寵愛 | なな色のやりたいこと

なな色のやりたいこと

やりたいことをやりたい
やりたいことをやろう

2作目となります。


前髪をおろした彼は
昼間とは別人みたい


今日も厳しい叱責
「特別なお気に入り」と
周りは笑うけど


その人たちも知らない
夜の彼


「かわいそうに、
 なにもあんな言い方しなくったって
 いいのに…
 意地悪な上司だね」


そう言って
やさしくわたしを
抱き上げるのは
当の本人なのだ


「特別なお気に入り
   …間違っちゃいないね」


二人きりのこの部屋で
夜毎 繰り返される
寵愛の、限り


やわやわと
羽毛のように
繊細に
ひたすら
時間をかけて
甘やかし


いつのまにか
どんな荒さも
呑みこむカラダへと
仕上げられていく


「こんなに愛されて…かわいい」
   

惜しみなく
尽くされて
我を失うころ


誓いの言葉を
言わされる
何度も
何度も…