「エノクの町」 とラピュタの謎 その2

  義人エノクについて書かれた「スラヴ語エノク書(または第二エノク書)」は、旧約聖書と比べると、非常に神や天使と預言者の距離感が近い。且つ、非常に具体的な表現が使われている点も特徴である。旧約聖書や新約聖書は、今ひとつ「なんで?」と思わせる記述が多い。一番重要なポイントが「削除」されているかのようなのである。その意味から考えると、なんで「エノク書」が旧約聖書の編纂の際に削除されたのかが分かるような気がする。

 

 それは掲載することが「危険」だと判断されたのだ。誰にとって「危険」なのかといえば、その後に人類を支配しようと考える人間たちであり、彼らは人類創生時からずっと「闇」に支配されてきた人間たちである。そして、彼らは「終末の日」まで人類を破滅の淵まで追い込むことを企んでいる。米国時間2023年1月24日、2023年の「世界終末時計」が発表された。 人類の終末まで「残り90秒」である。世界終末時計の針は、 2022年から10秒短くなった。つまり、人類に残された時間は「残り9年」ということである。

 

 

 「スラヴ語エノク書(または第二エノク書)」の「第一章」には、以下のように書かれている。

 その時、とエノクは語った、すなわちわたしが三百六十五年を経た時、第一月に、第一月のある定められた日のこと、わたしはひとり家にいた。泣きながら、わが目を悲しませながら。わたしが寝台でまどろみつつ休んでいた時、地上で一度として見たこともない非常に大きなふたりの男がわたしに現われた。ふたりの顔は輝く太陽、両眼は燃える松明のようで、ロからは火がほとばしり、衣服からは泡がひろがり、両手は黄金のつばさのようで、わたしの枕もとに立っていた。そしてわたしの名を呼んだ。わたしは眠りから起きたが、実際にふたりの男がわたしの近くに立っていた。わたしは急いで立ち上がり、ふたりにおじぎをした。わたしの顔は恐怖から凍りついた。 ふたりはわたしに言った。「エノクよ、しっかりしなさい。恐れることはない。 永遠なる主がわれわれふたりを汝のもとに遣わされたのである。 きょう汝はわれわれとともに天に昇るのだ。汝の息子たちと家の者たちに、地上で彼らがなすべきことすべてを命じておきなさい。そして汝の家では、主が汝をおもどしになるまで、だれも汝を捜したりしないようにさせなさい 」。わたしは彼らの言うことを聞くと出て行った。そして息子のメトセラとリギムを呼び、ふたりの男が言ったことすべてを語って聞かせた。

 

 エノクが言う「地上で一度として見たこともない非常に大きなふたりの男」とは二人の天使のことである。なぜなら、彼らはエノクに「汝はわれわれとともに天に昇る」と伝えているからである。それにしても天使の描写が非常に詳細だ。そして「言葉」も明確である。エノクがどこに連れていかれたのかについては追って書いていくこととしたい。

 

 その前にまず、「エノク」とも「人類の終末」とも関わる2つのUFO事件について書いておく。

 

◆ 1951年の「ラボック・ライト」事件

 

  1951年8月と9月、米テキサス州のラボック及びニューメキシコ州のアルバカーキに住む住人たちが夜空を眺めていたところ、上空を全翼機のような型をした飛行物体が音もなく、北から南へ高速で飛び抜けていくのを目撃するという事件が起こった。

 

 

 事件が起きたのは8月25日夜9時58分頃、アルバカーキ郊外に住む夫婦が、自宅の庭で夜空を眺めていたところ、家の上空を全翼機のような型をした飛行物体を目撃。目撃時間は2〜3秒であったが、推定高度は800〜1,000フィート(約244〜305m)、B-36爆撃機(全長49.40m、全幅70.10m)の1.5倍程度の大きさだったというから巨大な飛行物体である。飛行物体の前部から後部にかけて複数の暗い色の線があり、翼後部に青みがかったぼやけたライトが6〜8個付いていたという。

 

夫婦が目撃した「V字型」の飛行物体のイラスト

 

 実はこの時、テキサス州ラボックにあるテキサス工科大学教授4人もぼんやりした青緑色の光体群が、頭上を超高速で北から南へ通過するのを目撃している。あまりの速さに細部は覚えていなかったが、15〜30個ほどの光体が半円形に並んでいたという。再び現れないかと期待していたところ、幸い約1時間後に再び光体群が通過。今度は規則正しく並んではいなかったという。

 

撮影された飛行物体

 

 翌8月26日の早朝、ラボックでの目撃の2〜3時間後に、今度は遠く離れたワシントン州の2基の防空レーダーが高度13,000フィート(約4,000m)を時速900マイル(約1,450km)で北西に飛行する物体を捕捉する。F-86がスクランブル発進したが、目標は飛び去ってしまっていたという。後日、この件に関してATIC(空軍の航空技術情報センター)は、「レーダーが捕捉した物体は気象目標であった」という結論を出す。しかしレーダー基地の担当官は「気象目標と思えないから報告したのだ」として、ATICの結論に納得しなかった。

 

 次は8月31日の夜、テキサス工科大学1年生のアマチュアカメラマンでもあったカール・ハート・Jr.が自宅の2階で横になって空を眺めていたところ、家の上空を光体群が通過するのを目撃。再度現れると聞いていたためカメラを用意して裏庭で待っていたところ、しばらくして光体群は2回出現、それぞれ2枚と3枚撮影し、翌日新聞社に連絡している。

