行政法が試験科目に無い時代に司法試験を受験していたことと(以前,選択科目があった時代には行政法もありましたし,新司法試験では必修のようです。),実務に出てから行政事件を担当する機会に恵まれていないことから,勘を取り戻すのに良いかと思い,木山泰嗣弁護士著『小説で読む行政事件訴訟法』(法学書院)を読みました
『小説で読む~』という題名の法律の本を紹介するのは少し躊躇しましたが,とても充実した内容なので紹介させていただくことにしました。
あの難解というかイメージの湧きにくい行政事件訴訟法を小説に絡めてテンポ良く説明されてします。
まず,それぞれの問題に対して,条文からスタートして次に判例を検討するという流れもさすが現役タックスローヤーが書かれた本だなと感じました。
「提訴期間」や「印紙代」を重点的に取り上げているのも参考になりました。
ロースクール生が,税務訴訟を扱う法律事務所でのエクスターンシップとしての実習を通して成長していく姿を描くストーリーですが,少し自分の受験時代を思い出しつつ,合格前に実務をのぞける機会があることを少し羨ましく思いながら読みました(ロースクールができる以前は,研修所に入るまで実務を見る機会はほとんどありませんでした。)。最後の展開は,個人的に涙なしでは読めなかったです(内容は,読んで確認して下さい)。
これから法律を勉強される方は,行政事件訴訟法を理解するには,民事訴訟法の理解が欠かせないので,(私は読んでいませんがきっと分かりやすいはずの)『小説で読む民事訴訟法』から読むのが良いと思います。
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