映画『キングダム 魂の決戦』

山崎賢人主演のシリーズ第5作。


王騎将軍(大沢たかお)がいなくなって、物足りないかと思ったが、豪華キャストの合戦シーンが素晴らしい。

秦国と他の六国が「合従連衡」で対立する史実を描く。函谷関の攻防。

万極(山田裕貴)の異形と迫力。

吉沢亮、小栗旬、佐藤浩一、斎藤工、志尊淳、要潤、坂東彌十郎と、よくこれだけ集めたという豪華さ。

王宮内でのやり取りも面白い。

ただ、万極の救いの無さと、次回作へ誘うような展開は、少し不快。

迫力と面白さ、監修の中国古代の鶴間和幸先生が恩師なので、次作も見るかな。

15年前の映画

『はやぶさ 遥かなる帰還』

サンプルリターンを成功させ、2010年に地球に帰還した、小惑星探査機「はやぶさ」。

様々なトラブルに見舞われ、満身創痍で地球に突入し、我が身を燃やし尽くして、サンプルを届けた、はやぶさの姿に多くの人が泣いた。

突入直前に、はやぶさが撮影した、かすかな地球。

プロジェクトマネージャーの渡辺謙や、新聞記者の夏川結衣の、人間模様。

山崎努・藤竜也・吉岡秀隆・江口洋介ら充実の布陣。

辻井伸行のピアノが優しい。

舞台挨拶で、涙した渡辺謙。

東日本震災後の苦難の時期に撮影された。

映画『エレノアってグレイト。』

スカーレット・ヨハンソンの初の監督作品。

頑固で皮肉屋で、思ったことをハッキリ口にするため、娘や孫ともうまくやれないエレノア。

長年ともに暮らした親友が、悪夢を見た夜中、彼女のホロコーストで兄を亡くした凄絶な話を聴く。

親友が亡くなり、エレノアは、ニューヨークの集まりで、つい親友の話を我がこととして話してしまう。

彼女の、そのささいな嘘の波紋。

エレノアの話に感動した、歳の離れたニナとの交流。

母を亡くした悲しみと、父との関係に悩むニナ。

ふたりのあたたかい関係が、嘘の発覚で、崩れそうになる。

最後に、ニナの父が語る、喪失の苦しみと許容と赦しが、心に沁みる。

それにしても、96歳で主役のエレノアを演じた、ジューン・スキップには、感嘆するほかない。

映画『鬼平犯科帳 血闘』

鬼平を、中村吉右衛門から松本幸四郎が受け継ぐ。

若き日の鬼平を息子の染五郎が。

中村ゆりのおまさ、火野正平の彦十、浅利陽介のうさぎも、先代とは違った味がある。

円熟の吉右衛門に対し、若さと活劇の幸四郎。

志田未来や松本穂香のやさぐれた演技も見事。

極悪の北村有起哉と、孤高の盗人の柄本明は、さすが。

薄幸な女たちへの「ひとは、生まれ落ちるところは選べないが、誰を慕うかは選べる」とのセリフ。

U-NEXTで

『フジコ・ヘミング 永遠の音色』

2024年に92歳で世を去った彼女の、波乱の人生。

背中を丸めピアノを弾く姿。

掃除婦で生計を立てたことから、ピアニストらしからぬ、節くれだった太い指で奏でる「ラ・カンパネラ」は心を揺さぶる。

無国籍の生き辛さ、リサイタルの直前に聴力を失う不運。

才能がありながら、人に騙されることも多く、ヨーロッパを転々とし、不遇な時期が長かった。

67歳でやっと、奇跡のピアニストとしてブレイク。

求められ、世界各地で演奏し、猫たちと暮らす日々。

病を得て、最期にピアノに向かい、静かに蓋を閉じるシーンを見たことがある。
涙とともに見事な人生に感嘆した。

金曜深夜のアニメ
『逃げ上手の若君』

大河でもあまり描かれない、南北朝時代。

NHKでも放映した、ぶっ飛んだ展開と描写のアニメだが、実は歴史を深く踏まえている。

磯田道史・加来耕三と並んで、人気の日本史学者の本郷和人がコラムを書いている。

天皇が北朝・南朝に対立した混沌の時代。
