「いろは歌」と「即身成仏」の謎 最終回

 

 人間・空海は亡くなっている。だが、空海の肉体は今も朽ちていない。つまり、霊魂が抜けた状態ということだ。だが、いずれ空海の霊魂は戻ってっくる。なぜなら、弥勒菩薩=イエス・キリストともに帰ってくるからだ。もし、空海の霊魂が戻ってきたならば、空海は「不死不滅の復活体」となって甦るのである!

 

 空海は入定する際、陰陽一対の如意宝珠=ゾハルを持ち込んだ。それこそが籠神社の娘にして特別に選ばれた媛巫女だった「厳子:真名井御前」が空海に授けた「ウリム/潮満珠(しおみつたま)」と「トンミム/潮干珠(しおひきたま)」と呼ばれる「預言者の徴」で、今も空海は即身仏として高野山の奥の院の「御廟」の地下で、ゾハルが放つプラズマの光に包まれ生きたままの姿で眠っている。

 

◆ウリムとトンミムを持っていた預言者

 

 ゾハルは歴代のヘブライの預言者たちに授けられた「預言者の器」で、ゾハルをレンズにすると、過去も未来も見え、異国の言語も理解できたとされる。エノクやノアが、なぜ大洪水が発生する時期を知っていたのか、その秘密はゾハルにあり、空海がたった3ヶ月で梵語を習得し、2ヶ月で恵果阿闍梨から密教の奥義を授かれた理由もまたゾハルで作られた「ウリム/潮満珠」と「トンミム/潮干珠」を持っていたからだった。

 

 「ウリム/潮満珠」と「トンミム/潮干珠」を使って、古代ヘブライ語で書かれていた福音を現代語に翻訳した預言者がいる。それはモルモン教会(末日聖徒イエス・キリスト教会)の開祖であるジョセフ・スミスである。ジョセフ・スミスは14歳の時に「父なる神と御子イエス・キリスト」がジョセフの前に姿を現し、イエス・キリストの真の教会は地上にないこと、それを回復するためにジョセフが選ばれたことお告げたとされている。

 

ジョセフ・スミス
 

 ジョセフ・スミスは、自分の前に天の御父と御子イエス・キリストが現れた時のことを以下のように記している。

 

 わたしは自分の真上に、太陽の輝きにも勝って輝いている光の柱を見た。そして,その光の柱は次第に降りて来て、光はついにわたしに降り注いだ。
それが現れるやいなや、わたしはわが身を縛った敵から救い出されたのに気づいた。そして、その光がわたしの上にとどまったとき、わたしは筆紙に尽くし難い輝きと栄光を持つ二人の御方がわたしの上の空中に立っておられるのを見た。すると、そのうちの御一方がわたしに語りかけ、わたしの名を呼び、別の御方を指して、「これはわたしの愛する子である。彼に聞きなさい」と言われた。

 

 神に会ったことを否定しようとしないジョセフは迫害を受ける。だが、1823年9月21日、床に就いて祈っていた時、ジョセフの前に預言者モロナイが天使として現れる。モロナイは、4世紀後半から5世紀初頭にアメリカ大陸に住んでいた最後のニーファイ人の預言者で、モロナイは復活した人物としてジョセフ・スミスのもとを訪れ、古代の記録が保管されている場所について告げる。その記録にはアメリカ大陸の古代住民にイエス・キリストが授けた完全な福音が記されていた。その記録が『モルモン書』である。

 

スミスの前に現れた「御父とイエス」(左)とモロナイ(右)

 

 紀元421年、モロナイはアメリカ大陸の先住民の話と彼らの起源を伝える「金版」に記された書が隠されていることをスミスに告げ、それにはイエス・キリストが古代アメリカ大陸の住民たちに述べたままの完全な永遠の福音が載っていることも教える。さらに、「銀のつるにはめた二つの石」も金版とともに隠されており、その2つ石はウリムとトンミムと呼ばれ、胸当てに付けてあり、ウリムとトンミムを所有して使った者が、旧世界の「聖見者」となったこと、そしてその書を翻訳するために神がそれらを備えてくださったのだとスミスに告げた。

 

 そう、ジョセフ・スミスにはウリムとトンミムが与えられ、それを使って古代ヘブライ語で記された記録を現代語へと翻訳、それが末日聖徒イエス・キリスト教会の聖典となる『モルモン書』になったのである。そして、それはエノクやノアが住んでいた大洪水前の旧世界の預言者に与えられた器だったということを彼らは知っているのだ。

