「フリーメーソン」の真実 その10

 後編:超古代フリーメーソンと闇の秘密結社

 新たな時代の人類の祖となったノアから生じたノアメーソンは、3人の息子たちに受け継がれ、それぞれ「ヤフェトメーソン」「セムメーソン」「ハムメーソン」の3つに分かれて現代に至っているが、預言者を抱く宗教を世界に拡げていったのは「セムメーソン」である。

 セムの直系の末裔にユダヤ人とアラブ人の太祖「アブラハム」が現れ、アブラハムの妻が生んだイサクの子である「ヤコブ=イスラエル」からユダヤ人となり、ユダヤ教、キリスト教が誕生。片や正妻ではなかったハガルの子イシュマエルからはアラブ人が生まれ、後にイスラム教が誕生した。

 

 世にいう「悪の秘密結社フリーメーソン」は「白人」による世界支配が前提の話だが、この「白人」にはヤフェトの末裔の白人と、白人のユダヤ人になりすましたカインの末裔が一緒になっている点が混乱させている原因である。当然、ヤフェトの末裔の白人にも悪い人間は山ほどいるだろうし、カインの末裔の偽ユダヤ人たちが操っている場合は多い。だが、本筋の「ヤフェトメーソン」は悪ではない。なにせ「ヤフェトメーソン」には「ヤコブ=イスラエル」の子「ヨセフ」の血脈も入っているからである。

 

◆ヨセフとヤフェトメーソン

 

 「ヨセフ」は「ヤコブ=イスラエル」の12人の息子たちの末っ子で、父親から可愛がられたことでいつも兄たちから疎まれていた。兄たちはヨセフを殺してしまおうと企むが、さすがに「血を流す」=「殺人」はしてはならないと思いとどまるも、ドタンの地でヨセフを穴に落とし、ヨセフはアラブ人の隊商らによって穴から拾われ、そのまま奴隷としてエジプトに連れていかれてしまった。

 食べ物も飲み物もない穴の中に落とされた危機一髪の状況の故事にちなんで、日本では「土壇場(どたんば)」という言葉を使うが、それはヨセフのような危機に陥っても、神の加護があれば救われるということを表している。もしかすると「憎まれっ子世に憚る(はばかる)」ということわざも同じことかもしれない。なにせ奴隷として連れて行かれたエジプトの地において、ヨセフは宰相の地位に登り詰めたのだから。

 

 

エジプトに連れていかれる「ヨセフ」

 

 イスラエル人、つまりヤコブの一族は大飢饉に見舞われ、住んでいた土地(現在のパレスチナ地方)から移住せざるをえない状況となり、ヨセフが住んでいたエジプトに移住。そこで兄弟たちは再開を果たして仲良く暮らして膨大な数の民となる。だが、やがてヨセフのことを忘れた時代には全員が奴隷の身となってしまった。

 最初に古代のエジプトに住んだのは「ヨセフ」だが、イスラエル人たちが移住してくるまで、そこには「セム」系の民族は住んでいなかった。ヨセフはハムの末裔との婚姻を許されてなかったため、エジプトに住んでいたヤフェトの子孫だった「アセナト」を娶る。ヨセフの子供たちで、後にイスラエル12支族を構成する「エフライム」「マナセ」は、ともにヤフェト系の血を引いていたことになるが、これは「ヤフェトメーソン」と「セムメーソン」が後に互いに密接な関係となることが預言されている。なぜならノアの言葉「ヤフェトの土地を広げ、セムの天幕に住まわせる」という預言の成就したことになるからで、それはこれからの時代への預言にもなっている。

 

 なんでもかんでも「白人は悪」と考えてしまう単純思考の陰謀論大好きな人たちは、ここが理解できない。なんでアジアや南米などの非白人国家を植民地として支配してきた「白人」たちと、セムの末裔のモンゴロイドが手を結ばねばならないのか、と。だが、ノアの預言である。黒人種である「ハム」の末裔たちが奴隷とされてしまうのを預言したのもノアであり、それを逆手にとって「ノアの預言なんだから黒人は奴隷にし構わない」と考えたのは、白人になりすました偽ユダヤ人たちの奴隷商人である。だから混同してしまうのである。

 

 

◆セムメーソンとハムメーソンの戦い

 

 古代エジプトというは実は魔術の文明で、偉大なる「オカルト王国」だった。カッバーラの魔術師たちが多く存在したが、その多くは「闇のカッバーラ」であった。ハムメーソンが作った文明であったが、裏側にいたカインメーソンによる黒魔術が支配していたのである。

