自我を持つ生命圏 「太陽系」の謎:その11

 人間の脳には常に電流が生じており、電流から電磁場が生じ、そこから電磁波が発生するため、人間の脳からは電磁波が出ていることとなる。これがいわゆる「超能力」と関係していて、超能力とされる現象として、例えば「手を触れずに物を動かす」、「人の心を読み取る」「壁の向こう側・箱の中の物が何かを隔壁越しに言い当てる」などの能力が挙げられており、超心理学においては、超能力を情報の伝達に関する現象である超感覚的知覚(ESP) と、物体に力を及ぼし得るサイコキネシス(念力、PK)に大別している。

 

 超能力を持つとされる人物は、欧米では一般に「サイキック」と呼ばれ、日本では「超能力者」と呼ばれているが、「超能力」は今日の科学では合理的に説明できない超自然な能力を指すための名称で、古くは「神通力」などとも呼ばれていたものだ。こうした「超能力者」が政府によって研究の対象、もしくは政府のエージェントとして働くのは、アメリカでは戦後に始まったもので、FBI超能力捜査官として知られるジョー・マクモニーグルが有名である。

 


ジョー・マクモニーグル
 

 マクモニーグルは、元陸軍諜報局に務めていた情報官で、スタンフォード研究所に配属され、米軍のための遠隔透視のプログラムに従事した人物である。このマクモニーグルが特異とするのは「遠隔透視」(えんかくとうし)、いわゆる「リモート・ビューイング」である。語源は「遠方の」Remote「見ること」Viewingで、その場にいながらにして遠隔地にある対象や物体を視覚的に把握する能力のことで、アメリカでは「スターゲイト計画」として超能力スパイを養成する研究が政府主導で行われてきたが、1995年に計画の打ち切りがCIAにより発表されている。但し、それは表向きの話で、現在も研究は続けられている。

 

 この「遠隔透視」は日本では「千里眼」 (せんりがん)と言われたもので、実は日本では明治時代から研究が行われてきた。明治時代にこの能力を持つとする御船千鶴子や長尾郁子らが、福来友吉博士ら一部の学者と共に巻き起こした、公開実験や論争などの騒動「千里眼事件」が知られている。映画『リング』『らせん』にも出てきた話しだから覚えていらっしゃる方も多いだろう。

 

 

 さらに、戦前のスパイ養成機関である「陸軍中野学校」では、「千里眼」を持つスパイたちがテレパシーを使って交信していたことも分かっている。そうした資料のほとんどが戦後アメリカに持って行かれてしまったため、その全容は分からないが、実はアメリカはこの「陸軍中野学校」に残された様々な記録をもとに研究を発展させてきたのである。だからこそアメリカの軍部もCIAも、人間を含む様々な動物が頭から電磁波=プラズマを発生することを突き止めたのである。

 

 

◆異星人グレイと未確認生物UMA

 

 2011年10月、イギリスの旅行者がアマゾンのジャングルを旅行中、地元の子供達を撮影中に「異星人グレイ」にそっくりな奇妙な生物が写り込んでいた。不思議なことに、すぐそばに青白い火の玉が浮かんでいたのである。この生物こそ「グレイ」と呼ばれるものだが、異星人=エイリアンではない。

 

異星人グレイ?

 

 一般的に「グレイ」は、UFOや宇宙人来訪に関係する雑誌記事やテレビ番組の中で、よく取り扱われる生命体のタイプのひとつである。矢追純一の番組などではアメリカで宇宙人による誘拐(アブダクション)事件など、目撃報告が多数ある生物として紹介されてきたが、1970年代のUFO事件の紹介では、小人型宇宙人として一括して紹介されている事が多かったためだ。この「宇宙人=小人」のイメージを決定付けたのは、スティーブン・スピルバーグの2本の映画『未知との遭遇』と『E.T.』である。

 


『未知との遭遇』と『E.T.』の小人形宇宙人


 「グレイ」は実在するが宇宙人ではないと考える人も多い。宇宙人に作られたクローン説や恐竜が進化したディノサウロイド(恐竜人間)説、未来人説、レプティリアンのペットとして地球に連れて来られたUMA説などがある。中でも小人型宇宙人の説が広がったのは、アメリカ元海軍将校のミルトン・ウイリアム・クーパーが、大きな鼻を持つラージノーズ・グレイとラージノーズ・グレイの遺伝子操作で作ったというリトル・グレイに分類したことだった。

 

 一般的に言うグレイは後者の場合を指す事が多く、ラージノーズ・グレイは、リトル・グレイの上位に位置するものとされている。元々、アメリカ国民での異星人イメージの古典的な例に、小さな緑の小人「リトル・グリーン・マン」という半ば馬鹿にした呼び方が既にあったため、「リトル・グレイ」という呼び方は、これに由来すると考えられている。

 しかし、本物の「グレイ」は学術的に確認されていないだけで、アメリカ軍は捕獲に成功、飼育している。異星人に仕立てあげるためにである。アメリカ軍は秘密兵器の開発をカムフラージュするため、グレイを異星人として登場させてきたのである。この「グレイ」とは欧米で
「ドーバーデーモン」として目撃されてきた水棲未確認生物である。

 

「ドーバーデーモン」

 