 

カール・ハート・Jr.が撮影した飛行物体

 

 このV字型の飛行物体とは異なる物体も目撃されている。8月31日午後12時30分、ラボック北東70マイル(約110km)にあるマタドールの自宅を出た母娘が車で走っていたところ、前方150ヤード(約140m)、道から少し外れたところの120フィート(約40m)上空に浮かぶ、アルミニウム色をした洋梨形の物体を発見している。この物体は低速で東に向けて音もなく飛行、物体の側面には窓らしき物があり、数秒後に螺旋運動するように急上昇して見えなくなってしまった。まるで小型UFOである。

 

 この事件の後もこれと同様の目撃例が、2〜3週間にわたって発生。多くの場合、一晩に2〜3回目撃されているのだ。この光体群はラボック周辺で2週間に何百人もの人々に目撃され、目撃者の中には2名の航空管制官もいた。目撃者たちの話で語られるのは、この光体群が「巨大なL字形UFO」だったということである。この事件は「ラボック・ライト事件」と呼ばれている。

 

悠然と空を飛ぶ巨大なL字形UFO「ラボック・ライト」

 

 

◆ 「フェニックス・ライト」事件

 

 「ラボック・ライト事件」から約半世紀が経った1997年、再びアメリカで大規模なUFO事件が発生した。場所はアリゾナ州フェニックスである。

 

アリゾナ州の州都「フェニックス」

 

 1997年3月13日、この日、午後7時30分から10時30分の間、ネバダ州からアリゾナ州にかけての広範な地域で、数万人もの人たちが夜空にいくつもの謎の光体を見たという。特にアリゾナ州フェニックスでは目撃例が多発したという報告があったため、この目撃事件は「フェニックス・ライト」と呼ばれる。

 

 問題の3月13日午後7時30分頃、最初にUFOが目撃されたのはフェニックス南西140キロほどの地点でドライブしていた人が、光のついた大きな黒いUFOが車の上を通りすぎるのを見た。続いて、アリゾナ州北西に位置するネバダ州の州境にあるヘンダーソンという町で、巨大なV字形の物体が目撃された。目撃した男性はこの物体が北西の方角から飛んできて、物体の前部には縁に沿って光点が並んでいたと証言している。大きさはジャンボジェット機くらいで、激しい風の様な音も聞こえたという。

 

巨大なサイズのUFO(下はフェニックスの町)

 

 フェニックスとヘンダーソンの中間に散在するアリゾナ州ポールデン、プレスコット、プレスコットバレーといった町でも目撃が始まった。車を運転していた元警官が、空に赤っぽいオレンジの光の集まりを目撃。それは4つの光が一緒になっており、それを5番目の光が追いかけているように見えたという。また、プレスコットバレーのデヴォン・ローレンツは、自宅の西北西上空に光の集団を目撃。光は三角形のパターンを作っており、先端にある明らかに白いもの以外はすべて赤に見えたという。物体は非常に低い位置を飛んでいるように見えたが、音はまったくなかったという。

 

 物体がプレスコットを通りすぎた後、フェニックスでも目撃が始まった。8時45分にはフェニックス南東をツーソンに向かうドライバーが目撃。事件はこれで終わりではなく、10時頃になると再びフェニックス西北西の山頂で弧を描いて並ぶ光体が目撃され、報告は深夜を過ぎても続いた。総数で数万人ともいわれる多数の目撃者がおり、写真や動画もいくつも撮影されているから、この夜、何かが夜空で何らかの活動を行っていたことは確かである。

 

事件を報じる新聞記事

 

 この夜に目撃された物体について、目撃者の証言は細部ではかなり異なっている。光体が移動するにつれ、光の数や見え方が変化している様子も撮影されているからだ。 まず、光点の数については2個から9個までかなりばらつきがあり、色についても赤、黄白色、青白色などさまざまである。光が作る形については、V字形、三角形、あるいはブーメラン形と、ほぼ似たような形を口にする者が多いが、円弧の形に並んでいたという証言もあるのだ。

 物体の目撃者の多くは、光の球体が何か巨大な物体の下面につけられたものだと考えている。その根拠として、彼らは「光と光の間隔や配置が常に一定で飛行中も変化がなかった」、「光点の周囲に何か黒っぽい輪郭のようなものを見た」、「光点と光点の隙間に星が見えなかった」、といったことを挙げている。


V字UFO写真の復元画像

 

 この本体らしき黒い部分の大きさについては、かなり巨大だったということで大方の意見が一致しているのだが、全長70メートルのジャンボジェット機くらいとするものから、長さ100メートルのフットボール場を3つ分くらいだったとするもの、さらには全長2キロから3キロという超巨大なものだったという証言まであるのだ。また、この物体が頭上で一時滞空したという証言もいくつもあり、目撃者の中には、V字形の先端の窓の内部に人影を見たとか、戦闘機2機が迎撃に飛び立つのを見たという者までもいる。

 もしも、これらの証言が全て正確なものだったとすれば、この夜は何機もの形状の異なるUFOが、ネバダ州からアリゾナ州にかけて乱舞していたことになる。いったいこの超巨大UFOはいったい何をしようとしていたのだろうか。