自我を持つ生命圏 「太陽系」の謎:その25

 

 1978年4月にフジテレビで放送された『第三の選択』(Alternative 3)というSFドキュメンタリー風のドラマが放送された。この番組は1977年にイギリスのテレビ局が製作したSFドキュメンタリー風ドラマで、日本では最初にフジテレビが放送、日本テレビでも矢追純一UFOシリーズのひとつとして1982年1月の『木曜スペシャル』で放送されて大きな話題となったものだ。

 


『第三の選択』


 ドラマのストーリーは、科学番組「サイエンス・リポート」がイギリスから優秀な科学者や技術者らが相次いで国外移住しているという「頭脳流出問題」を取材する中、彼らの一部が行方不明になっているという事に気付く。また、別の取材で、自動車事故で亡くなったジョドレルバンク天文台のバランタイン博士が事故の前日に新聞社にビデオテープを送っていた事を知るが、入手したテープを再生しても映像は出てこない…というところから始まる。

 

 地球全体の異常気象についてケンブリッジ大学のガーシュタイン博士に尋ねたところ、政府との間で環境問題に関する秘密会議が行われ、3種類の選択が話し合われた事を伝えられる。その後、元アポロ飛行士のボブ・グローディンを訪ねると、月面ではアポロ飛行士にも知らされていなかったソ連絡みの計画が行われていた事を示唆され、再びガーシュタイン博士を訪ねたところ、環境汚染による地球温暖化で将来地球に人間が住めなくなることが確実となり、1957年の会議で3つの選択肢が検討された事を教えられた。会議では人口と消費の抑制は不可能と判断され、選ばれた優秀な人々だけを月面基地を経て火星へ移住させるという「第3の選択肢」が選ばれた。以後、米ソ両政府が協力して実行に移されつつあるという。

 その後番組に情報提供があり、NASAが使っているビデオテープの暗号解読装置を入手。これを使ってバランタイン博士のテープを再生したところ、1962年5月22日に行われたという米ソ共同の無人探査機による初の火星着陸の様子が映っていた。火星には十分な濃度の空気もあり、地中で何らかの生物が動いているところで映像は終わっていた…

 

書籍化された『第三の選択』

 

 当時、中学生だった筆者は、このドラマを見て真実だと思ってしまった。もちろん本も買って読んだ。このストーリー、フィクションではあるものの、うまい具合にNASAが火星の情報を隠蔽していることを伝えていた。

 

◆NASAを驚愕させた人面岩の正体


 火星の「シドニア地区」には「ツインピークス」と呼ばれる2つの丘があり、この「ツインピークス」こそが人面岩だった。ツインピークスは人工的に積み上げられた階段状の建造物だったのである。画像を拡大してみると、ピラミッドのように見えるが、ツインピークスの頂上部分は崩れており、NASAはそれが人工的なブロック構造だと確認する。

 

「ツインピークス」


 1976年にバイキング1号が火星に着陸した際にNASAの技術顧問だったリチャード・C・ホーグランドは、カリフォルニア州パサデナのJPLとは別に、テキサス州のダラスに極秘に設けられていたもう1つコントロールセンターがミスを犯したとしか思えないと述べ、このツインピークスの映像はすぐにNASAのホームページから削除される。こうしたホーグランドの批判を払拭すべく、NASAはソノマ州立大学名誉教授のスタンレー・マクダニエルに、この問題の公式調査を依頼。 だが、1年間の調査の結果、マクダニエル教授はNASAの思惑とは逆にNASAに非があったことを明らかにしてしまう。そして、NASAによる隠蔽工作の存在までをも暴露してしまったのである。

 「人面岩については、バイキングが送信してきた写真に、可能なかぎり数多くの画像解析が加えられている。階層的に行われた各種テストの結果、この巨石はけっして自然にできたものではない。つまり人工建造物にきわめて近いと明らかになったと思う」

 ホーグランドの主張を肯定することになったマクダニエル・レポートは、発表と同時に大きな論議を巻き起こすこととなった。NASAはこの後もシドニア地区に関する情報を隠蔽し続け、関係者が次々に謎の死を遂げる。そして1998年3月26日、NASAは火星周回中の探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーがシドニア地区の人面岩の観測を開始すると公表。そして、4月6日に人面岩の最新画像データを公開したが、それは人の顔とは思えない画像であった。

 


1998年に発表された人面岩

 

