「フリーメーソン」の真実 その15

 後編:超古代フリーメーソンと闇の秘密結社

 

◆イギリスの「裏王室」

 

 日本の天皇家には裏側から日本の国体を霊的に護持する「裏天皇」がいる。漢波羅秘密組織「八咫烏」(やたがらす)である。「八咫烏」には「烏天狗」と呼ばれる70人の八咫烏がおり、その上に12人から成る「十二烏」がいる。彼らは「大烏」と呼ばれ、その中の三人が「三羽烏」として「金鵄」の称号を持つ。「金鵄」 は3人で1人の裏天皇を構成し、表の天皇と表裏一体となって、この国を呪術で護る役目を負っている。

 

 実はイギリス王室にも「裏王室」が存在する。本連載の最初の方にも記したが、世界寡頭権力組織のひとつに「島倶楽部」がある。英語で「クラブ・オブ・ジ・アイルズ」といい、その中心はイギリス王室であると書いたが、実は裏の「クラブ・オブ・ジ・アイルズ」があるのだ。

 イギリスの裏王室も「島」にある。グレートブリテン島とアイルランド島の間、アイリッシュ海に浮かぶ島、「マン島」である。

 

「マン島」の位置

 

 「マン島」は、その位置から考えてイギリスの一部だと思っている人も多いのだが、実は、マン島はイギリス連邦に属してはいない。それでいて独立国でもないという少し不思議な場所なのである。アイリッシュ海に浮かぶこの島の大きさは淡路島くらいで、そこに8万人ほどの人たちが住んでいる。
 ホンダが世界的に有名になったのは、ここマン島で行われるバイクのレースで優勝してからであるが、それ以外、日本人にはさして馴染みがある場所ではない。


 ここマン島に人が住み始めたのは旧石器時代と言われており、北ヨーロッパに広がったケルト人がマン島に定住したことで、今でも民族や言語的なルーツはケルト人にあると言われている。その後、ノルウェー人、スコットランド人、イングランド人と支配を代わる代わる受けたが、マン島の領主がいなくなることはなく、長く治安が乱れた時期はなかったという。  
 現在のマン島はイギリス連邦の一部でもなく、といって国でもない独特の形となっている。「自治権を持ったイギリス王室の属領」とされているのだが、王室による強圧的な支配や圧政ということもなく、のどかで治安も良い場所である。

 

マン島ののどかな風景

 

 だが、こうした顔はあくまでも表の顔である。この「マン島」には、日本の裏天皇である漢波羅秘密組織「八咫烏」に匹敵する組織があり、それが「マン島」に隠されたフリーメーソンである。それもフリーメーソンの中のフリーメーソン、フリーメーソンの「奥の院」があるのである。

 

 

◆ トリスケリオン

 

 2019年のNHK大河ドラマ『いだてん』では、オープニングのタイトルアニメーションで、人の足が3本合体した風車のようなモノが回っていたが、これは古代ヨーロッパから現代にまで伝わる神秘シンボルで、「三脚巴:トリスケリオン」という。

 

『いだてん』

 

 最初見たときは「なんだか気持ち悪い」と思われた方も多かっただろうが、この「三脚巴:トリスケリオン」とは「三本足の巴紋」である。題字もポスターのデザインをされたのは世界的アーティスト横尾忠則氏である。

 

 横尾氏はこのデザインについて「ロゴも走っているように見えるといいなと思って、三脚巴(さんきゃくともえ)の形の絵柄を『いだてん』という言葉に乗せてデザインしました」と語っている。ご本人は意識されていないが、トリスケリオンを日本のオリンピックに向けたドラマのデザインに使ってしまうというのは偶然ではない。

 

 

マン島の旗のトリスケリオン

 

