ソウル棚から1枚:「Sugar」の囁きがスケベな1枚

 

「AFTER DARK」/Ray Parker Jr. 


 

 一般的には「ゴーストバズターズ」が世界中で大ヒットしたことで知られたレイ・パーカーJr.が、Geffenに移籍しR&B路線へと回帰を果たした1987年のアルバムだ。リズムボックス「ローランド808」のポンポコサウンドをまとった「スリープ・アローン」がR&Bトップ5ヒットになったが、この曲を含めてレイの「Sugar」という囁きを随所で堪能できる1枚だ。って、誰が「Sugar」と囁いて欲しいのかといえば、当時のブラコン大好きなおネエちゃんたちだ。今や皆さんお婆ちゃんだが(笑)、その手の性欲旺盛な女性たちは未だに頭の中はバブルが続いていて、ヒョウ柄のボディコンを着て六本木に現れたりするのだ。素晴らしい!

 

 

 このアルバムはレイが8曲をプロデュース、そして先日他界してしまったバート・バカラック&キャロル・セイヤー・ベイガーの名コンビが2曲をプロデュースしている。そのうちの1曲が2人との共作による2曲目に入っているナタリー・コールとのデュエットによるバラード「オーヴァー・ユー」である。重すぎないいいキラキラバラードだ。ちなみにバカラック作品は2曲で、「OVER YOU( Duet with Natalie Cole)」と7曲目の「PERFECT LOVERS」である。 

 


 

 レイ・パーカーJr.は1981年からソロ活動を始め、なんでかしらないが1984年に映画 『 ゴーストバスターズ 』 を担当して大ブレイク。アリスタ・レコードからゲフィン・レコードに移籍。ゲフィンからの第一弾(そして唯一)のアルバムがこの作品である。なんでも、最初はレイとデヴィッド・フォスターのプロデュースが予定されてたそうだが、逆にデヴィッド・フォスターと一緒にやっていたら、もっとAOR風になっていて、黒人色が排除されてしまったかもしれないので、逆に良かったかもしれない。


 

 バカラック作品以外の8曲は、全てレイの作詞作曲である。ミディアム・テンポのブラコンが6曲、バラード1曲、何故かフュージョンちっくなインスト1曲、といったラインナップ。これはレイが元々ギタリストだからで、ちなみにレイはこのアルバムで全ての楽器を演奏している。器用な人だったのである。

 

 ちなみに僕が好きなのは1曲目の「I Don't Think That Man Should Sleep Alone」とKashifがバックコーラスもやっている「The Past」である。やはり35年経っても聴くに耐えるブラコンアルバムというのが素晴らしい。

 



A1:I Don't Think That Man Should Sleep Alone

A2:Over You
A3:Lovin' You

A4:You Shoulda Kept A Spare
A5:The Past
B1:You Make My Nature Dance

B2:Perfect Lovers
B3:After Midnite

B4:I Love Your Daughter

B5:After Dark