「私にとっての“脇役の名優”ティム・カリー」
誰しも子どもの頃、映画を観ながら「この人、なんか気になる…」という脇役に出会ったことがあると思います。
私にとって、それがティム・カリーでした。
そう、あの『ホーム・アローン2』のホテルマン。
主人公を疑い、絶妙な顔芸とムダに高貴な物腰で笑わせてくれる、あの“妙に印象に残る人”。
幼心にも「この人、もっと売れてもいいのにな」なんて思いながら観ていた私は、
ちょっと変わった子どもだったのかもしれません。
でも本当に、彼の演技が一番好きだった。
あの顔、あの声、あの間。
クセになる不思議な存在感。
チップを貰えなかった時の演技。
『ホーム・アローン』の思い出話をする時、いつも私の脳裏にまず浮かぶのはケビンではなく、あのホテルマンでした。
そんな彼のことを、ふと思い出して調べてみた今日――
私は衝撃を受けました。
ティム・カリー=『ロッキー・ホラー・ショー』の主演俳優。
え? あの奇抜でパワフルで、私の大好きなカルト・ミュージカルの?
あのホテルマンが? あの、ド派手なランジェリー姿で歌ってた彼が?
そしてさらに知る。
彼こそが、あの恐怖の象徴、『IT』の初代ペニーワイズ。
私は愕然としつつも、なんだかすごく誇らしい気持ちになりました。
子どもの頃に“好きだ”と思ったその感覚は、間違っていなかったんだ。
その“脇役の名優”は、実は世界中で記憶される名俳優だった。
映画を何百本と観てきたはずの私が、30年以上経ってなお新たに知る事実。
ティム・カリーという俳優は、ずっと私の思い出の片隅にいて、
そして今日、もう一度私の中で輝き直したのです。
まだまだ映画の世界には、自分の知らないことがたくさんある。
でも、だからこそ観続ける意味がある。
そんなことを改めて思わせてくれた、ティム・カリーの存在に感謝を込めて。