 「トリスケリオン」は3つの渦巻きの組合せか、膝を直角に曲げた足を3本、それぞれ120度の角度で、脚の付け根を中心とした風車状に組み合わせたもの(3回対称の回転対称図形)である。三脚巴はフランス・ブルターニュのシンボルであり同様にマン島とシチリアのシンボルでもある。マン島とシチリアの三脚巴は結合部から枝分かれして膝を曲げた三つの走る脚で形作られているが、この三脚巴の螺旋形状はしばしば太陽紋に分類されることがある。

 

左:マン島の国旗 右:シチリアの旗

 

 シチリアはイタリアの特別自治州で、シチリアの三脚巴には、ギリシャ神話のメデューサが描かれている。姿を見た者を石にかえてしまう女神ゴーゴン三姉妹の一人だが、豊穣の女神という位置づけである。この「トリスケリオン」の発祥は地中海のミケーネ文明で、古代ギリシャでは神々の顔とともに、コインにトリスケリオンが多く描かれた。

 

 トリスケリオンは3本足」である。だが、なぜ3本足なのか?

  3本足とは3本柱のことで、三本柱の「生命の樹」を表現しているのである。となれば、当然「カッバーラ」を手にした預言者がそこにいたということなる。古代のヨーロッパにはフリーメーソンが存在した。「ヤフェトメーソン」である。イギリスで発祥した近代フリーメーソンとは異なる、太古から存在したフリーメーソンである。だからこそ近代フリーメーソンはイギリスで発祥したのだ。

 

 近代フリーメーソンはイギリスで誕生したが、イギリス諸島において石工の組合が友愛結社へと昇華した。もちろんその後ろには「ヤフェトメーソン」がいたのである。セム、ハム、ヤフェトと3つに分かれたメーソンは、それぞれセムがメソポタミアへ、ハムはアフリカ大陸へ、そしてヤフェトのメーソンは古代のヨーロッパを目指したのである。いわばトリスケリオンはヤフェトメーソンの足跡なのであり、その足跡をたどることでヤフェトメーソンのの歴史が見えてくるのだ。

 

 トリスケリオンはヨーロッパにおいてはキリスト教以前からの特別なシンボルである。だが、カトリックからいわせると「異教」の象徴であり、キリスト教に抵抗した先住民たちのスローガンに用いられることが多い。

 

渦巻き型三脚巴(変形トリスケリオン)

 

 写真の変形トリスケリオンは「三つの渦巻き」を結合させたもので、右のものはケルトのシンボルである。「三脚巴の裏に横たわる観念と似通った三つの意味」という意味を持つという。この三つの渦巻きの基調は西ヨーロッパの新石器時代シンボルでアイルランド・ミース地方の先史時代の遺跡にも刻まれており、この渦巻のシンボルの変種はフランス、ドイツ、スペインなどでも使われている。

 

 映画『ゴッドファーザー』にも登場するが、シチリア島はイタリアン・マフィアの本拠地である。イタリア半島の南部にあるシチリア島は現在、イタリアの特別自治州になっているが、この島には古来より様々な民族がやってきた。エトルリア人、ローマ人、ギリシャ人に加え、カルタゴ人もいたが、カルタゴ人というのはフェニキア系で、近代フリーメーソンの伝説に登場する「ヒラム・アビフ」と同族である。

 シシリー・マフィアというのは、もともとは圧政に苦しむ人たちを守った側にいた人間たちの末裔で、圧政を強いるのはもちろん王侯貴族とヴァチカンである。つまりシチリア島にはヴァチカンの存在を認めない人たちがいたのであり、ヴァチカンに敵対するシンボルとしてトリスケリオンを掲げたというのは当時のヨーロッパにおいてはかなりの覚悟が必要だったはずである。

 

 

◆呪術的組織の島

 

 日本もそうだが、とかく呪術的組織の本拠地というのは「島」にある。列島や諸島、さらににはもっと小さな島の中に最も重要な神殿を築く。ローマカトリックの総本山ヴァチカンのあるイタリア半島の先にあるのがシチリア島だが、紋章にトリスケリオンを掲げることが示すのは、ここは「ヤフェトメーソン」の拠点だということだ。ヨーロッパにおいてヴァチカンに逆らうようなシンボルを掲げる場所というのは、全て「ヤフェトメーソン」がいた場所と考えていい。

