本書は集英社2004年刊行のもの、本書を知ったのは、故小田実「市民の文(ロゴス)岩波書店2005年」に紹介されていたからだ。
そして、日本にもある差別を、アメリカという別の視点から見つめるのには最適な本だと言えよう。
誰にでもお勧めできる本ではないけれども、間違いなく、名作だ。
ちなみに、読了後に感じた、とんでもないことがある。
本書の主人公が、自分の人種を偽るということは、もしかすると、戦後の日本人がそれまでの(ネィティブな)日本人を否定して、アメリカ人になりたいという願望と、実は同根なのではないかということだ。
まぁ、それが時代の趨勢ならば致し方がないので、その行く末を見つめることが大事なのだとだと思う。