皆さんの記憶にも新しい事件だと思う 



野田小4女児虐待事件とは
2019年1月24日に千葉県野田市で発生した
小4(10才)女児が両親より継続的な虐待を受け
自宅浴室で死亡した事件



有名なのは
女児の書いたメッセージを
父親に開示してしまったことだろう







2017年7月 沖縄市へ母親の親族から
「母親が夫から暴力を受けている。
子ども(被害女児)もおどされている」と相談があったが
母親が二女を出産後精神科に入院していたことから
市はDVの有無を確認できなかった

女児は11月6日
小学校で行われたアンケートに
「お父さんにぼう力を受けています。
夜中に起こされたり、起きているときにけられたり、たたかれたりしています
先生、どうにかできませんか。」と自由記入欄に回答した

そして、翌日に児童相談所が女児を一時保護した


2月27日に一時保護が解除され
女児は父親の親族宅に預けられた

学校と市教委指導課の担当者が両親と面会
父親は「暴力はふるっていない」「訴訟を起こす」などとおどし
学校側がアンケートの内容を伝えると
父親はコピーを渡すよう要求

市教委は「本人の同意がないと見せられない」といったん拒否したが
15日には父親が女児の同意書を持って来たため
市教委の判断でアンケートのコピーを渡した


後にわかったことだが
女児の同意書は母親が女児に書かせたものだった

「お父さんに叩かれたというのは嘘です」
「ずっと前から早く(両親と妹の)4人で暮らしたいと思っていました」
文面は父親が考えたものであった



2018年 水面下での虐待は続いていた
9月にいったんは父親の親族に預けられていた女児は
12月25日にクリスマスパーティーに合わせ自宅に戻り

その後ほどなく

父親は女児の体を床に打ち付けるなどし
肋骨骨折などのけがを負わせた

1月7日に新学期が始まったが
虐待の発覚を恐れた父親は
学校を休ませ、自分の実家にも連れて行かなかった



その後、父親は1月22日夜の食事を最後に

女児に十分な食事や睡眠を与えず
冷水シャワーを掛けたり
浴室に立たせ続けたりするなどして

 

24日に女児は死亡に至った


遺体には頭から足まで全身に数十カ所のあざがあった

服の上から見えない部分に集中していたため

父親が虐待が発覚しないように
暴力を加える箇所を選んでいたと思われる

胸の骨が折れ、髪も数カ所抜け、胃の中には食べ物がなかった

1月25日に父親 

傷害致死罪と傷害罪 懲役16年

 

2月4日に母親を傷害の容疑で逮捕

傷害ほう助罪 懲役2年6ヶ月(保護観察付き執行猶予5年)




父親は裁判で「虐待はあった」との認識は示したが
女児が死に至るまでの大半の暴行を否定し
娘や妻に責任を転嫁していたらしい


先の目黒女児虐待事件から
児童虐待事件の厳罰化がすすんだ

『目黒女児虐待事件(めぐろ じょじぎゃくたいじけん)』

 

 


この事件は親の虐待だけが
問題になったわけではなかった

千葉県柏児童相談所が2017年12月に女児の一時保護を解除したことに批判が集中した
また、父親に女児のアンケートを渡したことについても同等である



児童相談所や学校・市教委学校教育部、市児童家庭部
千葉県のみならず、沖縄の児童相談所も危機管理意識が不足していたと認識

野田市は市長含め 27人の職員に処分を下した

千葉県は2019年5月に児童相談所の体制強化や
一時保育所の増設などを盛り込んだ「児童虐待防止緊急対策」を公表

2026年度までに児相を二つ増設するとともに
中核市の船橋市と柏市も自前の児相設置を決めた
また、2022年度までの3年間で児相職員を約260人増やすとした

これをきっかけに 国では2022年6月8日
虐待を受けた子どもを親から引き離す「一時保護」の手続きの際に
裁判官が審査することなどを柱とする
改正児童福祉法が成立した





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