FACTFULNESS(ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド) | 本のブログ

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普通の人は読まないだろうと思う本を記す。
あとは、Linuxと中古PCなどの話題。

本書は日経BP社2019年刊行のもの、このブログの趣旨とは外れてベストセラーのご紹介だ。

もっと最近のリリースだと思っていたが、2019年と5年以上前のものだった、しかし、読んでみると私もサル以下だと思い知らされる、いつまでも色褪せない画期的な著作だ。

 

そんなわけで、サル以下の私は、その後に起きた、コロナ禍や、ウクライナ、パレスチナ紛争を取り上げた「FACTFULNESS(実践版)」を期待したかったのだが、主著者は本書を上梓する時に故人となってしまったので、果たせない願望となってしまった。

さて、本書の大きな流れは、この世界は、徐々に良くなっている、20世紀にはあった、南北問題は解消の方向にあり、殆どの国は中流国になった、人類の進歩についてもっと評価して良いのではないかというものだ。

そんな内容を読んでいて、変なことに結びつけて考えていた。

それは、先程終わったAFC2023アジアチャンピオンカップ(実際の開催は2024年)だ。

戦前の予想では日本が優勝するのではないか、負けるにしても相当上位には食い込むだろうというものだったのだが、結果は、ベスト8で敗退となった。

結果的には、中東勢(開催国カタールが優勝)が強かったのだが、古い考え方だと、いわゆるアラブの笛と呼ばれる実力とは関係ない嫌な駆け引きで勝ち上がったのではないかという思いがあるのだが、実際に日本が破れた試合を見ると、確かに多少ジャッジに不満はあるが、実力差で負けていることはあきらかだ。

以前より、アラブのチームはフィジカルは強いが、戦術やらは苦手だという先入観があったが、今回はそういう面もきちんと鍛えられていた。

そう、ナショナルチームにきちんと、トレーニングできるだけの国力(資金とか、教育など)が整ってきたことの証拠ではないかと思うのだ。

そういえば、先のサッカーワールドカップでもアフリカ勢が躍進したのだが、これも、昔のイメージのような貧しい国を脱却して、きちんとチーム作りができるだけの国力が整ってきた証拠なのではないかと感じたのだ。

 

本書では、そういうことが書かれている、アフリカ=貧乏国ではない、少しづつでもレベルアップしているのだ・・・と!!

それが、最近話題となっているグローバルサウス(の台頭)という言葉なのだろう。

もはや、20世紀のように、圧倒的に先進国、例えばG7が世界の動向を支配しているのではない、逆に、日本もそうだが、前世紀を謳歌した国々が先進国のまま停滞している状況が現在の姿なのではないだろうか?

それは、世界的には好ましいことだろう、しかし、先に、進歩していた国々、米国、西欧諸国、そして、日本などにとっては、厳しい時代のはじまりになるもしれない。

本書でも、次の、経済的なターゲットは、アジアとアフリカだと明確に記されている、さて、そういう中で、アジアの中の日本はどう振る舞えばよいのだろうか?

 

「FACTFULNESS」の考え方について、そのノウハウに目を奪われてしまうと、その後ろの状況を見過ごしてしまうかもしれない。

そして、私は、本書を読んでいて、日本の仏教思想を考えていた「FACTFULNESS」は珍しいものではなく、古くから日本にあったある考え方と共通する部分があるように思えたのだ。

その辺については、またいつか機会があれば記そう。