終末預言と 「偶像崇拝」の謎:その4

 

 「犬ども、魔術を行う者、不品行の者、人殺し、偶像を拝む者、好んで偽りを行う者はみな、外に出される。」

    (「ヨハネ黙示録」第22章15節)

 

 「イスラム教」や「イスラム教原理主義」は、日本人にはあまり馴染みがない。よって、原理主義者のグループである「タリバン」が行うことを見ると、「非民主的・非人道的な人たち」だと考えがちである。実際にそうではあるが、なにせ「タリバン」に限らず原理主義者というのは、急進的な考えに支配される人たちである。その意味では「池田大作」を神のような存在として仰ぐ人たちも「池田原理主義者」であり、未だに安倍晋三を偉大な総理などと考える急進的な言論活動をするネトウヨというのも「在日朝鮮民族支配原理主義者」である。こうした人達はほとんどが脳足りんであり、「タリバン」に入ってライフルで一般人を脅す無学なイスラム原理主義者と構造的に同じである。

 

 こう書くと「安倍晋三」を大和民族で韓国や中国とやりあった偉大な首相などと勘違いしている輩からいつもクレームがくるのだが、そんなものは気にしない。なにせそうした輩も遅かれ早かれ「偶像崇拝者」として、地上から排除されてしまうからだ。皇祖神を足蹴にする民族は、この国から絶対に排除される運命にあるからだ。「悔い改める」なら今のうちである。統一地方選挙で自民党や公明党に投票した人たちも、いずれみな地上から姿を消すことになる。仕方ないのだ。日本とはそういう国なのだから。

 

◆イスラム教原理主義者タリバン

 

 「タリバン」(ターリバーンとも表記)とは、1989年のソ連軍撤退後に急速に台頭したアフガニスタンのイスラム教原理主義者が組織した武装組織である。1996年に権力を掌握、極端で徹底した原理主義にもとずく「宗教国家建設」を目ざす人たちである。2001年のNY同時多発テロの首謀者と目されたオサマ・ビン=ラーディンが潜伏したとして、アメリカ軍が侵攻したため、首都から排除され政権を失った。

 


首都カブールを支配した「タリバン」


 「タリバン」はソ連軍が撤退した後のアフガニスタン内戦の中で急速に台頭、1996年にアフガニスタンの権力を握ったイスラム教スンニ派の原理主義武装集団である。もともと「タリバン」とはイスラム教の神学校「マドラサ」の生徒(神学生)を意味する「ターリブ」の複数形である。但し、実際に神学生であるのはごく少数で、そのメンバーはいずれもパキスタンのアフガニスタン難民キャンプで育ったパシュトゥーン人の24、5歳以下の文字書きができない青年であった。1994年7月、南部の古都カンダハールに忽然と現れて地元の武装勢力を排除、翌年には西部のヘラートを押さえ、1996年には首都カーブルを占拠、2000年までには国土のほぼ90%を支配した。北部にはマスード司令官を中心とした北部同盟が僅かに抵抗を続けるという状態であった。最高指導者はカンダハールにいる宗教指導者ウマルで、教団はスンニ派の中の「シャリーア(法)」解釈の4つの派閥の1つハナフィー派に属し、教団の源流は1867年、イギリスの植民地支配に反発するグループが結成したものだ。その主張は「シーア派」との妥協を一切認めず、聖者崇拝を禁止し、歌や踊りなど娯楽的な要素を全面的に否定する。

 

 まぁ簡単に言えば、イランやイラクなどのシーア派が嫌いで、「偶像崇拝」とそれにつながる「エンタメ」も徹底的に禁止する集団ということだ。だから、マネキンの顔も首チョンパしてしまうのである。権力を握ったタリバンは、反対派を次々と公開処刑するなど恐怖政治を行った。徹底したイスラム原理主義による政教一致をめざし、「コーラン 」や「ハディース」に基づいて一切の欧米文明を否定、市民生活に対しても女性の就職や教育を禁止、女性にはブルカ(ヴェール)着用、男性にはひげを伸ばすことが強制され、テレビ・ラジオ・映画なども禁止された。2001年3月2日~14日にはバーミヤンの石仏などの仏教遺跡を偶像崇拝であるとして破壊するなど、世界の情報から隔離された中で独自の政策を展開したことで、世界中から恐怖の眼で見られた。

 


破壊されたバーミヤンの石仏などの仏教遺跡

 

 変な言い方だが、「タリバン」は日本には来られない。来たら驚くに違いない。そして、こう考えるに違いない。「この国は隅々まで偶像に支配されているから、水爆で全てを滅ぼさなない限りダメだ」と。仏教だろうが、ホストだろうが、地下アイドルだろうが、アニメだろうが、フィギュアだろうと、彼らにとっては全ては「偶像崇拝」だからである。


