ソウル棚から1枚:史上最強の重低音セクシーボイス
「All Time Greatest Hits」 / バリー・ホワイト
史上最強の重低音、さらに声がいやらしいのがサイコーなバリー・ホワイトだ。もう、低音の魅力でこのオヤジに敵うシンガーはいない。いくらフランク永井が頑張っても勝てない。とにかくその女たらし感たっぷりなゴージャス・サウンド、まるで愛撫をするかのような重低音の歌声が合致した楽曲たちは、もはや唯我独尊ワールドである。そんなバリー・ホワイトのヒット曲集。もう魅力が溢れすぎているベスト盤だ。
全米No.1ヒットとなった1曲目「愛のテーマ」( Love's Theme)は、バリー・ホワイトがラブ・アンリミテッド・オーケストラ名義で1973年に発表したインストゥルメンタルだが、もう最初のストリングスの音が流れた瞬間、愛する二人の世界が始まる感じは50年間無敵だ。さらに2曲目の「つのりゆく愛」(I'm Gonna Love You Just a Little More, Baby)の盛り上がりきらないタメた感じがまたシビれる。そして筆者的に最高の曲が4曲目の「忘れられない君」(Never, Never Gonna Give You Up)だ。この曲はソウル・ミュージックの歴史の中でも5本の指に入る名曲だ。今も毎年100回は聴いてしまう(笑)。
6曲目の軽快なディスコチューン「あふれる愛を」(Can't Get Enough of Your Love, Babe)も抜群にいい。バリー・ホワイトは体が重たいからかしらないが、以外に70年代から80年代初頭のサウンドは軽妙で、その声の重たさとのギャップにハマる。また、曲としては大した曲ではないのだが、15曲目の「イッツ・エクスタシー・ホエン・ユー・レイ・ダウン・ネクスト・トゥ」(It's Ecstasy When You Lay Down Next to Me)なんて、タイトルからして超スケベで、サウンドも超スケベ心いっぱいなのだが爽やかに表現されている(笑)。最後の軽妙なブラス・ファンクナンバー「サテン・ソウル」(Satin Soul)まで一気に聴けてしまうのがこのベスト盤のスゴイところ。70年中半のバリー大先生の活躍ぶりとソウル・ミュージックの濃厚かつ重厚な色香を伝える名盤ベストだ。
01. 愛のテーマ(Love's Theme)
02. つのりゆく愛(I'm Gonna Love You Just a Little More, Baby)
03. アイブ・ガット・ソー・マッチ・トゥ・ギブ(I've Got So Much to Give)
04. 忘れられない君(Never, Never Gonna Give You Up)
05. ハニー・プリーズ・キャント・ヤ・シー(Honey Please, Can't Ya See)
06. あふれる愛を(Can't Get Enough of Your Love, Babe)
07. マイ・エブリシング(You're the First, the Last, My Everything)
08. 愛の炎(What Am I Gonna Do With You)
09. アイル・ドゥ・フォー・ユー(I'll Do for You Anything You Want Me To)
10. 愛のステップ(Let the Music Play)
11. 恋のトラブル(You See the Trouble With Me)
12. ベイビー・ウイ・ベター・トライ・トゥ・ゲット・イット・トゥゲザー(Baby, We Better Try to Get It Together)
13. 恋のときめき(Don't Make Me Wait Too Long)
14. アイム・クリファイド・トゥ・サティスファイ・ユー(I'm Qualified to Satisfy You)
15. イッツ・エクスタシー・ホエン・ユー・レイ・ダウン・ネクスト・トゥ(It's Ecstasy When You Lay Down Next to Me)
16. プレイング・ユア・ゲーム,ベイビー(Playing Your Game, Baby)
17. オー・ホワット・ア・ナイト・フォー・ダンシン(Oh, What a Night for Dancing)
18. ユア・スイートネス・イズ・マイ・ウィークネス(Your Sweetness Is My Weakness)
19. 素顔のままで(Just the Way You Are)
20. サテン・ソウル(Satin Soul)