくなるからだ。そこには一切の余計な言葉を付してはならないし、自分に不都合な部分を割愛してもいけない。

 『聖書』を書き換え、自分の都合に合わせて言葉を付加したり、偏見をもって語ったりする者が多いのがキリスト教である。最もやってはいけないことをやってしまうからこそ、宗教としてのキリスト教には救いはないということだ。