 1979年、ソ連軍のアフガニスタン侵攻が始まると、「サウジアラビア」はアラブの青年に呼びかけて義勇兵をアフガニスタンに送り込んだ。彼ら「アラブ=アフガン」の中に、当時22歳のビン=ラーディンもいた。彼らは「ムジャヒディーン(戦士)」として訓練され、ソ連軍と戦ったが、ソ連軍撤退後のゲリラ同士の内戦に失望していったん国外に去る。1996年5月、スーダンを追われたビン=ラーディンは自ら組織した国際テロ組織「アル=カーイダ」の拠点を建設するためにアフガニスタンに戻り、ターリバーンに資金と武器を援助し提携。1998年にはケニアとタンザニアのアメリカ大使館爆破事件が起き、アメリカのクリントン大統領はビン=ラーディンらの組織の犯行と断定し、アフガニスタンおよびスーダンのテロ組織活動拠点に巡航ミサイル「トマホーク」を打ち込み報復。そして、2001年9月11日、同時多発テロが起きるとアメリカのブッシュ政権は国際テロ組織アル=カーイダの活動拠点となっているとしてアフガニスタンを攻撃、ターリバーン政権は崩壊した。

 

 まぁ、「ヤラセ」である。なにせ「タリバン」は1994年7月に忽然と現れた武装勢力である。誰が武器を与えて訓練したのか、といえば、それは「CIA」である。ブッシュ家とビジネス・パートナーはオサマ・ビン=ラーディンの一族である。「9.11」が起きた時、まずブッシュ大統領がとった行動は、ビン=ラーディンの一族を国外に逃がすことだった。要は「戦争」を開始して、大量の兵器の在庫一掃するためと、借金をチャラにしたかったアメリカが仕掛けた壮大な「芝居」であったが、あまりにも壮大な芝居だと、誰も芝居だとは思わない。そこがミソなのである。

 

「9.11」という世界最大規模の「芝居」


 アメリカのトランプ大統領は、長期駐留でアメリカ軍の人的、財政的な負担が膨大になったことをあげ、20年目を迎える2021年を目途にアメリカ軍を撤退させることを掲げた。次のバイデン大統領も、アフガニスタンからの撤退を公約していたため、2021年9月11日の同時多発テロ20年までに撤退することを決定。アメリカ軍の撤退が目前となり、その支援を受けられなくなったアフガニスタン政府軍は急速に戦闘能力を失い、各地でタリバンが攻勢に出て主要都市を次々に占領、首都カーブルに迫ると、2021年8月15日にガニ大統領が脱出、政府軍も政府機構も崩壊した。

 カブール空港での米軍撤退作戦は8月26日、「IS」(イスラム国)ホラサン州を名乗る自爆テロによって米兵18人と多数のアフガン人が死傷するという事件により、さらに混乱に陥ったが、バイデン大統領はイギリスなどの撤退延期要請に応じず、予定どおり8月31日に撤退を完了したと声明を発表。これによって、2001年から始まったアフガニスタン戦争は終結したが、タリバン政権が治安を維持し、国際社会が期待する人権や自由、とくに女性の社会進出や教育といった基本的人権を認めず、従来どおりイスラム法の厳格な執行だけを掲げている。

 

◆作られた「イスラム原理主義」と「ジハード」

 

 「フーリー」という言葉をご存知だろうか。アラビア語でいう「フーリーヤ」は、イスラームに伝えられている天女達の総称である。「フーリー」はペルシア語で、古代アラビア語では「フール」と呼ばれる。この「フーリー」は天国に来たイスラーム信徒の男性一人につき72人のフーリーがセックスの相手をするとされろいわれるのだが、彼女たちは永遠の処女であり、セックスを行い処女膜が破れても、すぐさま再生するとされる。この話を聞いた日本人は爆笑するに違いないだろうが、イスラームの男性たちは真剣に信じているのだ。


「フーリー」を描く宗教画

 

 サウジも男性は「買春」が大好きだ(笑)。筆者のアメリカ留学時代のクラスメイトには複数のアラブ人がいたが、中でもサウジアラビアから来ていたクラスメイトは、毎週末、車を飛ばしては夜のハリウッドのサンセット大通りに立つ「立ちんぼ」の売春婦を買うのが趣味だった。そいつに「よくも毎週買いにいくなぁ」と話したところ、「先週は白人2人」とか「今週は黒人と白人」とか豪語する趣味の悪い男だったが、「サウディ家」に連なる一族の超大金持ちの石油成金で、「白人女や黒人女を支配する感覚がたまらない」などと頭のおかしいことを言っていた。きっと今頃は国内で日本人の女性を買っていることだろう。

 