 

ウリムとトンミム(メガネ)を使って金版を翻訳するスミス

 

 救世主を磔にした大和民族から「神権の鍵」を取り上げたイエス・キリストは、原始キリスト教会を新大陸に興し、将来、レビ族が現れたら返さねばならない「監督の鍵」も与えた。それがモルモン教会である。「神権」とは神の業を成すために有する権能で、アロン神権(小神権)とメルキゼデク神権(大神権)の二つがあり、モーセの末裔だけが持てる大神権を持つのが天皇陛下である。

 

 モルモン教会の創始者のジョセフ・スミスは、『旧約聖書』にある古代エジプトに売られたヤ・ゥマトの一人だったヨセフの子孫で、ヨセフがオンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテを妻としたのは、同族が古代エジプトにおらず、ハムの末裔のカナン人との結婚も許されなかった為、白人種ヤフェトの妻を娶り、マナセとエフライムを生ませた。

 

 ジョセフ・スミスの祖先は、その後「ヤフェト・メーソン」の中心の大ブリテン島の「マン島」へ移動したと考えられる。元々、スミスは白人種とモンゴロイド系の特徴を持つ顔立ちで、ヤ・ゥマトのYAP遺伝子の持ち主であった。セム・メーソンの天皇家に対する、ヤフェト・メーソンを新大陸アメリカに興したことになる。

 

 

◆「虚空蔵求聞持法」と「和歌」

 

 空海は籠神社の神宝であった「ウリム/潮満珠」と「トンミム/潮干珠」を授けられ、不死不滅の体を持った。そして、「終わりの日」に弥勒菩薩たるイエス・キリストとともに戻って来ると預言を残した。つまりヘブライ人である大和民族にとっては、モーセとならぶような大預言者だったのである。

 

ウリムとトンミムをつけた空海(イメージ)

 

 「虚空蔵求聞持法」(こくうぞうぐもんじほう)とは虚空蔵菩薩を本尊として修法する荒行で、一定期間のうちに虚空蔵菩薩の「真言」を1日1万回ずつ百万遍唱えることで一切の教法の文義、暗記することを得るという。これを成就できたのは空海ただ一人である。その意味で、日本の僧侶の中で「生き仏」となったのは空海ただ一人なのである。

 

 それは室戸岬の洞窟(御厨人窟)に籠もった空海の口の中に「金星」が入ったからだが、金星はイエス・キリストの象徴である。つまりこの時、空海の前にはイエス・キリストが現れたのであり、秦氏と物部氏、そして両氏族が渡来する前からこの国にいたヘブライ民族である琉球とアイヌを含む大和民族の要の預言者として召命されたのである。「密教」=カッバーラを体得、絶対神の預言を「和歌」に秘し、それを日本に広めながら、歩き回ることで「終わりの費」までこの国を封印した。

 

室戸岬の御厨人窟で金星が入った空海

 

 「歌」の異体字「哥」とは、うたう/音楽に合わせてうたうなどの意味をもつ漢字である。「哥」は「可+可」で「可」は「ゆるす」の意味である。「神は2度赦す」という示唆で、一度目はイエスが磔刑によって人類の代わりに燔祭なった時、2度めはこの世の「終末」。終わりの日にイエス・キリストが戻ってきて、絶対三神による三位三対とイエスを救世主として受け入れた者だけが救われる。哥に、口を開いて立つ人を横から見た形の欠(けん)を加えた字が「歌」である。 

 

 歌とは神への祈りの文を入れた器を木の枝で殴(う)って、祈りの実現を訴えるときに出す声である。歌は「詠む」とするが、意味は「詩歌(和歌・俳句・詩など一定の規則にそって書き表された文)を作る」とある。「言霊が込められた預言」ということで、それを日本人が「ヤマト言葉」として声に出すことで預言が成就するという仕組みなのである。

 

