「エノクの町」 とラピュタの謎 その57

  

 「地球内天体アルザル」の民が、その王「アバドン」と共に戻ってきた時の様子を「ヨハネの黙示録」は以下のように記している。


 「さて、いなごの姿は、出陣の用意を整えた馬に似て、頭には金の冠に似たものを着け、顔は人間の顔のようであった。 また、髪は女の髪のようで、歯は獅子の歯のようであった。 また、胸には鉄の胸当てのようなものを着け、その羽の音は、多くの馬に引かれて戦場に急ぐ戦車の響きのようであった。 更に、さそりのように、尾と針があって、この尾には、五か月の間、人に害を加える力があった。 いなごは、底なしの淵の使いを王としていただいている。その名は、ヘブライ語でアバドンといい、ギリシア語の名はアポリオンという。第一の災いが過ぎ去った。見よ、この後、更に二つの災いがやって来る。」(「ヨハネの黙示録」第9章7−12節)

 

「ハルマゲドン」

 

 「地球内天体アルザル」を知ろうとしない聖書研究家たちは、底なしの淵の穴から立ち上る煙の中から現れる存在を、あたかもサタンの遣いを解釈して、アルザルの軍勢を邪悪な悪魔の勢力にあてはめてしまうが、それは違う。ヘブライ語で「アバドン」というのはサタンの遣いではなく、神の遣いであって絶対神の指示のもとに悪を滅ぼすため「神の業」を行う者をいう。「終わりの日」には、荒ぶる絶対神ヤハウェ=イエス・キリストは、悪が満ちた地上の人類に災いをもたらすため、御遣いたちを使うからである。

 

 「底知れぬ所の使を王している」とは、アルザルにいるイエス・キリストの使徒である預言者「ヨハネ」を王としているという意味である。「いなご」であるアルザルの軍勢が地上の邪悪な軍隊を破壊するとき、ヨハネはヘブライ語で「アバドン」、ギリシャ語の「アポルオン=滅び」と表現される。ヨハネ、そしてヨハネに率いられたアルザルの軍勢は邪悪な地上の軍隊を破壊する「破壊者」となるのである。このヘブライ語で「アバドン」は「滅び」という意味で『旧約聖書』のヨブ記にも記されている。

 「これは滅びに至るまでも焼きつくす火であって、わたしのすべての産業を根こそぎ焼くであろう。」(「ヨブ記」第31章12節)


「人類最終戦争アルマゲドン」

 

 預言者ヨハネは、絶対神によって不死不滅の体に身を変えられ、現在もアルザルにいる。そして、ヨハネのもう1つの使命は、アルザルの「失われた10支族」と残る地上の「イスラエル12支族」を集合させることにある。そうしないと「エノクの町」が戻ってこず、「新エルサレム」が完成しないからである。

 イエス・キリストが現人神として産まれる前の霊体だったときは「ヤハウェ(エホバ)」と呼ばれ、ヤハウェは古代エジプトの神「ラー」であり、イスラム教の神「アッラー」であり、ヒンドゥー教の神「ブラフマー」、古神道では伊勢外宮に祀られる「豊受大神」であり「スサノオ」である。さらに、イエス・キリストは、古代エジプトなら「ホルス」、バラモン教では「ミトラ」、ヒンドゥー教の「クリシュナ」、仏教の「観音菩薩」「地蔵菩薩」「弥勒菩薩」であり、法隆寺では「救世観音」として祀られている。神道では伊勢内宮の「天照大神」であり、アイヌのオキクルミ・カムイであり、古代アメリカのククルカンであり、ケツァルコアトルでもある。

 

全てはイエス・キリストの別名


 なぜにイエス・キリストはこのように様々な国や民族の中で、異なる多くの名で呼ばれているのか。それについて「ヨハネの黙示録」には以下のように書かれている。

 

 そして、わたしは天が開かれているのを見た。すると、見よ、白い馬が現れた。それに乗っている方は、「誠実」および「真実」と呼ばれて、正義をもって裁き、また戦われる。 その目は燃え盛る炎のようで、頭には多くの王冠があった。この方には、自分のほかはだれも知らない名が記されていた。 また、血に染まった衣を身にまとっており、その名は「神の言葉」と呼ばれた。 そして、天の軍勢が白い馬に乗り、白く清い麻の布をまとってこの方に従っていた。(「ヨハネの黙示録」第19章11-14節)

 

 頭には多くの王冠があった。この方には、自分のほかはだれも知らない名が記されていた。」の記述が暗示するように、「終わりの日」には全ての民族がそれぞれ奉じている神が、実は全てイエス・キリストの別名だということを知るのである。

 


血に染まった衣を身にまとって再臨するイエス


 ヒンドゥー教では、この世の終わりに世界を浄化する「カルキ」が、白馬に乗って現れると予言されている。再臨する時にイエス・キリストが「白い馬」に乗って降臨するという表現は、シャンバラ最後の王「カルキ」が乗る白い馬に乗って現れるという預言とも一致する。カルキは、ヒンドゥー教ではヴィシュヌの化身で10番目の最後のアヴァターラ(不死の存在で超越者と人間の間の仲保者)のことだとされている。

 

 ヒンドゥー教の「3大神」、すなわちブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァは、この宇宙を「創造・維持・破壊」している神々とされている。
 ブラフマー:創造神(宇宙、世界に実存、実在の場を与える神)
 ヴィシュヌ:維持神(宇宙、世界の維持、平安を司る神)
 シヴァ:破壊(と再生)神(宇宙、世界を創造し、その寿命が尽きた時に破壊、破滅を司る神)