 イスラム教と「タリバン」のことを理解する上で「セックス」に関する考え方は重要だ。イブン・カスィールによれば、ムハンマドは『われわれは天国で処女とセックスが出来るのでしょうか?』と問いかけた信者に対して、『もちろん出来る。そしてセックスが終わった後には、彼女は清らかな乙女に戻るのだ』と述べたとしているのだ。また、別の伝承によれば、 ムハンマドは『天国では信徒たちは女性に対してそれだけの強さを与えられるであろう』と述べ、アナスが『ああ、アッラーの使徒よ! そのようなことが出来るのでしょうか!?』と問いかけたところ、ムハンマドは『百人の男に匹敵する精力を得られるのだ』と答えたという。ムハンマドの教友の中には、ムハンマドが『天国の男たちは処女の花を散らすのに忙しくなる』といったと伝えている者も居るのだ。

 イブン・カスィールは「フーリー」に関して、
『彼女たちは陽気で、夫の前に誰ともセックスを行わなかった乙女たちである』と述べ 、また『天国においては、彼女たちが老いたならば,、明るく、若く、美しく、親切でかわいらしく、夫に対して情熱的な処女へと絶えず戻るのである』とも述べている。さらにイマーム・スユーティーは『フーリーとセックスをするたびに、あなたは彼女が処女である事を知るであろう。加えて、勃起したペニスはなえる事がなく、永遠に勃ちつづける。あなたがセックスを行うときの感覚はすばらしく気持ちよく、この世のものとは思えない。この世でこれを経験してしまったならば、気絶するほどである。それぞれの(ムスリム男性)はこの世の妻に加えて、70人のフーリーを娶れる。そして彼女たちはみなあなたの欲望をそそるような名器の持ち主である』と述べている。


「フーリー」=「72人の処女」を描いた絵画

 

 これらの伝承はあくまでイブン・カースィル等少数の人間が伝えるものであり、クルアーンにあるフーリーに関する記述とは異なっているため、その信憑性はムスリムの間でも論争の的になっている。何を言いたいのかと言えば、「タリバン」をはじめとする「イスラム原理主義組織」による「自爆テロ」が行われる際、必ず出てくるのが「ジハード」という言葉である。

 

 「ジハード」とは、イスラームで「神の道のために努力すること」を意味し、 具体的にはイスラム世界の拡大または防衛のための戦いを指すことが多い。 よって「聖戦」と訳される。そして「聖戦」で死ねば、楽園の72人の乙女たちが待っていると自爆テロ犯は信じる。というか「信じ込まされる」のである。実際に自爆したら72人の処女が待っているなんていう話はないのだが、「フーリー」と「72人の処女」の話を使ったのがアメリカの「CIA」である。「CIA」が「タリバン」を作った際、「イスラム原理主義=自爆テロ」というイメージを拡散させて世界に恐怖を与えるため、「タリバン」の兵士を教育する時に話をすり替えたのである。


 本来、イスラム教においてセックスは「祝福」であり、「前戯」の必要性まで説かれている。一方で、同性愛は認められていないし、原則、結婚していない男女の婚前交渉も許されない。実際にドバイでも2017年に結婚をしていない日本人男女が、公共の場で婚前交渉にあたる行為を行ったとして有罪判決を受けている。これは一見、時代錯誤にも思えるが、保守的なキリスト教徒もまた、未だ同性愛は認めていない。しかし、今年に入って、ローマ教皇フランシスコは、同性愛は「罪」だが「犯罪」ではないと発言して波紋を呼んでいる。


ローマ教皇フランシスコ

 

 ローマ教皇フランシスコは、2023年1月24日、AP通信の単独インタビューに応じ、同性愛は「罪」だが「犯罪」ではないとし、各国は同性愛行為を違法とすべきではないと述べている。このインタビューの中で教皇は、同性愛は「罪」だとしつつも、「罪と犯罪」を区別する重要性を強調。「同性愛であることは犯罪ではない」と述べた。

 
「私たちは皆、神の子です。神は私たちをありのままで愛しておられます。一人一人が自分の尊厳のために戦う必要があり、その強さのために神は愛してくださるのです」

 教皇は、罪と犯罪の違いに言及し、「互いの慈愛を欠くこともまた罪です。それについてはどうでしょうか」と問いかけ、さらに同性愛行為を犯罪としている国が世界には数十カ国あり、複数の国が死刑に価する犯罪に分類しているを指摘。そうした法律は「不公平」だとし、「カトリック教会はそのような法律に反対しなければならない」と話しているのだ。この発言は、明らかにイスラームの国々を挑発する発言である。ローマ教皇フランシスコはイスラム教徒を怒らせたいのである。なぜなら、この発言は「偶像崇拝」と深く関わる発言であり、「終末預言」の根幹に関わることだからである。

 

 

<つづく>