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出生率過去最低の背景に経済不安 仕事と家庭の両立に課題 新たな少子化対策の効果に疑問
6/5(水) 17:23配信 産経新聞

厚生労働省が5日発表した令和5年の人口動態統計(概数)で、1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が過去最低の1・20に下落した。背景には経済的不安を理由に結婚や出産を諦めるケースの増加があり、出産後の仕事と家庭の両立にもなお課題が残る。政府は5日の参院本会議で児童手当の拡充などを盛り込んだ少子化対策関連法を成立させたが、専門家からは効果を疑問視する声も上がる。
今回の出生率は、17年ぶりに過去最低水準となった4年の1・26から、さらに0・06ポイントも大幅に下落した。日本では婚姻数が減れば2、3年後に出生率も連動して低下する傾向がある。2年以降の新型コロナウイルス禍に伴い、婚姻数が落ち込んだ影響が今回の出生率に現れた可能性がある。
また、若者世代を中心に経済的な不安から結婚や出産を諦める傾向が続く。婚姻数は47万4717組で、戦後初めて50万組を割り込んだ。母親の年齢別では、25~29歳の合計特殊出生率の下落幅が全世代で最も大きい。
この時期に第1子を授かれば第2子以降につながりやすいとされるが、雇用難や賃金低迷などの影響を強く受けやすい年齢とも重なるとの分析もある。日本総合研究所の藤波匠上席主任研究員は「経済や雇用環境の悪化が出生率の大幅下落につながった」と指摘する。
出産後に女性が活躍できる環境づくりも不十分だ。政府は育児負担の軽減に向け男性の育児休業取得を後押しし、7年に取得率を50%まで高めたい考え。だが、取得率は4年度時点で17・13%にとどまり、目標との差は大きい。このため来年4月には、男性の育休取得の公表義務を、従業員1千人超の企業から300人超の企業まで広げる。
経済協力開発機構(OECD)の調査(2022年)では、日本の女性役員比率は15・5%と先進7カ国(G7)で最下位にとどまり、企業の女性登用も遅れが目立つ。パーソル総合研究所の砂川和泉研究員は「男性の方が昇進や昇格の道がより開けているなど、潜在的な男性優遇が残っており、男性の育休取得を妨げている」と指摘する。
地域別の出生率では、東京都が0・99(前年比0・05ポイント減)と公表数値としては初めて1を割った。経済界有志や有識者らでつくる民間組織「人口戦略会議」が4月にまとめた報告書でも、東京都内の17自治体が出生率が低く他地域からの人口流入に依存する「ブラックホール型自治体」と分類され、出生率の向上を図る対策は急務だ。
政府は「2030(令和12)年までが少子化傾向を反転できるラストチャンス」(岸田文雄首相)として少子化対策関連法を成立させた。ただ、藤波氏は「同法に盛り込まれた対策では、結婚や出産を諦める人たちの経済的な不安の解消につながらない」と指摘。「政府は雇用環境や賃金の改善を強力に進めるべきだ」と述べた。(大島悠亮、重川航太朗)

経済不安の対象とは、出産適齢の人々だけではないことに気づけないと、永遠に補助の質量を上げ続ける政策しか出てこない。

そして、それは不可能だ。

人口構成を見ると高齢者が3割ほど存在するのだが、これはたびたびブログにも記したのだが、奇跡的に、今年から出産数が飛躍的に伸びたとしても、この高齢者層への直接的なインパクトはほぼない。

すなわち、今年生まれ他子供は、20年後に実質的に社会に出て稼ぎ始めるからだ。

こういうときには、全世代的に経済状況を把握して、おちこぼれをなくしていかないと、上手く行かない。

部分的な対応に熱中すると、別のところで、しっぺ返しに合うことになる。

以下のような記事は、実は、少子化の助長とも関係性があると思われる。

 

生活保護の申請件数は約25万件で4年連続増 物価高やコロナ禍が背景か 厚労省
6/5(水) 13:08配信 テレビ朝日系(ANN)
 2023年度の生活保護の申請件数が25万1364件で、4年連続で増加していることが分かりました。物価高などが背景だということです。
 厚生労働省が公表した生活保護の実態調査の速報値によりますと、2023年度の生活保護の申請件数は25万1364件でした。
 前年度の24万5704件からおよそ2.3%増加し、2019年度から4年連続で増加しています。
 厚労省はコロナ禍で職を失ったり、生活に余裕がなくなったりする人が増えたことや近年の物価高が影響していると分析しています。
 また、社会全体で単身世帯が増えていて、支えてくれる人が少なくなっていることも要因のひとつだとしています。
 今年3月末時点での生活保護受給者の総数は201万8671人で、前の年の同じ月からは9180人減りました。