新聞ニッポン:リニア新幹線を巡る闇

 2023年6月15日付の「PRESIDENT Online」の記事がなかなか面白い。

 

 「地域振興の目玉」リニアを妨害されているのに…川勝知事に誰も「遅延行為をやめろ!」と怒れないワケ、と題した記事で、リニア中央新幹線の計画を遅延させる静岡県の川勝平太知事に対して、リニアが開通する他県の知事らが強く言えないのはなぜなのか。ジャーナリストの小林一哉さんは「他県は静岡県と違い、800億円相当の『中間駅』の建設をJR東海に約束されている。その手前、静岡県に対して激しく抗弁することはできない」という、見出しになっている。

 記事では、5月31日にリニア中央新幹線の沿線都府県でつくる建設促進期成同盟会総会が東京都内で開か、総会では、静岡工区着工を認めない川勝知事に対して、愛知県をはじめとするリニア沿線の知事や国会議員らが包囲網をつくり、静岡工区の早期着手に向けて何らかの解決策を提示し、川勝知事に対抗することが期待されていたが、どこの知事も静岡県の川勝知事に対して何も言えなかったとしている、

 この「期成同盟会」なる組織は、1979年にリニア沿線9都府県(東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、三重、奈良、大阪)で設立されたもので。、静岡県は昨年7月に10番目のリニア沿線県として期成同盟会に加入、川勝平太知事にとって今回が初めての総会出席となった。ところが、山梨県から反発を招いている「山梨県で出る水も静岡県の地下水だ。山梨県内のリニア調査ボーリングをやめろ」という川勝知事の無謀な言い掛かりさえ撤回させることもできなかった。それどころか、川勝知事は、静岡県の水資源、自然環境に懸念があるなど相変わらずの主張を繰り返して他府県の知事らをけむに巻いた、と書かれている。

 

静岡県の川勝知事

 

 筆者の子供の頃は、将来はリニアモーターカーが全国を走って大阪まで1時間で行ける 、などという未来像を思い浮かべたものだが、着工はしたものの、未だにいつ完成するとも分からない状態が続いている。用地買収や水質やら環境問題が立ちふさがって前に進まないのだとされてきた。

 

 筆者はこの5年くらいで「リニア新幹線は完成しない」という考え方に変わった。その理由ほひとつは「人体への被害」である。要はリニアの車体の中は異常な値の電磁波空間なのである。リニアモーターカーの仕組みは、車両に搭載された超電導磁石が高速で浮上・案内コイルの前を通過すると浮上・案内コイルに電流が流れて磁力が発生し、車両の自重と磁力が釣り合う位置に車両を浮上させ安定させるもので、その仕組み自体は理解できるが、問題はその際に発生する「電磁波」の量である。

 

 

 リニア新幹線にずっと乗っていると電磁波漬けとなってしまう。それでなくても日本の携帯電話の電波は規制がユルユルである。アメリカのように電磁波によって脳内に癌ができて死んだとして電話会社が訴えられて260億円もの賠償金を払ったなどという訴訟は起きていない。なにせ日の丸企業であるNTTが始めたものだ。誰も検証しないし、訴えることもなかったし、今や携帯電話会社は最大の広告主でもある。TVではこの話をしたら干されることになっている。

 

 だが、それより強力な電磁波を放出するのがリニア新幹線である。まぁ発狂するか、そこで働く人は軒並み癌が発生することになるだろう。そんなものを通勤で利用するなど愚の骨頂だ。まぁ早く死にたい人は別だが。もちろん、リニア新幹線が走った直後の沿線も電磁波だらけとなる。生態系が狂うのも当たり前だ。と、ここまでは「電磁波」の話だが、もっと怖いのが、「完成させない」という選択肢である。

 

◆大深度の巨大地下トンネルの意味

 

 なんで完成させないのかといえば、それは目的が「巨大なトンネルを掘ること」だからだ。なんで山に穴を開けてそのままにしておくのか、という疑問を持つかもしれないが、目的はその穴にあるモノを保管する場所にするためだ。この「あるモノ」とは「放射性廃棄物」である。要は巨大な核廃棄物処理場にするということだ。これは東京のど真ん中も同じだ。なにせ品川の下の掘削工事がガンガン進んでいるからだ。

 

リニア用のトンネルの掘削工事

 

 もはや原発で使用した水の保管場所もなく、福島の海に垂れ流す。それは海外も怒るはずだ。魚に貝、海藻など海の生物が放射能だらけになるからだ。そんなモノは風評被害を受けて誰も食べなくなる。2011年の大震災で原発が水素爆発した直後の状況に戻るのと同じで、またまた風評被害にさらされる。さらに福島原発を廃棄するにせよ、その産業廃棄物や使用済み核燃料を受け入れてくれる先もない。だから福島県の浪江町をそのままチェルノブイリ周辺のように誰も住めない市の街にしてしまおうというのが在日自民党政府の考え方だ。

 

「核燃料サイクル」(経産省)

 

 今から10年前の2014年8月26日、JR東海が公開した「中央新幹線品川・名古屋駅間の工事実施計画書」には、神奈川県内の延長約40キロのうち地上に出るのはわずか1.3キロだけだ。それも相模川橋梁(263メートル)や道志川橋梁(167メートル)など、橋が架かる部分に限られる。さらに断面図をつぶさに追っていくと、県内の最深部は相模原市緑区寸沢嵐付近と分かる。品川駅から51キロ地点付近、海抜500メートル超の山間部の地下307メートルを貫く。なんで地下300メートルを掘るのだ?

 

 さらに西へ進むと静岡、長野、山梨の3県境、3千メートル級の山々が連なる南アルプスもその地下をひたすら直進する。工事実施計画書に記載された断面図によると、起点の品川駅から約153キロ地点、小河内岳(標高2802メートル)付近で最深部となる。山頂、つまり地表からの深さはなんと約1410メートルなのだ。過去に例のない“超”大深度にトンネルが掘られる計画だ。単純に「なんで?」と考えないとダメだ。

 

「放射性廃棄物の適切な処分の実現に向けて」

(資源エネルギー庁)

 

そんな大深度でリニア新幹線が止まったら、誰が助けるのだろう?否。そんなことは起きない。リニア新幹線なんて走らないからなのだ。で、そこに「ゴミ」を埋めてしまうのである。誰にも気づかれないように。そんな水脈を放射能汚染させるようなものに税金を使ってはならない。「No!」と言おう。