『ミッドサマー』を観て改めて思うのは、ビョルン・アンドレセンという俳優の存在感だ。彼は「世界一の美少年」と呼ばれた人で、その儚い美しさは時を超えてスクリーンに刻まれている。 彼が亡くなったというニュースを聞いて、胸にぽっかりと穴があいたような気持ちになった。私がレビューした『ミッドサマー』にも彼は出演している。
あの映画を観た後、ぜひ彼の若かりし頃の映像や写真を検索してみてほしい。そこには、神話の登場人物のような、現実離れした輝きがある。
そして、『ミッドサマー』の中で老いた彼の姿を見ると、時間というものの残酷さと同時に、人間の存在が放つ永遠性のようなものを感じずにはいられない。
彼の生涯そのものが、まるで一本の詩のようだった。