 1976年にバイキングによって撮影された画像では、人面岩はどう見ても人間の顔の特徴を備えていたが、写真のように頬の部分から光が当たった状態では、際立った構造は認められない。ホーグランドが率いる「独立火星調査団」のメンバーであるコンピューター技師のマーク・カーロット博士は、「もしかしたら、かなり侵食が進んでいるのかもしれません」と述べていたが、ツインピークスの画像をデジタル補正すると、人面岩の正体が明らかになる。

 

デジタル補正された人面岩

 

 NASAは1998年の人面岩の画像を上下逆にし、画像をデジタル補正を施した。大洪水により、崩れ落ちたツインピークスの片方の山頂(鼻の部分)が顔の骨の形を基に修復され、ほかの崩れた部分をデジタル強調。するとそこには髪と髭をもつ男性の顔が浮かび上がってきた。

 

 NASAの研究員はさらなるデジタル補正を続けた。するとそこに驚愕の画像が浮かび上がった。なんとそれは「イエス・キリスト」の顔だったのである。

 

浮かび上がったイエス・キリストの顔

 

 さすがのNASAの研究員たちもこれには悩んでしまう。彼らも人の子でキリスト教徒である。この情報を隠蔽することは職業倫理上は理解はできるものの、彼らの良心が許さなかった。よってこの事実を知った研究員たちはNASAを退官することとなる。

 

 

◆人体岩「M834357」の謎

 

 欧州宇宙機関ESAがマーズ・エクスプレスには地下探査レーザ高度計「MARSIS」が搭載されている。「MARSIS」は人面岩の地下一帯をスキャンすると、さらに驚愕の画像が浮かび上がってきた。スキャンした人面岩の地下構造は人間の「頭蓋骨」だったのである!

 


人面岩の地下構造の「頭蓋骨」

 

 火星の地表に人間の顔を作ることはまだ理解できる。だが、人面岩を建造するにあたってその下も「頭蓋骨」そっくりに作っていたのである。これにはNASAやESAの職員たちも困惑するも、さらに「MARSIS」は人面岩の付近一帯をスキャンした。すると、こともあろうか顎の先には巨大な人体が埋まっていることが判明したのである。それも両手を左右に広げた状態の人体だったのである。そう、イエス・キリストが十字架の磔刑に掛けられている姿だったのである!つまり、人面岩とは巨大な火星人体岩だったのだ。

 

シドニア地区の人体岩構造「メサイア」

 

 NASAはこの人体岩をコードネーム「メサイア」と呼んでいる。もちろん「救世主」という意味である。さらにこの画像のコードを「M834357」としている。画像には頭蓋骨を頭にして巨大な人体が浮かび上がっている。その姿は両足をそろえ、両腕を左右に広げていて、胸の部分には肋骨らしき筋がいくつも見える。「十字架」は確認できないものの、その姿はどう見てイエス・キリストの磔刑である。頭蓋骨とは「されこうべ」である。「されこうべ」はアラム語で頭蓋骨の意味である「ゴルゴダの丘」で磔刑されることを表している。

 こうして、彼らはイエスを引き取った。 イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。 そこで、彼らはイエスを十字架につけた。

 (「ヨハネによる福音書」第19章16 -18節)

 

磔刑のイエス・キリスト


 NASAは火星の人体岩を十字架に磔刑になったイエス・キリストだと認識している。人面岩は、人面だけではなく地下の頭蓋骨構造や十字架上の磔刑でイエス・キリストを表していたのである。そのスキャン画像に「M834357」というコードを付している。その理由は「カッバーラ」である。この情報を公開したのは飛鳥昭雄氏である。

 

 「M」は火星のマルス、もしくはメサイアのことであろう。単なる番号にしか思えない数字だが、これをユダヤ教神秘主義カッバーラで読み解くと興味深いことが分かる。カッバーラでは1から9までの数字を3行3列で3次魔法陣にする。3を上にした形で「834357」の6つの番号を並べると、それはアルファベットの「T」になるのだ。つまり「T型十字」を暗示していることになる。

 

 

3次魔法陣で「834357」を描いた「T型十字」

 

 NASAの裏にいる連中はカッバーラを理解している。だからこそ意図的にこのコードを付したのである。だが、ここで大いなる疑問が浮かぶ。火星が惑星ヤハウェに滅ぼされたのは今から4300年以上前の話で、その頃は絶対神の呼び名「ヤハウェ(私は有る)」もなかったはず。イエスが磔刑にされたのは紀元33年頃である。つまり、どうやって火星に住んでいた人類はイエス・キリストの磔刑を知っていたのか。さらになんでこのような人体岩を建造したのかということである。

 

 

<つづく>