 実態としての「グレイ」は両生類で、右脳と左脳それぞれ独自に電磁波を出し、それを交差させてプラズマを発生させる。このグレイは日本にも生息しており、本州では河童、沖縄ではキジムナー、ブナガヤと呼んできた。「ドーバーデーモン」と同様に水辺に住んでいたり、水辺で発見されることが多い。

 

 

河童と未確認プラズマ生物UMA

 

 「河童」は、水の妖怪、水神、またはその仮の姿とも言われてきた存在である。鬼、天狗と並んで日本の妖怪の中で最も有名なものの一つとされ、各地に河童神社、河童塚も残されている。九州から中国、近畿、中部、関東と、各地で昔から河童の目撃談は残されてきた。

 「河童」の体格は子供のようで、全身は緑色または赤色とされる。頭頂部に皿があることが多い。皿は円形の平滑な無毛部で、いつも水で濡れており、皿が乾いたり割れたりすると力を失う、もしくは死ぬとされる。口は短い嘴で、背中には亀のような甲羅が、手足には水掻きがあるとする場合が多く、肛門が3つあるとも言われる。体臭は生臭く、姿は猿やカワウソのようと表現されることもある。

 

頭に皿がある河童

 

 「河童」は川や沼の中に住み、泳ぎが得意とされる。「地行浜の酒飲み河童」のように、海に住むと伝わるものもあるが、河童にまつわる民話や伝承には、「悪戯好きだがひどい悪さはしない」とか「土木工事を手伝った」とか、「河童を助けた人間に魚を贈った」「薬の製法を教えた」といった人間との友好や義理堅さを伝えるものも多く伝わっている。一方で、水辺を通りかかったり泳いだりしている人を水中に引き込み溺死させたり、尻子玉/尻小玉(しりこだま)を抜いて殺したりするといった河童の悪事を働く描写も多い。

 古くからの目撃談や河童伝承のもとになる、なんらかの未確認動物(UMA)が実在したのではないかという主張における河童は、人間や猿に似た哺乳類、両生類や爬虫類型の巨大な蛙のような生物と想定されており、どの種類も背丈は30センチメートルから150センチメートル程度で、成人した人間を超えることはない。要は小人形宇宙人と同じである。


①享和元年(1801年)に水戸藩東浜で捕獲されたとされる河童

 

 河童には「水虎」(すいこ)、「川太郎」「河伯」など多くの異称がある。江戸時代に河童の研究をまとめた本に『水虎考略』がある。日本や中国の記録、文献から河童の情報を引き集めた江戸時代の“河童研究書”である。要は日本では江戸時代からしっかりと河童を研究していたのである。『水虎考略』では、河童は相撲を好み、人の言葉を理解し、頭上が皿のように凹み、水かきや亀のような甲羅があり、肌が鯰のように滑る・・・といったおなじみの河童の特徴が詳細に報告されている。

 この『水虎考略』の原本を著したのは、昌平坂学問所儒者の古賀侗庵(こがとうあん)で、同門下の羽倉用九(はくらようきゅう)、幕臣で『寛政譜』編さんに携わった中神君度(なかがみくんど)から提供された河童遭遇者からの聞き取り情報に、和漢の地誌や奇談集から集めた河童情報を合わせ、文政3(1820)年に一冊にまとめられた。さらにこれに江戸城御殿医で著名な本草学者でもある栗本丹洲(くりもとたんしゅう)が、各地で捕獲、目撃されたという河童の写生図などを多数付け加えた。これは驚愕する話で、当時は学者たちの間では、こうした珍奇な動植物の情報や写生図は盛んにやり取りされていたのである。


②『水虎考略』に載せられた別の河童の写生図

 

 上の①の写生図は享和元(1801)年に水戸藩東浜で網にかかった河童の姿で、「身長三尺五寸、重さ十二貫目。胸が隆起し、猪首。背が曲がっている」と記されている。②の右ページは甲羅のないタイプの河童で、左は伊藤長兵衛が写生した河童の図である。後の明和(1764~1772)の頃には、江戸の本所(今の東京都墨田区)の辺りで捕らえられ、太田澄玄が鑑定した河童もこれとそっくりであったという。「身長は二尺(約60㎝)、体は鯰のようにぬめっている・・・」と記されている。


 江戸時代は妖怪画で知られる鳥山石燕による河童や、葛飾北斎『北斎漫画』にも「河童」は登場している。現在とは違って、江戸時代の方が河童との距離は近く、特に「かわら版」などで情報が出回る江戸においては、現在よりも河童のことを認識している人は多かったということである。

 

左:鳥山石燕による河童 右:『北斎漫画』の河童


 昭和の頃の目撃例による爬虫類型とされた河童には皿や甲羅がない例も多く、宇宙人の典型的な存在とされたグレイと似ている。だが、人間の尻小玉を抜いたり、牛馬を狂わせたりするといった行動については、未確認生物としての河童にはあまり結び付けられていない。茨城県牛久市では河童の目撃情報があり、警察が駆けつけると水銀を含んだ河童の足跡のような痕跡が残っていたとされる。

 

 こうした様々な河童の目撃・遭遇談の中で重要なのは、カッパ伝説には火の玉が登場し、「河童の火やろう」といって河童は火をもらいにきたり、火を持って現れることだ。そして河童に遭遇した人が意識を失うという数多くの談話は、河童の頭から生じるプラズマに包まれることで意識がなくなることを意味している。河童とは、プラズマを発生させられる生命体なのである。

 

<つづく>