12インチシングル棚から1枚:パンチ力が違うディスコナンバー

 「The Rhythm Of The Street(Dance Remix)」/ Patti Austin 

 

  1984年にパティ・オースティン姉さんがリリースした12インチシングル「Shoot The Moon」のB面に入っている”ガッツ”が込もったディスコナンバーである!とにかく姉さんのヴォーカルは「パンチ力」が凄まじいのである。特にこの曲のサビ前で歌われる”Shake it loose and set it free"というパートの「シェケ」の破壊力が凄いのだ。もうこの部分だけを聴きたくて買ってしまったようなものだ(笑)。ハッキリ言って、なんで「Shoot The Moon」がA面なのかはよく分からない。お世辞にもいい曲とは思えないからだ。

 



 パティ姉さんといえば、やはり我々ジジイ世代では、1981年の「Do You Love Me」が有名すぎる。六本木のディスコでも超パワープレイされていたし、1981年12月31日のラストから2曲目にDJがかけたのも「Do You Love Me」だった。ちなみにラストはパティ姉さんが幼少の頃の洗礼時に代父を務めたクインシー・ジョーンズの「愛のコリーダ」だった。この12インチシングルはクインシー・ジョーンズのレーベルであるクウェスト・レコードからリリースされたもので、1980年代の前半はここからリリースしていた。


 パティ姉さんは1950年生まれの、ニューヨーク州ハーレム出身の女性R&B/ジャズ・シンガーである。4歳の時にアポロ・シアターでデビュー、5歳でRCAレコードと契約したという、もう生粋の天才歌手だった。なんと9歳でクインシー・ジョーンズのツアーにも参加するという驚愕の子供時代を過ごしている。1976年に『End Of A Rainbow』でソロ・デビューを果たし、これまで数多くの作品を発表し、2008年にグラミー賞を獲得している。JAMES INGRAMと共演したアーバン・メロウ・グルーヴ「BABY COME TO ME」も有名だが、個人的にはマイケル・ジャクソンのアルバム『オフ・ザ・ウォール』に収録されている「It's the Falling in Love」やジョージ・ベンソンとデュエットしている「Moody's Mood for Love」や「Keep Your Dreams Alive」が大好きである。

 



 80年代初頭の作品は叔父貴のクインシー・ジョーンズがプロデュースを務めていたが、この作品は筆者のフェバリットPであるディスコものの帝王NARADA MICHAEL WALDENがプロデュース、MADONNAの彼氏だったJELLYBEANによるREMIXである。サビでの盛り上がり具合に思わず身体も動くDISCO TUNEなのである。

 

 

 まだ姉さんは70代でご健在である。黒人ヴォーカルは80代になっても声量が衰えない方も多い。ぜひこれからも活動を続けていただいきたいと願っている。