戦前は、天皇家の分裂は不敬だと、教えることも避けられた。

時代が動き、さまざまな価値観や魅力的な人物を輩出した。

足利尊氏や、楠木正成を描きたくなるが、北条時行を取り上げたのは、秀逸。
「中先代の乱」が、教科書に一行あるか無いかの人物。

「戦って死ぬ」から「逃げて生きる」のスタンス。

北畠顕家を魅力的に描いてるのも良い。

北方謙三が「破軍の星」で北畠顕家を活写して、魅了された。

映画『Michael/マイケル』

マイケル・ジャクソンの歌とダンスを堪能できる2時間。

父との確執、母の愛情。

子役から青年、大人までの俳優のリレーがうまく、歌とダンスも上手い。

マイケルを演じた、甥のジャファー・ジャクソンがいい。

「スリラー」のPVの制作シーンも面白い。

映画では描かれなかったが、ステージに登場して、1分40秒も微動だにせず、観客の心をつかむ伝説のシーン。

「ビリー・ジーン」「バッド」など名曲ばかりだが「スムーズ・クリミナル」は、私の幼心に響いた。

後に「ウィ・アー・ザ・ワールド」のチャリティーや「ブラック・オア・ホワイト」の差別への抗議など、世の中の悲惨や不合理への眼も。

ダンスや歌唱の魅力は、いまだに惹きつけてやまない。

50歳で亡くなったのが残念。

歌とダンスを愛し、愛された彼は、幸せな人生だったろうか?

憧れのネバーランドは、見られたろうか?

U-NEXTで、15年前の映画
『阪急電車 片道15分の奇跡』

様々な屈託や苦悩、怒りを抱えた、気の弱い女性たちのオムニバス。

電車に乗り合わせたことで、接点を持ち、助け合うようなリレー。

出来すぎた展開ではあるが、ささやかなホッコリがいい。

最近話題の戸田恵梨香をはじめ、豪華な女優陣の共演が楽しい。

鈴木亮平、大杉漣、玉山鉄二らが、端役で出ているのも面白い。

「自分の意志で涙を止められる女になりなさい」とのセリフが刺さる。

最後に、やかましくて迷惑な大阪のおばちゃんたちを一喝する宮本信子が痛快。

子役の芦田愛菜もかわいい。

先週の木曜日の
『カンブリア宮殿』

僻地にユニークなホテルを手がける、ARTHの42歳の高野社長。

熱海や伊東と違い、さびれた西伊豆に斬新な施設で地域活性化を。

限界集落の落ちぶれた宿を、高価なミシュランホテルに。

インフラのないウガンダの現状から、自給できるシステムを考えた。
80億の世界で20億の人が、インフラのない中で医療を受けている。

太陽光と雨水の濾過などで、電気・水道なしで大自然を味わえることを考えた。

ARTHには、大企業などから、興味を持った人材が集まる。

タワマンも高級車も欲しくない。
人と違う価値観を大切にする社長。

均質な人材を集めて、効率的な経済活動を長く続けることが良いとされてきたが、多様な価値のある人の掛け算で、AIでもたどり着けない、新しい物差しを求める。

昨夜のNHK-Eテレ
『toi-toi』

「無条件に生きていい、じゃダメなの?」がテーマ。

人の役に立つ、経済的に貢献する、生産性があるなど、なにか理由がないと生きていていいと思えない。

カスでもクズでも、人権があり生きていていい。それが当たり前なのに、そう思えない。

障がい者でも、あなたはまわりを明るくしてくれると言われる。
それって、まわりを明るくしないと価値がない?

「LGBTは、生産性がない」と言った政治家がいた。

障がい者や高齢者、LGBTなど社会に貢献できない存在は、生きる価値がないと思う人が少なからずいる。

自分には、生きる価値も理由もあると自負し、自信を持つことで幸せに生きられるのは良いかもしれない。

でも、それを他人にまで求めて、生きる価値を判断するのは大きな間違い。