 

 古代エジプトで奴隷となっていたイスラエル12支族の「レビ族」から救世主が誕生する。大預言者「モーセ」である。モーセは奴隷だったイスラエル人を解放させる為、ファラオの呪術師たちと対決する。

 

モーセと兄アロンとエジプトの魔術師の対決

 

 ファラオの宮殿で魔術師たちと対峙した際、モーセは兄アロンの持っていた杖をとって地に投げると「蛇」になった。これに対してファラオの呪術師たちも杖を投げると「蛇」に変わった。だが、その蛇はアロンの蛇に飲み込まれた。これは「魔術」である。

 カッバーラでは神も悪魔も「蛇」を象徴として使う。上向きに三回転半絡みつく蛇は「神」の象徴だが、下に伸びる「死の樹」にからみつく蛇は「悪魔」の象徴。エヴァを騙して「知識の木の実」を食べさせた蛇である。

 

 アロンの杖は「魔法の杖」である。次にはナイル河を血に染め、大量の蛙を発生させた。ファラオの呪術師たちも同じことをしてみせたが、続くブヨの発生でファラオの呪術師たちは降参している。

 

 

 チャールトン・ヘストン主演の「出エジプト」を描いた映画『十戒』にはこの時のシーンがある。チャールトン・ヘストン扮するモーセが杖をナイル河に浸けると、みるみる血に染まっていくシーンだ。あくまで映画だが、ユル・ブリンナー扮するファラオ「ラムセス」が壺から聖なる水をナイルに入れようとすると、そこから血が流れ出し、ファラオの魔術師がビビるというシーンが続く。

 「昔の映画だから」などと思ってはいけない。これは「魔術合戦」が行われていたことを表しているからである。

 

 イスラエル人の神は古代エジプトで奴隷状態にあったイスラエル人を救出するため、エジプトに対して「十の災い」をもたらしたと聖書に書かれている。

 

  1.ナイル川の水を血に変える
  2.蛙を放つ
  3.ぶよを放つ
  4.虻を放つ
  5.家畜に疫病を流行らせる
  6.腫れ物を生じさせる
  7.雹を降らせる
  8.蝗を放つ
  9.暗闇でエジプトを覆う
10.長子を皆殺しにする

 

 さらにはモーセはエジプトから出た時に、エジプト軍を全滅させるトドメの一撃「紅海割れ」の奇跡を「魔法の杖」で行っている。

 

 

「紅海割れ」

 

 出エジプトの際、ヨセフの子孫のエフライム族とマナセ族は、モンゴロイドのイスラエル人と行動をともにした可能性が高い。もし行動をともにしていたのならば、その後、失われたイスラエル12支族の中にはヨセフの末裔であり「ヤフェトの血」が混じっている末裔たちがいるということであり、彼らは古代の日本にもやってきているということになる。

 

 

 

◆ イスラエル教とヘブルメーソン

 

 「イスラエル12支族」が完全なるフリーメーソン王国を築くにあたって、最も重要な儀式は創造神ヤハウェとの契約であった。それはモーセがシナイ山でヤハウェから授かった「十戒」となるはずであった。だが、モーセを待ちきれない民衆は偶像崇拝に陥ってしまう。

 兄アロンに「黄金の子牛」の像を作らせ、それを皆で「神」として拝んでいたのだ。「十戒」の中で禁じられている「偶像崇拝」をしてしまっていたのである。モーセとしてはシナイ山で「偶像崇拝禁止」という戒めを授けられていたというのに、下にいた人間たちは真逆の行為を行っていたのである。

 

 怒ったモーセは3000人を粛清。再びシナイ山に登った。

 

 

 「十戒の石版」と黄金の子牛像」

 

 ユダヤ教は最初からずっと「ヤハウェ」の一神教だと思われているが、紀元前7世紀に行われた「ヨシア王」による宗教改革以前、ユダヤ教は一神教ではなく、絶対三神を祀る三神教であった。イスラエル人たちが作った宗教という意味で、仮にこれを「イスラエル教」と呼ぶ。

 モーセは「契約の箱=アーク」とともに「三種の神器」を作らせた。神器が3つあるということは、絶対神が3人いたということである。モーセを通じて創造神ヤハウェと契約を結んだセムメーソンは、ここで新たなフリーメーソンとなった。「ヘブルメーソン」である。

 

 

<つづく>