 「和歌」の訓読みは「やまとうた」である。「和」の代わりに「倭」の字が、「歌」の代わりに「謌」「哥」の字があてられることもある。「大和歌:ヤマトウタ」の文字に込められた意味だが、「ヤマト」は「ヤ・ゥマト」で「神(ヤハウェ)の民」である。「大」は、人として現れた神で「現人神」、「和」は天皇家のみに使うことが許されている異体字「咊」で、「令和(令咊)」=「令+口+木」=「命の木」となる。つまり、神の口から出た「命令」=「預言」で、日本を「生命の樹」=「歌」で覆ったということを示していたのである。空海も柿本人麻呂も、藤原定家も、その他の歌人たちもである。

 

 高野山金剛峯寺の「根本大塔」の中は「大日如来=イエス・キリスト」を四柱で囲む立体曼荼羅となっているが、それはイエスの荒御魂を封印したことを示し、その構造は諏訪の4ヶ所の御柱で諏訪湖に封印された最強の祟神「建御名方神(艮の金神)」を封印しているのと同じである。則ち空海は日本を「イエス・キリストの霊場」として封印した意味となる。

 

「根本大塔」の立体曼荼羅

 

 「”和歌”の山」の地に「高天原」の意味を隠した「天野原」を「高野山」と名付け、「いろは歌」に隠された「咎なくして死す」(罪なくして死んだ)のイエス・キリストの御霊を祀って鎮めたのである。つまり、空海は日本列島を「イエス・キリストの墓」としたのである。

 

 

◆「死国」そして「日本」の封印が解かれし時…

 

 空海は全国を歩いてこの国を封印した。それは日本列島の雛形である「隠岐」もである。さらに空海が実際に歩いた跡を人々が巡礼する「お遍路」によって、数多くの人々を歩き回らせることで「四国」に結界を張り「死国」とした。だが、なぜ「死国」なのか。それは諏訪湖に「建御名方」(たけみなかた)という最強の祟り神である「艮の金神」(うしとらのこんじん)が封印されているのと同じで、磔刑で亡くなった「イエス・キリスト=天照大御神」の荒御魂を鎮め、約束されたその日まで荒ぶる祟神として蘇らせないるためである。 

 

「お遍路」では八+八ヵ所の霊場を巡る。一番目から番号順に参拝することを「順打ち」といい、八十八番目から反時計回りにめぐることを「逆打ち」という。一度で全札所をめぐることを「通し打ち」、何回かに分けてめぐることを「区切り打ち」、また1県ずつ区切り打ちすることを「一国参り」という。なんで「打つ」というのか。

 

お遍路:四国八十八ヶ所巡り

 

 お遍路で参拝する八十八ヶ寺のことを「札所」と呼び、札所をめぐることを「打つ」と言う。その昔、巡礼者が自分の氏名や住所を書いた木札を寺院の柱に打ち付けたことが、名前の由来になっている。柱とは「主の木」で神のことである。その躰(からだ)に木札を打ち付けたというなら、それはイエスの両手と両足に五寸釘を打ち込むこととなる!

 

 「イエスの磔刑」を巡礼者たちがイエスの磔刑を再現しているのである。不吉な行為と考えられるが、これは逆さで、「イエスの磔刑死を忘れない」と心に刻み、亡くなった神を慰めるための巡礼なのであり、封印でもあるのだ。「八十八」とは、「八=神霊ヤハウェ」と「八=現人神ヤハウェ=イエス・キリスト」は十字架に掛けられた同じ神で、物部氏が奉ずる絶対神ヤハウェと秦氏が奉ずるイエス・キリストを同じ神として祀っているのである。それも墓場として。

 

 お遍路の「順打ち」と「逆打ち」の両方の巡らせ方によって、「北海道+本州+九州+四国」の四つの国を「四国=死国」として表しながら本意を隠し、さらに「死の国=日本」として結界で封印することだったのだ。四国は死の国「日本」の雛形だったのである!つまり、日本人の墓場なのだ。そして、日本人が正月から大晦日まで、年がら年中朝から晩まで「穢れ取り」をしているのは、「死神イエス」の霊を鎮魂せねばならないからで、日本列島が世界の雛形になっているからなのである。

 

 

死の国「四国」は霊場日本の雛形だった

 

 空海が歩いて封印し、さらにそこに多くの人間たちが長い年月をかけて結界を張ってきたが、世が平成となってから、お遍路を歩いて回る人の数は減った。中には車で回ってしまう人もいる。大切なのは「歩く」ことである。多くの大和民族が歩くことは、相撲の「四股踏み」と同じで、大地を踏むことで地鎮をすることの意味になっていたのである。だが、歩く人の数が減ると結界が弱まり、死国の封印が解かれることなるが、それは高野山も同じである。