 

 このシチリア島の南に、もうひとつ小さな島がある。「マルタ騎士団」で有名な「マルタ島」である。マルタ島の歴史は古く、ヨーロッパ最古の巨石遺構がある神秘の島である。このマルタ島を長らく拠点にしていたのはフェニキア人、つまり「ヒラム・アビフ」と同族が支配してきた島ということだ。

 

 

マルタ島

 

 現在、マルタ島にはフリーメーソンの組織がある。「マルタ騎士団」である。正式名称は、「ロードスおよびマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」である。この島は不思議な島で、マルタ島自体は共和国なのだが、それとは独立し領土を持たない国として「マルタ騎士団国」があるのだ。領土はないが国家なのである。国連加盟国のなかで、唯一の領土を持たない国家なのである。

 

 「騎士団」というようにテンプル騎士団と同様の修道会として現在にまだ至っており、この騎士団にも位階がある。イギリスのフリーメーソンと同じ3階級に分かれている。もちろん源流はヤフェトメーソンである。このマルタ騎士団の紋章は「十字」である。上下左右対称の十字で、末広がりの十字形を象徴しているが、図形的にはテンプル騎士団の十字と同じ構造である。

 

左:マルタ騎士団の紋章と団章 右:テンプル騎士団の紋章

 

 ここで重要なのがシチリア島とマルタ島の関係である。シチリアはトリスケリオンで、マルタ島は十字。図形的に「3:4」で、両者は「陰陽」の表裏一体になっている。カッバーラである。 

 

 

◆ヤフェトメーソンの奥の院「マン島」

 

 「シチリア島」と同様にトリスケリオンを国旗に描いているのがイギリスの「マン島」である。イギリス諸島のひとつで、イギリス領ではあるものの、イギリス王家直轄の領地で、特別な自治が認められている。シチリアやマルタと同じなのである。イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」だが、マン島は入ってないのである!連邦にも属してないが、支配権は元首であるエリザベス女王がもっている。

 

「マン島」

 

 ここ「マン島」はさらにタックスヘイブンでもある。世界の金持ちや施政者達たちがここに大量の金を隠しており、世界最大の金持ちであるロスチャイルド家もここに隠しているのである。もともとケルト人が住んでいた島であるが、ここは非常に閉鎖的な島で、実は本当の歴史は不明な部分ばかりである。そのあたりも本当の歴史が「神話」の中に隠されている日本と同じなのである。

 

 呪術的組織の本拠地というのは「島」にある。この小さな島には大いなる秘密が隠されている。それはここ「マン島」こそがヤフェトメーソンの奥の院なのである。近代フリーメーソンは無論のこと、ヤフェトメーソンの頂点に君臨する組織がある。それが「マンメーソン」であり、ヤフェトメーソン一手に掌握するグランドマスターが君臨しているのである! 

 この秘密を公開したのは、世界でただ一人、飛鳥昭雄氏のみである。詳細はぜひ飛鳥昭雄氏・三神たけるの共著失われたフリーメーソンの奥の院『マン島』の謎」をお読みいただきたい。

 イギリスで発症した近代フリーメーソンが友愛団体として発足できたのは、ここマン島に「マンメーソン」がいたからである。中世ヨーロッパで城を建築していた多数の石工たちとその組合の中で、なぜイギリス諸島においてのみ友愛結社にまで昇華した理由は、マンメーソンがバックアップしたからなのである。

 テンプル騎士団の残党がイギリス諸島に逃れてきたのも、彼らがいたからであり、テンプル騎士団が手にした失われた聖典や財宝はみなマンメーソンの手に渡り、近代フリーメーソンの教義に影響を与えてきたのである。

 

<つづく>