本書は星海社、星海社新書2015年刊行のもの。
この著者は、サイバーコネクトツーというゲーム作成会社の社長。
私は、この業界については無知だが、10年続く会社が少ない中、未だ、健在でヒット作もリリースしている会社の魅力を社長自らが語るというもの。
そして、ゲームクリエイターになるとか、この業界で起業するとか言う人が読むと、この本にものすごい違和感を感じるかもしれない。
まぁ、それは、読んでからのお楽しみとして、私は、本書を読んでいて、本田技研工業(現在はホンダ)の、本田宗一郎氏に関する本を思い出していた。
ホンダは、まだ企業規模が(現在と比べて)小さいうちから、海外の2輪のレースに出て席巻したり、1960年代にF1に進出し、痩せても枯れても、優勝をものにしているような、表向きは破天荒な会社だ(戦後外貨の手持ちがない時期に海外から大量の工作機械を買い付けて官僚に怒られたとか、国内の自動車産業を規制しようという動きに対して反発て、2輪メーカーから4輪に急造で進出したおかげで、現在の姿があるとか、2代目の社長は本田宗一郎の投げた工具が当たって流血したとか・・・)。
しかし、それだけでは、発展途上の会社としては、いつか空中分解してしまう。
そういう要素(経営的なバランス感覚)がこのサイバーコネクトツー社にもあると思うのだ。
本書は、とても楽しい読書になることは間違いないのだが、その実、内容は気軽なものではないと、思ったほうが良いと思う。