 

 本連載でも書いたが、高野山の聖地「奥之院」には、空海の御廟のほか数々の有名武将の墓や供養塔が、敵味方関係なく立ち並んでいる。織田信長をはじめ、武田信玄、上杉謙信、石田三成、明智光秀、豊臣家一同まで、約20万基もである。さらに奥之院の供養塔には、著名な武将以外にも、ヤクルトやUCCコーヒー、アポロ計画のロケットの供養塔、著名人では花菱アチャコの句碑まで残されているのだ。

 

奥之院の供養塔

 

 いったいなんでヤクルトの入れ物からUCCのマグカップまで供養する必要があるのだろうか。なぜにここまで多くの武将たちの墓があるのかといえば、高野山は霊場だからである。つまり、日本の墓場の中心地なのである!だが、「霊」は死なない。つまり、供養することに加えて、こうした霊の存在が蘇ることが前提なのである。空海が戻って来る56億7千万年後に一緒に戻ってくるのである。もちろん、「56億7千万年後」というのは、釈迦入滅から人口が56億7千万人増えた時代、つまり現代のこと。それがいつ起きるのかは分からないが、今から9年以内のことだ。

 

 「和歌」とは「57577」で、全部足すと31、3+1=4で「四」=「死」なのである。つまり、「歌詠み人」とは全て漢波羅で陰陽師なのである。和歌の仕組み、そして「しこく」という名前自体が呪術になっていたのである。四国とは天皇の大嘗祭、神道の神事に使う道具を全て作る「忌部」(いんべ)一族の土地であった。

 

 神の葬儀を執り行った一族の末裔で、古代から神道祭祀を担った氏族。天太玉命を祖とする流れ=八咫烏と、天日鷲命を祖とする流れ=阿波忌部、天道根命を祖とする流れ=紀伊忌部、讃岐忌部がある。全て空海と八咫烏に関連している。そして、全ての元は「隠岐」にある。封印されし「隠岐」の扉が開く時、日本の全ての封印が解かれることとなる。既に神道祭祀一族と歌詠み集団の頂点に立つ冷泉家は頻繁に隠岐と京都を行き来している。

 

 

主要な物部系神社と「隠岐」

 

 物部系の古社である4社である「諏訪大社」「熱田神宮」「伊雑宮」「籠神社」、そして「四国=死国」。そこに日本列島の雛形である「隠岐」が加わり、その封印が解ける時、日本の全ての封印も解けることとなる。「和歌」と「人」の呪術で封印した扉を開ける時が来る。

 

 それは天皇陛下の京都帰還で始まるが、天皇陛下は冷泉家に封印されし、超古代から地球の歴史を全て知らされることとなる。岩戸が開くのだ。導くのは八咫烏だが、陛下は全てを理解する。その時に古代から日本に隠されてきた「終わり」を告げる「トンミム」が天皇陛下に渡されることになるからである。天皇陛下は「トンミム」を使うことで空海と同じレベルになるのである。

 

 「いろは四十七文字」は、最後に「京」の字を加えて「四十八字」となる!天皇陛下の京都帰還によって「世界の終わりが始まる」という意味がそこに隠されていたのである。それは日本の表と裏、秦氏と物部氏が完全に統合されることを意味している。それができたのは、「空海」という名を与えられた預言者だったからである。

 

 

 「空」は空を飛ぶ「鳥」を示唆し、秦氏=原始キリスト教の象徴である。そして「海」は海の中を泳ぐ「亀」を示唆し、物部氏=原始ユダヤ教を象徴している。その2つのヘブライ民族を統合できる力と血筋をもった御子であり預言者、それが弘法大師・空海の正体だったのである。

 

<終わり>


 いやはや、空海伝説を揚げたら切りがない。日本最大の預言者だったが故である。令和6年の「歌会始の儀」のお題は「和」である。皇室も歌道も神道も、そして真言宗もまた「終わり」への準備に入ったしるしである。いったいどんな歌を天皇陛下はお詠みになるのだろうか。

 

 2023年もお付き合いいただき、誠に有難うございました。新年の謎シリーズの連載は1月6日開始を予定しています。大変な時代ですが、どうか一緒に乗り切りましょう。皆さんにとっても、令和6年が素晴らしい一年になることを願っています。