 

左からブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ
 

 3神といえば「天界の3神」で、「御父・御子・聖霊」となるが、宇宙を創造したのはヤハウェ=ブラフマーである。そして、その宇宙を維持するヴィシュヌは、カルキ=イエス・キリスト。となれば、破壊神としてのシヴァは荒ぶる神ヤハウェで、再生神はイエス・キリストとなる。そして、カルキ(イエス・キリスト)は、シャンバラ(アルザル)の最後の王とされている。これはまだ王としては顕現はしていないという意味である。


 釈迦が晩年に説いたとされる仏教の最終経たるチベット密教の『時輪タントラ(カーラチャクラ・タントラ)』によれば、初代シャンバラ王「スチャンドラ」は釈迦から直接的に教えを受けて感激し、その教えをシャンバラに持ち帰ったという。8代目からのシャンバラ王は「カルキ」の称号を与えられ、子孫が100年ずつ「カルキ」に即位したとされる。この王「カルキ」は25代まで予言されており、最後のカルキを「ルドラ・チャクリン(ラウドラ・チャクリン)」といい、名の意味は「永遠」「時間」「汚物を破壊する者」だという。


最後のシャンバラ王「カルキ」

 

 最後王のカルキの歴代数は「25」だが、ゲマトリアの1桁変換では「2+5=7」で、神を表す完全な聖数の「7」を示している。つまり、シャンバラの王はイエス・キリストとなるが、現在の王は「24」で、「2+4=6」で人間たる数「6」で、預言者「ヨハネ」を王としているという意味になっている。イエス・キリストが再臨するまで、アルザルを統治している王は人間ヨハネだということだ。

 『時輪タントラ』には最終戦争が預言されている。クリシュナ(イエス・キリスト)が地球を離れ、自身の住んでいる場所へ帰った以降の大戦争などの悪行が極まるカリ・ユガとよばれるこの世が崩れいく時代がくれば、「ラ・ロ」と名乗る地上の大王が強大な大軍を率いてシャンバラに攻め込もうとすると記されている。ラ・ロは地上世界を武力によって征服する大王のことで、絶対平和のシャンバラが唯一邪魔な存在となるため、シャンバラの民が地上に出てくることを許さないのである。

 

地上に帰還するシャンバラのUFO

 

 飛鳥昭雄氏が著書の中に書かれていたが、既に「シークレット・ガバメント」はペンタゴンに命じ、プラズマに包んだ核ミサイルをアルザルに発射しているという。また地球製のUFOもアルザルに送り込んだが、連絡を絶って未だに戻ってきてはいないと、CIAが話していることも書かれていた。きっと「シークレット・ガバメント」は怒りに燃えているだろうが、彼らの科学ではまだアルザルには対抗できないということを示している。

 最後のカルキ「ルドラ・チャクリン」は、ラ・ロの大軍をシャンバラの勢力で破壊して打ち負かすと『時輪タントラ』に記されている。


 「邪教と雌雄を決する最後の闘いのために、第25代シャンバラ王が立ち上がる。シータ河をはさみ、邪教の軍団と対峙する王のもとには、シャンバラの12神軍が結集する。……長時間後、ついにシャンバラ神軍は敵を打ち滅ぼす。人身を操り、世界を混乱させていた悪しき邪教は、くシャンバラ神軍の前に滅び去る」

 イエス・キリストに従うヨハネは、北の果てからシャンバラの12軍団を率いていてくるという。この12軍団は9000万頭の飛翔する馬、40万頭の巨象、50万台の戦車の最強の軍隊だとされる。あくまでも比喩であるが、これは法華経の中にある「地涌菩薩」(じゆぼさつ)のことである。法華経の「妙法蓮華経従地涌出品第十五」の「地涌菩薩」とは、その字の通り「地から涌くように出てくる菩薩」であり、地涌菩薩は地球の下にある空間の境域に住んでおり、無数に湧き出てくるとされている。つまり、アルザルからやってくるUFOのことである。


地涌の菩薩の一団の出現(「法華経曼荼羅」)


 ブッダが涅槃に入ったのち、その教えが伝わりにくくなり、その信仰の本来の意図の布教が躊めらわれていたとき、ついに大地を割って出現した六万恒河沙の菩薩たちが「地湧の菩薩」たちだという。さらに法華経の「妙法蓮華経見宝塔品第十一」には、釈迦が説法をしていると、大地から巨大な塔が涌出(ゆじゅつ)し、空中にそびえたとの説話がある。


  「この塔は縦500由旬(3500km)、横250由旬(1750km)で、その四面は金、銀、瑠璃、しゃこ貝、瑪瑙など七宝の貴金属で装飾されていた。この宝塔には多宝如来が乗っていたが、釈迦もこれに登っていき2人で並んで座った。また巨塔には天人も乗っていた。そして、地上に多数絵座していた群集も、その空間に浮かぶ巨塔に移された。」

 

 
釈迦

 縦3500キロ・横1750キロもの「塔」とはいったい何を示しているのだろうか。そのサイズは「エノクの町」をも凌駕する大きさである。シャンバラにはバード少将が遭遇した巨大な葉巻型UFOが存在するが、それでも「エンパイヤステートビルくらいだった」と述べているように、全く大きさは異なる。しかし、これはシャンバラの比喩である。

 

 地涌菩薩の正体は、シャンバラの大王カルキ率いる「12軍団」がプラズマトンネルを通って宇宙空間にまで現れた様子だと考えた方がいい。つまり膨大な数のアルザル軍が地上に現れるということである。

 

<つづく>