自然はそんなにヤワじゃない(花里孝幸著) | 本のブログ

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普通の人は読まないだろうと思う本を記す。
あとは、Linuxと中古PCなどの話題。

本書は新潮選書2009年刊行のもの。

 

この本はお勧めだと思う。

昨今の危惧されている地球環境問題について、たぶん、一番正しい見解を示しているのではないかと思う。

 

人類は地球の生態系を破壊しているという見解に対して著者は「地球生態系は人類が健全に生きていくためにある」すなわち、人類のために環境を制御することを肯定しているのだ。

ただし「生態系全体への影響を考慮せずに今の人類の都合がよいように、やりたいことをやってよいというものではない」とする。

なぜなら「人類も、多のあまたの生物種同様に、地球生態系の一員であることは紛れもない事実だからである」という。

人類は自らのために地球環境を制御して良いのだが、短期的に、自分勝手に環境を制御することは、将来の人類の生存を脅かす結果につながるかもしれないという可能性に対して真摯に向き合うことが大切だということだ。

 

池の水温が数度変化するだけで生存できなくなる魚がいるように、人類も、一見するととても小さな変化でも、生存を脅かされる可能性について慎重に対処するべきだろう。